公開ブログをはじめて2年、読者の方に感謝!

JASIPAの特別顧問を拝命したのが、2011年4月。中小ITベンダーが集まる特定非営利活動法人であるが、会費だけで運営しているため、会員数の増加がキーファクターだ。何とか、会員企業に「参加してよかった」と言ってもらえる法人にするため、微力ながら応援したいとの気持ちで引き受けた。その時、誘ってくださった方が、前職NSDで社員向けのブログをやっていることをご存じで、JASIPA社長ブログへの投稿を薦められ気楽に引き受けてしまい、今に至ることになった。最初、初めてのブログ公開と言う事もあって、きばって頻度を増やしたのが運のつき。次第にアクセス数が増え、昔の部下などからも「ブログ見ています」との話を聞かされると、嬉しさと同時に、一種のプレッシャーも感じるようになり、「2日に一回以上は発信」を自己管理目標とするようになった。結果として、この2年で394件の投稿実績となり、かろうじて目標を達成できた。これも、飽きずに見てくださり、コメントを返して下さる皆さん方のお蔭と感謝申し上げたい。

しかし、このような頻度で書くことを自分に義務付けると、日々テーマ探しのためのアンテナを常に掲げておくことにもなり、頭の中からブログの事が離れない。新聞を読むにしても、本を読むにしても、テレビを見るにしても、外を歩いていても(これはFBのネタかも知れない)、愛読して下さる皆さんにとって意味あることはないかを考えている自分に気付く。その意味では、日々緊張感を持って過ごすことになり、自分自身にとってもこれまでにない勉強が出来ているように思う。最近の記事には、過去の記事へのリンクが多くなってきたが、どうしても自分の主張したいテーマ(例えば、「顧客満足度」や「社員満足度」、そのための「組織・風土改革」や「自己改革」など)に沿っての話題提供になるため、ここまで記事が溜まってくると、お互いの関連が増え、リンクを張って、その関連を明示することが多くなってきた。過去に紹介したこと(例えば企業紹介)が、新たな記事として新聞などに掲載されると嬉しいものだ(http://jasipa.jp/blog-entry/8569)。また、本を紹介した際、その著者からコメントバックが返ってきて驚くとともに感動した貴重な経験もした(http://jasipa.jp/blog-entry/7270)。ブログは新たな感動や気付きを与えてくれる。

4月からもJASIPAの特別顧問を続けさせていただくことになり、ブログも続けさせていただくつもりだが、頻度へのこだわりを少し緩めさせていただき、まさに「気ままに」やらせて頂ければと思っている。私ごとで恐縮だが、元気なうちに家内との旅行を楽しんだり、長編小説をゆっくり読んだり、ベランダ栽培や囲碁などの趣味にも力を入れたいと思っている。これまでの先輩・後輩・同僚との絆、新たな出会いも大切にしながら、JASIPAを通じて社会との関係も維持できればと思っている。

これまでの皆さんのご愛読に感謝をしつつ、これからも、当ブログに対するご支援、ご指導をよろしくお願いしたい。

第12回JASIPA経営者サロン実施(28日)

昨年4月から始めた「JASIPA経営者サロン」も12回目を迎えることが出来た。林研修委員長はじめ理事の皆さん方のご協力、忙しい中お時間を割いてご出席いただいた会員の皆さんのご支援のお蔭と心より感謝申し上げたい。欲を言えば、もう少し参加者の広がりが欲しいと思うが、来年度以降、内容を工夫・充実させながら会員の皆様のご期待に沿えるよう頑張りたい。

さて、第12回経営者サロンは、年度末の多忙な時期と重なったせいか、2人のドタキャンもあったが、8名のご参加を頂いた。今回は、私の方から㈱小宮コンサルタンツの小宮一慶社長著作の『社長のための「お客さま第一」の会社のつくり方(2003.1.31刊)』の紹介と、意見交換会を行った。これまでの経営サロンでも何回か議論させて頂いている「顧客満足度」、「お客さま第一」の考え方に関して、小宮氏の豊富なコンサル経験に基づく「お客さま第一」の社風・風土創りをテーマにさせて頂いた。

