「経営者サロン」カテゴリーアーカイブ

第18回JASIPA経営者サロン実施(日本システムデザイン様にて)

10月24日、標記サロンを日本システムデザイン(以下NSD)殿会議室で実施した(19時~21時過ぎ)。9月実施の研修委員会(http://jasipa.jp/blog-entry/9083)の記事の中でも述べたが、これまでのJASIPA事務所での開催を、希望される会員企業様にお邪魔して実施する形態に変えての初のサロンだった。参加者はNSDから14名、JASIPA理事他6名の計20名だった。

事前にNSD参加希望者から、これまでの経営者サロンで実施済みのテーマの中から選択して頂いた結果、「“燃える集団”で”お客さま第一“の風土を創ろう」のテーマとすることにした。最初に私の方から、1時間20分ほどプレゼンをさせていただき、そのあと参加者の皆さんとの意見交換をすることで進めた(進行役は林研修委員長)。

プレゼン内容はともかく、皆さんが熱心に耳を傾けてくださる姿勢に、私自身も力が入り1時間の予定を大きくオーバーし、最後は声が少し嗄れてくる始末。私のいつも主張している「企業は社員が命」「燃える集団創り」「打てば響く組織創り」など、働き甲斐、生きがいのある職場つくりを土台として、その上で「お客さま第一」を全社員の行動指針として確実に行動に移していくための必要性、方策などを説明した。その中で、これまでの私の生き方、仕事への姿勢など、具体的な事例を織り交ぜながら話をさせて頂いた。

意見交換の中では、「社員との対話(ランチミーティングやサロン)ではどんな話が出たか?」「自分の強みをどうやったら把握できるか?」「仕事に埋没してしまったことは?」「「外部から受けた刺激の中でもっとも印象的な事は?」「利他的な行動に、どうやって変わっていったのか?」など、活発な意見交換が出来、予定時間を多少オーバーしたが、私にとっても意義あるサロンとなった。終了後は、仕事に戻る人もあったが、参加できる人14名で懇親会を実施、この中でも、真剣に質問してくる人もあり、23時頃解散となった。

次回(11月28日)は、群馬県高崎市に出張しての経営者サロンを予定している。12月、1月、3月は現時点では未定である(2月は大阪で実施予定)。JASIPA会員企業で当サロン実施を希望される方(複数企業での実施も可)は、林研修委員長に伝えてほしい。

初めての研修委員会開催(26日)

昨年4月に発足した研修委員会(委員長林義行BSC社長)では経営者サロンやオープン化研修など、具体的な活動を逐次推進してきた。JASIPA加入会員に対するサービスの拡充との位置づけで始めたが、参加メンバー、参加会員が固定化し、なかなか期待した拡がりがないこともあり、今回経営サロンの日程を使って、初めての研修委員会を開催し、今後の研修委員会の課題と方向性について意見交換した(推進役:林委員長)。

経営者サロンに関しては、昨年4月より17回開催してきたが、メンバーがほぼ固定化したため、毎回新たなテーマを捜すのに限界が生じ始めている。また、理事の皆さんのご協力により、企業経営の体験談をお願いしてきたが、これもほぼ一巡した。そのため、これからの経営サロンの運営をどうするか、より多くの方に活用して頂くための方策がないか、議論した。その結果、10月に開催することにしている会員企業への出張経営者サロンや、もともと予定していた北関東地区での開催など、会員企業の皆さんが参加しやすいような開催形態を今後の柱にしていくことで進めることにした。出張先企業の希望などを踏まえて複数企業同志の交流を促進する案も検討することになった。

SEの技術者研修に関しては、現在アジルコア殿、BSC殿のご協力を得てオープン化研修を実施しているが、他社からの参加者が少ないとの問題提起がされた。会員各社への開催通知が、SE全般に伝えられているかどうかとの問題もあるが、教育事業者との提携による本格的技術研修との組み合わせにより、会員企業のニーズにあった教育の体系化の必要性について意見交換した。研修委員会の中に「技術研修センター」的な機能を設け、会員企業の研修に関する多様なニーズを受け止め、研修コースを推薦するコンシェルジュ的役割を果たすことにしてはどうかとの建設的な意見も出された。池田理事が、自らその役割を担うとのありがたい申し出もあった。今後実現の方向で検討する事になった。研修に関する補助金の使い方の指導や、会員企業経営者に対する社員育成の必要性の喚起などの必要性に関しても検討課題となった。

ともかく、各企業においては社員の育成ニーズ、意識改革ニーズは最重要として位置づけられている筈との認識のもと、JASIPA会員企業に対する付加価値として研修委員会をもっと充実させていくことが必要だとの共通認識は出来た。そして参加メンバー間で熱き議論が交わされた(林委員長、池田副委員長、三上副委員長、玉村理事、白井理事、サンノア吉田社長、堀事務局長、冲中)。

