今年もありがとうございました

今年も今日は大晦日。この年になると、時がたつのが早く感じられる。余生が短くなってきたせいだろうか。しかし、そんな事を考えても仕方がない。残り短い人生を如何に悔いなく生きていくか。日々精一杯生きることが、この世に生を受けた人間としての生き方と思いつつ日々を送っている。

今年1年振り返ると、年甲斐もなく、ある1部上場企業でかつ製造業の監査役を引き受けてしまったことが、最大の出来事だ。当ブログでも最近「あなたは部下を信頼していますか?」(http://okinaka.jasipa.jp/archives/4054)との記事をUPしたが、私の信条としても、「社員を信じることが企業成長の原点」と考えてきたが、監査役としての仕事は、まず疑ってかかることだから、私も引き受ける際には大いに迷ったことも事実だ。しかし、最近になっても企業におけるコンプライアンス違反が、信じられない形で表面化する現実を見て、「会社を如何に正常に運営していくか」は社員の幸せのためにも非常に重大なことと考え、引き受けることにした次第だ。期待以上に、監査役会、取締役会は活発な議論で終始し、ともに会議時間が3~4時間に及ぶこともしばしばだ。私も事前の勉強に出来るだけ時間を割き、子会社(海外含め)などの現地調査にも積極的に参加して、実態把握に努めながら、会議では遠慮なくしゃべらせて頂いている。より良い会社にするために、これからも注力していきたい。

JASIPAの活動に関しては、今年5年目だが、私自身少し不完全燃焼だったかも知れない。しかし、JASIPA自体は、5年前に私が参加した当時から見ると、今年4月に理事長初め理事メンバーが大幅に若返り、若いエネルギーと若い知恵で各種委員会が活性化し、会員企業間の交流も一段と加速され、確実にいい方向に進んでいる。JASIPAも一度仲間として溶け込めば、その良さを実感できるし、きっと事業にも役立つと思えるのだが、なかなか会員数が増えないのが悩みだ。アピール方法に工夫が必要と思える。是非とも会員の皆さんはもちろん、まだ会員ではない企業の方々も、積極的にJASIPAの活動に一度首を突っ込んで、その良さを実感して頂きたいと切に思う。JASIPAはほかの団体と比べても、人脈の濃さは特筆すべきものがあり、年間10万円弱(東京以外は7万円弱)の会費は、人脈を増やすことだけでも安いものと思えるほど、皆さんの交流密度には心底感心する。きっと商売の上でもいろんな交流ができているのだろう。

スポーツジム通いも続けている。昨年は194回だったが、今年は183回だった。あまり無理をせず、2日に1回以上を目標としたが、辛うじて達成できた。ご愛読いただいているJASIPAブログも、監査役の仕事も入ったこともあり(言い訳?)、昨年109件が今年は77件と年々かなり減ってきている。テーマが、「顧客第一主義」「企業理念」「企業風土改革」「全員経営」などに絞っているため、5年も続けると言い尽くし感があるため、少し間が空くようになってきた面もある。来年も、あまり無理をせず気ままな形で継続させて頂ければと思っている。

それにしても、今年もいろんな方にお世話になった。1年楽しく過ごせたのも皆さんのお蔭と心より感謝したい。ブログが続くのも、ご愛読くださり、「読んでるよ」と一声かけてくださったり、「続けてください」と言われたり、多くの方からの励ましの声があるからこそと思う。ほんとにこの1年お世話になりました。

2016年が皆様方にとりまして、良き年でありますよう祈っています。ありがとうございました。

島根よいとこ、一度はおいで

以前姫路にいた時に何度か行った湯村温泉(鳥取県)の保養所でのカニの味が忘れられず、カニが食べられるツアー募集に参加してきた。島根県松江の玉造温泉宿泊の1泊2日の旅だ。カニは期待外れだったが、初めての島根県東部(一部鳥取県西部もあったが)には魅力的な所が一杯あり、満足な旅だった。

まずは「出雲縁結び空港」に降り立ち、そのまま足立美術館(安来市)へ。12年連続日本一に選ばれた庭園と横山大観コレクションの絶妙なる組み合わせで有名な美術館だ。横山大観だけではなく、近代日本画、現代日本画、陶芸(魯山人など)、童画(林義雄など)など多岐に渡り、庭を随時楽しみながら絵も楽しめ、本館、新館で半日は十分楽しめる。

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境港では、道路沿いの鬼太郎等の像が一杯の「水木しげるロード」を散策した。何よりも新鮮な素材での寿司を堪能できたことが嬉しかった(JR境港駅近くの回転ずしは安くてうまい!)。

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夕方は宍道湖サンセットクルースだったが、あいにくの天候で地平線あたりの雲に映る夕焼けだけが救いだった。ただ、船にカモメがエサを求めて寄り付き、えびせんべいを面白いように手から食べる姿を楽しむことが出来た。

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その後、鳥取西部にある「とっとり花回廊」のイルミネーションに行った。中四国最大の140万球と宣伝されているだけのことはあった。ゆっくり回れば2~3時間は楽しめるところだ。

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翌日は松江城と出雲大社を訪問(松江から出雲大社までは一畑電車利用)。