「お客さま第一」を言葉は違っても企業理念や、会社の方針で掲げている企業は多い。しかし、小宮氏は「真にお客さま視点での商品開発、サービス」になっているか疑問視する。「お客さま第一」と言いながら、内部では「売上至上主義、利益至上主義」管理を第一義にしている。お客様の声を聴くよりも、内部管理に時間をとられる。一人でもお客さまの信頼を裏切る行為があれば、そのお客さまだけではなく多くのお客さまとの取引がなくなる危険性もある中で、如何に日常的に「お客さま第一の風土」を創っていくか。小宮氏は、「電話は3コール以内で取る」「笑顔で挨拶する」「お客様が帰られるときは玄関先までお見送りする」など小さな行動から徹底することを薦める。しかも、経営者が率先して、小さな行動を実践ずる。もちろん、経営トップが、信念を持って「お客様第一」の考え方を社員に納得させる努力をしなければならない。お客様の案件をバーストさせることなどもってのほかだ。

小宮氏は、クレーム対応で会社の価値が決まるとも言う。クレーム対応の3原則として、「直ちに対応する」「上司に報告する」「自分が思っているより100倍大変なことと思って対応する」を挙げる。クレームの重要性を自分で判断するのはもってのほか。プロジェクトの中だけで対応させる(責任を取らせる)ことを基本にするのもダメ。組織全体で精一杯の対応をすることで、クレームをチャンスと出来る。

ほとんどの企業で、「真のお客さま第一の風土」が出来ていないとすると、他社との差別化になる。議論の中でも「会社全体を変えるのは難しい」との意見も出たが、だからこそ、早く取り組み、いち早く風土を創り上げた企業は、お客様の信頼を絶対的なものにできる。JASIPA会員のような中小規模の方がやりやすいとも言える。大規模企業ではより難しい。自動ドアの設置、保守を行っている神奈川ナプコは、毎月の行動計画表に、売り上げ目標ではなく、お客さま第一の行動目標を書かせ、フォローする制度がある。自動ドアの保守を終えた後、周辺の掃除を行うのは当たり前。迅速な行動と丁寧な対応でお客様に感動を与え、お客様が広告塔になってくれていると言う。

後半の意見交換会でも、活発な意見交換が出来た。これからも「お客さま第一」を言い続けたい。

我が身を削って人のためになる鉛筆!

25日のNHK「ゆうどきネットワーク」で紹介された創業60年の学童鉛筆製造メーカー北星鉛筆(葛飾区)。そこには、代々受け継がれてきた家訓がある。

鉛筆は我が身を削って人の為になり、真中に芯の通った人間形成に役に立つ立派で恥ずかしく無い職業だから、鉛筆の有るかぎり、利益などは考えず、家業として続けろ

この精神で、従来の鉛筆の需要が激減する中で、鉛筆を作る過程で出る木屑から作った粘土やウッドペイントなどいろんなアイディア商品を出し創業60年を迎える事が出来たと北星鉛筆の社長は言う。

知り合いの社長がFBで紹介していたPRESIDENT Onlineの記事が面白かった。「解明!運がないひとは、なぜ運がないのか」と言うタイトルでの京都大学工学研究科藤井聡教授の記事だ(http://president.jp/articles/-/8829)。

他人に配慮出来る人ほど運がいい

自分から遠い存在である他人のことまで思いやる利他的な人ほど得をし、目の前の自分の損得のみしか考えない利己的な人ほど、運をつかむチャンスを失い損をするという「認知的焦点化理論」を主張される。藤井教授は、犬(嗅覚)や蝙蝠(超音波聞き分け能力)と同じく、人間は「悪者を見破る能力」を進化の過程で異常に発達させ、それに成功した人たちが生き残ったとの淘汰説が、実験を通じて証明されていると言う。人間は悪者をすばやく発見する装置を備えた生き物だと指摘している。したがって、利己主義者が本性を隠して表面を取り繕っても、我々はほんのささいな言動からでも敏感に察知でき、そういう人には真の友人やパートナーが出来ない。一方で、利他性の高い「いい人」には、人が寄ってくる。

企業も同じで、成果主義が効果を上げても、全社的に利己的体質が過剰になれば、やがては会社自体が崩壊に向かう。利己主義者が効率を追求してビジネスライクに当面の利益をあげる一方、利他性の高い人は商売抜きで幅広い会合に付き合ったり、得にならない役割を自発的に引き受けたりで、日頃はとても非効率な存在に見えるが。が、「平時」から「危機(今回の東日本大震災のような)」になった時、利他主義者は強い。平時に培った人脈や関係が対応策の選択肢を広げてくれる。逆に利己主義者は変化に弱い。

創業100年をこえる企業は、国内に約2万社、全体の2%ほど。不況や戦争、災害を乗り越えてきた老舗には、家業を守り続けてきた立派な家訓があり、その家訓を守り続けてきた企業が長生きしているとも言える。

「頑張っているのに自分だけなぜこんなに不運続き」と嘆く人は、一度自分の胸に手を当てて考えることを、藤井教授は薦めている。