PRESIDENT Onlineに、ドラッカーが教える「理想の上司の条件」(http://president.jp/articles/-/13671)との記事があった(藤田勝利(PROJECT INITIATIVE代表)。その記事に
ドラッカーが唱える「マネジメント」とは、「上司が部下を管理する」という意味ではありません。ひとことで表現するなら、「自分自身や組織の人たちを創造的にすること」です。
さらには、
社員一人ひとりがいきいき仕事をし、創造的であることが何よりも重要だとドラッカー教授は言っています。持続的な利益を生むためにも、それが大事だと。どうすれば、人間は創造的になれるのか。ドラッカー教授は、たったひとつの行動を私たちに求めています。それは、「問う」ということ。自分の商売は何か。自分の顧客は誰か。もっとも価値を届けたい人は誰か。そして、自分の強み、仲間の強み何か……。組織として結果を出せないマネジャーの多くは、部下の弱みに目を奪われて、彼らの創造性を引き出せないでいます。ある企業の幹部がこんなことを言っていました。
とある。確かに松下幸之助は、一般社員との対話でも、自分が喋るより社員への「問いかけ」を行っていたと聞く。その問いかけは、厳しいことも有ったと思うが、社員に自信を持たせるように導くものだったと聞く。
「部下を創造的にする」恐らく皆さんの最大の悩みと思われる。しかし、その悩みを解決するために何らかの行動に移しているだろうか?
「日本の会社では、入社面談では強みや資質が問われるが、入社後は弱みをいかに是正するかが問われる」。もし、ドラッカー教授にいい上司の条件を教えてくれと問うたなら、まずは「弱みより強みに注目する人」と答えるでしょう。
下記のような記事もある。
部下はそれぞれ得意分野や好きな分野は持っているはず。そうした個性を見出して部下を動かし、チームとしての成果に結びつける采配力がリーダーには必要です。部下1人ひとりのモチベーションを上げ、主体的に仕事に取り組ませるような環境を整備することこそ、リーダーの務めでしょう(建功寺住職 枡野俊明 仕事に効く「禅の言葉」よりhttp://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20150223/436584/?mle)。
マズローの欲求5段階説の4階層「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求、そして5階層「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求を満たすには、まずは自分の強みを認識し、何らかの確信、自信につながる者を持つことが重要と思われる。
JASIPAにおけるサロンにおける懇親会の席などで話をしてみると、折角の強みを認識していない人が多いのに驚かされる。例えば客先でチームリーダーとしてチームをまとめて10年間仕事をしている人が、「あなたは客から信頼されているから10年間もリーダーが務まっているのでは」と指摘すると、「そうかも知れない。もっと自信を持ってお客と話をしてもいいかも」と気づく。こんな話を持ち帰ってチームメンバーに話すと顔色が変わってきたとの後日談もある。
日経の「私の履歴書」で日揮グループ代表の重久吉弘氏も2月22日の記事で
企業が成長するために最も重要な資源は間違いなく人である。(中略)意欲を上手く引き出し、能力を高められれば大きな可能性を企業にもたらす。
と言っている。
「企業は人なり」とは昔から言われ続けてきたことである。これを如何に経営者やリーダーが行動に移せるか、一つのヒントが「部下の強みに注目せよ」ではないだろうか。