世界で盛り上がるデジタルノマドとは?

3月10日朝日新聞夕刊の記事(3面)に目が留まった。「盛り上がる誘客 旅する”デジタルノマド“の思いは~地方の魅力探訪」とのタイトルだ。リード文;

世界中を旅しながら各地のコワーキングスペースやITを活用してリモートワークで生計を立てる「デジタルノマド」と呼ばれる人たち。一般的な訪日旅行者に比べて長期滞在可能で、地域への経済効果も見込めるとして、日本を含めて各国でビザ制度を整備するなどして誘致に乗り出しています。

高度IT人材やコンサルタントなど、デジタル技術を駆使してリモートワークをしながら国境にとらわれずにまるで遊牧民(ノマド)のように世界を旅する人たち。今世界に3500万人以上いて、その市場規模は推計約122兆円に上る。日本政府も2024年、「新しい資本主義」実行計画改定版にデジタルノマドを念頭にした在留資格も創設したそうだ。在留資格は、申請者個人の年収1000万円以上、医療保険加入済等、結構厳しい条件を課されているが、家族帯同はOKのような特典もある。ただし、国内公私企業・個人との雇用関係は不可、海外企業や団体との雇用関係は必須との条件もある。この制約は、日本で海外の仕事をするためのノマドということのようだ。滞在は最長6か月、延長不可となっており、これに対してはさまざま意見も出ているとのことだ。

日本でも、昨年から福岡や下田でノマド誘致の活動が始まっているとの具体的な紹介記事も掲載されている。下田で参加した韓国のデジタルノマドのコミュニティービルダーのチョンさんの話として、日本のノマド誘致の課題として、十分な長期滞在施設があること、仲間・友達造りの容易性、地域住民との親和性、そしてノマド自身が成長できる哲学的、文化的、地域ならではの学びの機会造りをあげている。

海外のITプロを誘致して、地方創世への寄与、地方の空き家活用、地方の若手への刺激・視野の拡大、あるいは日本企業のテレワーク者との交流も考えられ、非常に面白い趣向と思える。ポルトガル、タイ、スペインなどが人気トップ3となっているが、日本でも制度の拡充含めて、早急に検討、推進すべき課題と思う。