「日本の自然」カテゴリーアーカイブ

日本の自然は世界一(海)!

前々回の「森編」に続き今回は「海編」です。

海の生物種の数も世界一。カムチャッカとフィリピンから来る海流、アムール川から流氷と一緒に流れ来る鉄分など、いくつもの不思議が重なって、日本近海の生物種が育っているのだそうです。自然は、自国だけではなく、いろんな国が関係しながら形作られるものなのですね。世界的な自然保護活動が必要な理由が良く分かります。原発の汚染水の海への放出残念です。

前回に引き続き、今回は2日目の「海」編です。海の生物種も日本近海では34000種もいるそうです。これは世界25海域の中で世界一(2010.8に判明)で世界の15%を占めるそうです。これは、赤道からフィリピン東沖を通ってくる黒潮とカムチャッカ沖から来る親潮という幅100Kmにわたる世界最大の海流と、もっとも深い海溝(深さ1万m以上の深海比率が80%というのは日本だけ)に囲まれているお陰です。北と南の海温差が20度Cもあり、世界の海の条件がすべて整う豊かさ(プランクトンなど)があるからです。

「北限のサンゴ礁、南限の流氷」も大きな特徴です。流氷に見るオホーツクは、「地球の偶然が重なった奇跡の海」と呼ばれています。植物性プランクトンは鉄分が欠かせないのですが、オホーツク海は世界一の鉄分含有率を示しています。これはアムール川河口の湿原地帯から流れ出た鉄分が、海で沈まず運ばれてくるのは、海流と流氷のお陰で日本海近辺まで運ばれてくるそうです。千島列島のわずかな切れ目から太平洋にも流れ出て来ています。

サンゴ礁も千葉館山沖周辺まで群生しているのは黒潮(28度)のお陰です。銚子沖の両海流のぶつかる潮目では、魚が一杯泳いでいます。小笠原諸島海域のザトウクジラは1000kmのカムチャッカの海から出産と子育てのため来ているそうです。沖縄のサンゴは1000種、魚はそれぞれのサンゴに合わせて生活流儀を作りだしているため、魚の種類もサンゴの種類の多さに比例して多くなります。マングローブの林も、干潟の栄養分の多さでコメツキガニなど60種類のカニが生息しています。

「日本海はなぜ魚の宝庫なのか?」最近解明されたそうですが、海底には植物プランクトン、動物性プランクトン、小魚の層ができ、食物連鎖が形成されています。その小魚の「キューリエソ(最近初めて映像が捉えた)」が日本海で2.2兆匹生息しているそうです。これが日本海の魚を支えているとか。なぜキュウリエソ?氷河期に大陸と一部つながり湖のようになり、海温が急激に下がったとき、低温(1度C)に強いこの魚が繁殖したとか。これも日本海の奇跡と言われています。

深さ7700mの深海で泳ぐ魚もいるそうですが、この圧力は800気圧(小指の上に軽自動車が乗る位)。なぜこんな気圧に耐えて生きておられるのか、まだ解明されていないそうです。ほんとに日本は奇跡の海に囲まれているのですね。

日本の自然は世界一(森)!

昨年10月のNHKスペシャル「日本列島 奇跡の大自然」(森と海を2日間)の紹介です。日本はいろんな奇跡によってすばらしい自然を保っている。「ヒマラヤ山脈のお陰で・・・」など、事実を知ると同時に、あらためて自然のすごさに驚く。古い話で恐縮ですが、日本の素晴らしさを知ってもらう意味で投稿させていただく(見られた方もいると思いますが)。まずは「森編」から。

日本の森、海の多様性、美しさは世界一ということを知り、まだまだ日本というものを知らないことに反省しきり。折しも雑誌「致知」に「日本のスーパーこども大使を養成する」との記事を見ました。子供が国際交流で海外に行った時に他国の子供たちに比して、日本を語れず、寂しい思いをして帰ってくる姿に、大宰府高校の教諭が福岡で育成塾を作られたとの記事です。日本の国歌、国旗の所以さえ説明できない、日本の良さ、歴史を語れない・・・。我々もこれからグローバルに活動するためには日本をもっと勉強する必要があるのではないでしょうか?

話を元に戻して、「日本の緯度帯は世界をみると砂漠地帯が圧倒的に多い。なぜ日本は緑の多い、紅葉が世界一美しい国になったのか?日本全土の森の比率が70%というのは熱帯を除くと世界で5位。植物の種類が5000~6000種と言うのも世界一!」とのこと。これはヒマラヤ、チベット高原のお陰で、西からの風がちょうど日本の上空を通り、海の水蒸気を巻き込み雨を降らせてくれるせいらしい。ヒマラヤが今の半分の高さだと日本の梅雨はなくなるとの事です。

落葉紅葉樹が欧米に比して多いのは、欧米は氷河期に絶滅してしまったのが日本では黒潮、対馬海流のお陰で湿潤な土地が残り(積雪量2m/日は世界最高らしい)、落葉広葉樹が北の地まで残ったのです。特に欧米では黄色系の紅葉が多いのですが、それは日本でカエデの種類が26種類と圧倒的に多いのが原因です(北米・欧米で合わせてカエデの種類は13種類のみ)。そしてさらにこの紅葉樹が世界でも珍しい下北半島の北限のサルを生んだのです(紅葉樹の実を求めて北へ)。雪と温泉につかる猿を見れるのは日本だけだそうです。

動物の固有種(ニホンカモシカ、クロウサギなど)も日本は131種いるとか。有名なガラパゴスでも110種、イギリスはいないそうです。これは日本がユーラシア大陸とくっついたり、離れたりを何度か繰り返している間に大陸から渡ってきて住み着いた動物です。オオサンショウウオもそうですね。ガラパゴスは、大陸とは距離が離れていますので、辿り着いた動物たちだけが生き残っているとの事です。

雨の呼び名、春雨・五月雨、霧雨、夕立、小糠雨・・・・など、400種もあるそうです。これも感性を持ち合わせている日本ならではとの事でした。

漠然と日本の事を考えていた私としては、ほんとに「目からうろこ」でした。2日目の「海」編は別途UPします。