懇親会は、JASIPA事務所近くで2日前に開店した中華料理店で行われた(玉村さんのFB参照)。今月いっぱい20%割引とかでこのチャンスに“フカヒレ”も注文し、紹興酒やビールを飲みながら、さらに議論を深めることが出来た。意義深い1日だった。

人を幸せにする経営者になりたい!(アチーブメント青木社長)

人材育成関連の本を多数出版し、企業の人材育成研修でも注目を浴びるアチーブメント株式会社の青木仁志社長の記事に目が止まった(PHP Business Review松下幸之助塾2013.7・8号特集「哲学ある人づくり」)。タイトルは「人は人によって磨かれる」。

26年前「人を幸せにする経営者になりたい」と、社員5名でマンションの一室で創業。今では110名の社員を抱え、よい人材が集まる誇らしい会社に育てることが出来ていると自負する。実際、日本経済新聞社が就活生を対象にして行う「就職希望企業調査」(2013.2発表)では「サービス業・その他」部門で13位に、社員300名以下の中小企業では人気ナンバーワンになった。青木社長がみずから講師を務める「戦略的目標達成プログラム“頂点への道”講座は、講座開設後22年で26000名強が受講したそうだ。その青木氏の「人を育成する考え方・信念」の一部を紹介する。

自主責任経営

これは松下幸之助氏の言葉だが、「一人一人が自分の仕事にやりがいを感じ、責任を感じて目標達成を目指していくことが、個人の成長になり、ひいては、企業の発展になるとの考え方だ。青木氏は、会社とは、「理念」を掲げ、「志」で動かしていくものと言う。経営者に志があればそれに共鳴するピカピカの人材が集まってくる。該社の企業理念をホームページで調べた。

上質の追求
わが社は選択理論を基にした、高品質の人財教育を通して、顧客の成果の創造に貢献し、全社員の物心両面の幸福の追求と、社会の平和と繁栄に寄与することを目的とします。

青木社長はこの企業理念を強い志で、ビジョン、目標、計画、実践につなげていかれている。

落とさない採用システム

理念に共感してくれる「徳」と「才」のある人材を採用したいとの思いで、採用システムを組んでいる。志望者は毎年4000名ほどいるが、最初の3時間のワークの中で、一緒にワークした仲間の中から「この会社にふさわしい」と思える人を二人投票してもらう。採用までに7工程あるが、すべての工程で、「落とす」ためではなく、如何にこの会社と合っているかの確認に注力する。最終段階まで100時間ほどかけて採用を決めるそうだ。すなわち相思相愛の「恋愛結婚型採用」であり、「理念共感型採用」でもある。この制度を採用して、いい人財がどんどん集まるようになったと言う。

人を育てる

社員がやりがい、働きがい、生きがいを感じ、自分の価値をその企業の中で証明していく。これが本来の自己実現で、会社がこんな場を提供できれば、どんな厳しい、きつい仕事でも耐えられる。人間の価値で最も大事なのは「思考力」だと思うが、この力を育むためには、「怖れ」を排除することが必要。その「怖れ」とは、批判する、責める、文句を言う、がみがみ言う、脅す、罰を与える、目先の褒美で釣る・・・など。結果、人は委縮して、自己実現の回路が閉ざされる。

働くと言うことは「出来ること(CAN)」、「やりたいこと(WANT)」をやることで成り立つのではなく「やるべきこと(MUST)をきちんとやる」ことで成り立つ。「やるべきことをやる」と決めると、人の力を借りることが自然と出来るようになる。我が強い人は、人の力を借りず、自分だけでやろうとして出来ず、目標を下げてしまう。

教育の最大のテーマ

青木氏は松下幸之助氏の人づくりの考え方に共鳴される。「経営とは人を幸せにするためのもの」との考え方も、松下氏の理念に相通ずるもの。松下氏は「国家も経営、会社も経営、会社も経営」と言って、一人一人が如何に責任ある存在として成長していくかということを深く考えられていた。青木氏は「会社経営で大事なものは無形資産」で、自分の信条である、誠実さ、感謝の念、愛、志、熱意もすべて無形のもの。人づくりは教育でしか成し遂げられない。「みずから考え、自ら行動し、みずから価値を創りだしていく人材を育てること」が教育の最大のテーマと考え、志高く事業を推進されている。

青木氏が開発した教材の理論の原点「選択理論」(先述の企業理念にも出てきた)を一度勉強してみたい衝動に駆られている(byウィリアム・グラッサー博士)。