精神爽奮

これまで10年間ほど、事あるごとに「精神爽奮」と言う言葉を使ってきた。「爽やかに奮い立つ」いい言葉と思いませんか?そんな会社が究極の目標と思ってやって来ました。しかし、どこかでこの言葉に会って、共感を覚えたのは記憶しているのですが、語源は分からないままでした。それが2011.3号の人間学を学ぶ月間誌「致知」で判明しました。

明末の大儒、呂新吾(りょしんご)は言う。

精神爽奮なれば則ち百廃俱(とも)に興る
肢体怠弛(したいたいし)すれば則ち百興俱に廃る

(精神が爽やかに奮い立てば、もろもろの廃れた事が一斉に興る。 手足身体が怠け弛むと、もろもろの盛んなことも一斉に廃れる)

運とツキを招き寄せる法則は古今に不変である。運とツキに関する著名人の言葉も付記しておきます。

★武田双雲(若くして前衛書道家として活躍。NHKの大河ドラマ天地人のタイトルを書く)

「感謝、感性、感動」の3つを大切にすることですね。毎日毎日、感謝、感動していたら、運がよくなるに決まっていますよ。向こうが引き寄せるのか、こっちが引き寄せるのか分からないけど、ありがたいことにどんどん寄ってくる。たぶん、「自分は運が悪い」と思っている人は、運が悪い部分しか見ていないだけなんですね。

★谷岡一郎(大阪商業大学学長)

自分が持てる限りのベストを尽くした中で、初めてツキが出るんです。運だのツキだのといった話は人事を尽くした人が言うべきで、全力を尽くしもしない人がごちゃごちゃ言うものじゃないと思いますね。

★衣笠祥雄(スポーツコンサルタント)

勝負に負けて、ふてくされたり、やけくそになるのは自己否定で、そういう人に運が向いてくるとは考えにくい。私が練習に励んだのは自分に対する信頼からでした。

★樋口武男大和ハウス工業会長

人の道を守らない人、親を大事にしない人、恩ある人に砂をかける人に運はついてこない。          

「教育問題]両親や先生を尊敬しますか?

今年のⅠ月の社内向けブログの紹介です。親を思う心、先生を慕う心などは、外国より日本の方が熱いのではと思っていましたが、最近のデータで驚くべき数字が出ています。このデータを見ると皆さん方も驚かれ、悲しまれることと思います。

今、大震災で「人間の絆」があらためて見直されつつあります。亡くなった両親を思い号泣する子どもたちや、隣人を気遣う人たちの姿に涙します。ボランティアの方々の献身的な奉仕に、被災者の方々が心のこもった感謝の意を表されている姿に感動します。この際、日本人の本来の特質を取り戻し、被災者の皆さんと共に「ガンバロー!にっぽん」。

日本の現状を憂える対談(平沼立ち上がれ日本代表と米長日本将棋連盟会長)の中で、こんなデータが披露されていました。

  • 20カ国のアンケートで「自分の両親を尊敬しますか?」との問いかけに対してYesと答えた比率が

中国人 80%、アメリカ人 82%、韓国 82% に対し日本は最下位の25%!  (このデータで50%を切る国はおしまいと言われている)

  • 「あなたは先生を尊敬していますか?」との問いかけに対して

20カ国のうち19番目の国でも70%なのに、日本は最下位の21%

驚きました。日本の良さが失われてしまったのでしょうか?あの合理主義が徹底されているアメリカと比較しても唖然とするデータと思いませんか?人間の絆、互助精神、お互いを思いやるやさしい心、そして“おもてなしの心”など、日本人の最大の美徳と思い、これからのグローバル化の進展の中でこの特徴を活かすことが日本の競争力の原点と思っていたのですが・・・。自分ひとりのせいでここまで成長できたのではなく、親兄弟、先生、友人、同僚のお陰でここまで来られたとの想い、感謝の心は自分自身の成長にも寄与し、そして世の中を明るくします。