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松江城」は今年6月念願の国宝指定を受け、姫路城、松本城、彦根城、犬山城の仲間入りをして「国宝5城」となり観光客も一段と増えたそうだ。朝9時前だったが、中国の観光客の団体などで既に賑わっていた。お堀の中には鎮守の森などがあり、外に出ると堀に沿って「小泉八雲記念館」「小泉八雲旧居」「美術館」「武家屋敷」などが並ぶ散策路があり、堀に遊ぶカモなどを眺めながら散歩も楽しめる。

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出雲大社」はどこに行っても「縁結び」の言葉が行きかう。ワインも「ENMUSUBI」、お土産も「縁結び」のオンパレード。60年ぶりの出雲大社「平成の大遷宮」は、5年間にわたる御本殿修造が終わり、平成25年5月10日に「本殿遷座祭」が執り行われ、現在は新しい本殿を拝謁できる。現在の本殿も24メートルの高さを誇るが、古代出雲大社は48メートルあったとの説が言われているそうだ。あちこちの建物に出雲大社特有のしめ縄が飾られている。特に神楽殿のものが日本一と聞いたが、その重さが5トンと聞いて驚いた。4年前に遷宮に合わせて張り替えたそうだが、大変な作業らしい。出雲は「ぜんざい」発祥の地。「ぜんざい」は、出雲地方の「神在(じんざい)餅」に起因しています。出雲地方では旧暦の10月に全国から神々が集まるが、その際振る舞われたのが「神在(じんざい)餅」。その「じんざい」が、出雲弁(ずーずー弁)で訛って「ずんざい」、さらには「ぜんざい」となって、京都に伝わったと言われている。紅白の餅の入ったぜんざいを食べたがさすがおいしかった。

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1泊2日の短い旅だったが、魅力いっぱいの島根県の貴重な体験だった。

 

何事も成功するには人間力(テニス杉山愛ちゃん)!

「致知2016.1」に「一流選手を育てる親の共通項」とのタイトルでテニスの杉山愛選手の母親である杉山美紗子氏が投稿されている。杉山氏は2010年に早稲田大学大学院修士論文で「日本の若手トップアスリートにおける両親の教育方針に関する一考察」を書きあげ、翌年新潮社から「一流選手の親はどこが違うのか」と言う本も出版されている。この論文は、杉山愛のコーチ経験や、日本を代表するアスリート(錦織圭、石川遼、宮里藍)の両親へのインタビューを通じて様々な共通点をまとめあげたものだ。

まず必要なのは、「親の子どもに対する無二の愛、見返りを求めない愛情」、そして「その愛情を正しい方向に扱えること」と言う。子供はジュニアでトップクラスになるほどの活躍を見せた時、子どもの世界がドンドン拡がっていくのに対し、親にはそれに見合う情報量が不足し、親として何をすればいいのか分からなくなることが多くなる。それが親子間の亀裂になり、子どもの才能が潰されてしまう。そのため、親も子供に置いて行かれないよう学ばなければならないと指摘する。「今は抱きしめるとき、突き放すときということをきちんと理解して、いかに子どもとの距離感を取るかも親の学びだとも。

論をさらに展開して、トップアスリートとして成功する要因には、資質も当然あるが、世界と戦っていくためには、人を思いやる気持ちや、人に感謝できるという「人間力」も必須と言う。杉山氏が「娘が世界で戦えると確信した事象」を紹介している。17歳通信制高校に通っていた時の出来事。提出したレポートに先生のコメント「これはお前が書いたんじゃないだろう」。これに杉山愛は「この先生可哀そう。きっと何人もの人に裏切られてきたんだね」と。この時杉山氏は、その先生がどう評価しようと自分で書いたことに間違いはない中で、相手の立場に立ってきちんとコメントでき、大局的に問題ないことを無視できる判断力を感じ、この子はプロでやっていけると感じたそうだ。

どんな小さなこと(片付けや読書など)でも目標を決めて毎日コツコツと積み重ねていけることも、好不調の波がある世界で自分の頭を整理出来る行動を取るには必須の能力とも言う。「負けず嫌い」も、「あいつには負けたくない」と言っているうちはまだまだで、自分自身に対しての「負けず嫌い」が一流選手にとって大事な人間的資質とも言う。相手との比較が無いのでどこまでも伸びる可能性があるというわけだ。先日のNHK杯に続くグランプリファイナルでの羽生の世界最高得点でのダントツの優勝は、まさに「自分自身への挑戦」なくして達成できないことで、上記「自分自身に対する負けず嫌い」が納得できる。

杉山氏は育児に関して「子どもを育てる」ではなく、「子どもと育つ」と思って無我夢中でやってきたと言われる。自分が煎餅をしゃぶりながらテレビを見ている時に「勉強しなさい」「本を読みなさい」といくら言ったところで、まず子供は言うことを聞かない。親は子供にとってのリーダーで、そのリーダーシップ(「シップ」というのは「し続ける」と言う意味)をきちんと取るためにも、常に学び続けて自分を磨き続けることが大切だと言う。そう簡単なことではないが、「子どもと一緒に成長する事を楽しむ」と考え努力してほしいと締めくくる。

これまで、当ブログでも、甲子園での優勝校の監督の選手の育成策(http://okinaka.jasipa.jp/archives/13)などに関しても述べたが、その中でも「社会人になっても通用する人材育成」として「人間力養成」を謳う監督の多さが目立つ。企業においても、地域社会においても、人生を幸せに生きるためのキーワードは「人間力」ではないだろうか。