冬のベランダ(実際は屋内主体)を麗しい姿でゴージャスな気分で楽しませてくれる花、“ラン”が今年も咲き誇っている。10数年前に家内の叔母から一株譲り受けたものだ。今では二株になり、見事な花を咲かせてくれる。調べてみると、シンビジウムの一種で、花茎が下垂するタイプの品種で、我が家のものは「サラジーン・アイスキャスケード」というらしい。冬には強い品種で5℃位なら冬を越せるらしいがやはり冬は室内で育てている。大きくなってきたら株分けをしつつ、鉢も株に合わせ大きくしてやる。今年は咲かなかった“月下美人”(http://okinaka.jasipa.jp/archives/5339)もゴージャスな花だが、一夜限りで見過ごすことも多いが、ランは1~2か月楽しめる。(最初の2枚は、撮影のためベランダに出して撮影)
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東京23区内私立大学の定員が大幅に減らされるってホント?!
昨年秋に公示された東京23区の大学定員を抑制する文部科学省告示が、現国会で法制化されるようだ。
1月19日放映のNHKのローカルニュース「金曜イチから」でその話題を報じていた。番組紹介文は
受験シーズンが始まる中、受験生の間で混乱が起きている。去年、早稲田や法政など、東京都心にある私立大の合格者が1割程度減り、今後さらに減る可能性があるのだ。背景には、地方から都心への大学移転が進む中でこれ以上都心に学生を集中させたくない国の施策が。戸惑いは、大学や地方自治体、住民にも広がる。大学の流出が続く八王子、人気を急上昇させる群馬前橋にある大学。少子化が続く中、私立大学のあり方を考える。
早稲田大学では2000人以上減る。八王子にある中央大学は就活の学生の利便性を考え、都心への移転計画を推進していたが、これが宙に浮く可能性があるという。政府は“地方創生”のためと言う。
2月3日の各メディアは、小池都知事の反対声明を報じた。「定員抑制と地方創生の推進は別の問題。日本の大学の国際的地位の低下につながりかねない。大学をどうあるべきかという本質的議論がなく、(23区内の大学で)教育を受ける権利の抑制につながりかねない。」と。
1月23日の日経朝刊23面「大機小機」のコラムでも「文科省の大学統制の弊害」との問題指摘をしている。「地方大学の定員割れを防ぐためには、東京の大学の定員数を抑制すればよいという、いわばトランプ大統領流の他者への責任転嫁の論理」と批判している。東京の大学さえも競争力が世界ランニングで低下している中で、いかに日本の大学の教育の質を上げるかが日本の喫緊の課題だが、少子化時代に大学間の競争を抑制するような規制策に警鐘を鳴らす。今回の東京23区の大学定員抑制策は、本来のアベノミクスの成長戦略とは逆方向で、地方創生には結びつかないと結論付けている。
2月6日の日経朝刊1面コラム「春秋」では、「東京1極集中に歯止めをかけるために、23区内の大学の定員増を抑えるー。こんな大胆、いや乱暴な施策が法案化されようとしているのも、走り出したら止まらぬ“地方創生”なるスローガンゆえ」と批判している。役所は、方針を立てたら、どんな弊害を伴っても、本末転倒に陥っても、実現したという”形“を求める体質を指摘し、現場への介入が好きな文科省の止まらない官による統制に警鐘を発している。
私も学生時代から東京を敬遠していたが、20数年前に東京に転勤になって、自ら学ぶ環境や、人脈の作りやすさやその意義など、東京での人の成長を促進する環境のすごさをあらためて知った。憲法や教育基本法にある「教育の機会均等」の考え方に則っても、慶応や早稲田などを目座す学生の夢を奪うことは許されない。立命館アジア太平洋大学や国際教養大学など、地方でも応募者が殺到する大学もある。しかも、入学者が増えても、地方大学卒業者の東京への流出も止められそうもない。日経「大機小機」が指摘するように、地方も含めて各大学が切磋琢磨して魅力つくりに励んでこそ日本の教育水準の向上が期待でき、またそうならなければ、政府が推進しようとしている”人づくり革命“も実現は困難ともいえる。
生産性革命(続き)
前稿の続きで、1月23日朝日新聞朝刊7面のコラム「波聞風問」を紹介する。編集委員多賀谷克彦氏の記事で、タイトルは「生産性向上 “余裕”が生み出す好循環」。
関西では有名な和食チェーンのがんこフードサービスの1店舗「高瀬川二条苑」(京都)での取り組みだ。約400年前に角倉了以が作り、明治期には山形有朋の別邸でもあった屋敷を改造した店舗。その廊下を配膳ロボット4台が動き回っているそうだ。厨房で料理を載せ、パネルに示された座敷名に触れると座敷に到着し、和装の女性従業員がロボットから料理を取りお客様に出す。働きながら工学博士を取った副社長の新村猛氏が大学や研究機関とサービス業の効率化を探ってきた成果だ。まさに政府が言う「生産性革命のためのIT化」の典型的事例だ。この挑戦は10年前から続くが、従業員の足にセンサーを付け動線の効率化を、そして厨房のレイアウトを変えたり、調理過程の一部を自動化したりする試みは続いていると言う。結果として厨房の1時間一人当たり売上高は最大1.7倍に伸びた。
時間に余裕があると、料理が美しく仕上がり、評判が上がり、予約客が増えれば、仕入れ、人員配置にも無駄がなくなり、そこに好循環が生まれる。新村氏は「現場を担うのは人。先端技術を導入しても、働く人が腹に落ちないと成果は出ない」と言う。会議や残業を減らして時間に余裕が出来ても、従業員の満足度が低いままでは成果は出ない。IT化を推進しても満足度が低いとお客も増えず業績も上がらず、投資もできなくなり、働く時間が長くなる。結局は生産性があがらない。この負の連鎖を断ち切るのは、前稿で西條氏が言う”エンゲージメント”の高さ、従業員の熱意だということが、この事例は物語っている。
昭和50年代、日本語ワープロが出現し、オフィスジムの効率化が叫ばれたが、結果的に文書の効率化が文書の洪水を招き、効率化に疑問符がついたことを思いだす。生産性革命も、働き方改革、人づくり革命も、人の情熱、熱意(エンゲージメント)がなければ達成は難しい。この視点に関して、結論は難しいと思うが、国会で世間を喚起するための議論も展開するべきではないかと思う。