「三つ子の魂百まで」と言われます。ある人が言っていましたが、昭和40年に厚労省が母子健康手帳と一緒に配布される副読本に「添い寝はするな、おんぶ・抱っこはほどほどに」と書いてあったとか。そしてこの子たちが中高生になる昭和55年に「校内暴力」が出てきて、大学に入る時期に「新人類」「プッツン」の流行語。そして今は親になって「モンスターペアレント」。(九州ルーテル大学の潮谷教授)

直接的な因果関係とは別に、例えば母親がテレビを見ながら授乳していると赤ちゃんは母親の関心が自分に向いていないことを察すると言います。子供が「私は親に嫌われている」「親が関心を示さない」と思いこむと、自分の存在感を示すために家庭内暴力などに走ると言われます。自分の子供が、こういう子供になると、まさに「無縁社会」とは無縁とは言えなくなります。もっと子供の育成に関して考えたいものですね。育児休暇をとって、赤ちゃんに十分接することの重要性が認識できます。

日本の自然は世界一(海)!

前々回の「森編」に続き今回は「海編」です。

海の生物種の数も世界一。カムチャッカとフィリピンから来る海流、アムール川から流氷と一緒に流れ来る鉄分など、いくつもの不思議が重なって、日本近海の生物種が育っているのだそうです。自然は、自国だけではなく、いろんな国が関係しながら形作られるものなのですね。世界的な自然保護活動が必要な理由が良く分かります。原発の汚染水の海への放出残念です。

前回に引き続き、今回は2日目の「海」編です。海の生物種も日本近海では34000種もいるそうです。これは世界25海域の中で世界一(2010.8に判明)で世界の15%を占めるそうです。これは、赤道からフィリピン東沖を通ってくる黒潮とカムチャッカ沖から来る親潮という幅100Kmにわたる世界最大の海流と、もっとも深い海溝(深さ1万m以上の深海比率が80%というのは日本だけ)に囲まれているお陰です。北と南の海温差が20度Cもあり、世界の海の条件がすべて整う豊かさ(プランクトンなど)があるからです。

「北限のサンゴ礁、南限の流氷」も大きな特徴です。流氷に見るオホーツクは、「地球の偶然が重なった奇跡の海」と呼ばれています。植物性プランクトンは鉄分が欠かせないのですが、オホーツク海は世界一の鉄分含有率を示しています。これはアムール川河口の湿原地帯から流れ出た鉄分が、海で沈まず運ばれてくるのは、海流と流氷のお陰で日本海近辺まで運ばれてくるそうです。千島列島のわずかな切れ目から太平洋にも流れ出て来ています。

サンゴ礁も千葉館山沖周辺まで群生しているのは黒潮(28度)のお陰です。銚子沖の両海流のぶつかる潮目では、魚が一杯泳いでいます。小笠原諸島海域のザトウクジラは1000kmのカムチャッカの海から出産と子育てのため来ているそうです。沖縄のサンゴは1000種、魚はそれぞれのサンゴに合わせて生活流儀を作りだしているため、魚の種類もサンゴの種類の多さに比例して多くなります。マングローブの林も、干潟の栄養分の多さでコメツキガニなど60種類のカニが生息しています。

「日本海はなぜ魚の宝庫なのか?」最近解明されたそうですが、海底には植物プランクトン、動物性プランクトン、小魚の層ができ、食物連鎖が形成されています。その小魚の「キューリエソ(最近初めて映像が捉えた)」が日本海で2.2兆匹生息しているそうです。これが日本海の魚を支えているとか。なぜキュウリエソ?氷河期に大陸と一部つながり湖のようになり、海温が急激に下がったとき、低温(1度C)に強いこの魚が繁殖したとか。これも日本海の奇跡と言われています。

深さ7700mの深海で泳ぐ魚もいるそうですが、この圧力は800気圧(小指の上に軽自動車が乗る位)。なぜこんな気圧に耐えて生きておられるのか、まだ解明されていないそうです。ほんとに日本は奇跡の海に囲まれているのですね。

冲中一郎