ポルトガル旅行~その8~花いろいろ

最後に、時期的には少し早い中、3月初旬に咲いている花いろいろを紹介したい。
紫色のジャカランダが有名だが、5月下旬頃からの花のため、今回は残念ながら見ることが出来なかった。
あちこちで目を楽しませてくれたのが、桜に似た”アーモンドの花“。白とピンクがある。

椿の花もあちこちで咲き誇っていた。

珍しい花では、コインブラで見た「ユダの木」。日本でもみられるそうだが、ピンクの花を一杯つけていた。花名は“セイヨウハナズオウ(花蘇芳)”で、花言葉は「裏切り」とか「疑惑」「不信」などあまりよくない。イエスキリストの12人の使徒の1人のユダが、ハナズオウの木で首を吊ったという伝説のためか。

サンチャゴ・デ・コンポステーラの公園には“シャクヤク”の花が木一杯に咲いていた。大聖堂の絶景ポイントで眼前にしているのは、ガイドによると“すももの花”と言うことであったが、アーモンドの花のようにも見えた。

黄色い“ミモザ”の樹もあちこちで見られる。エニシダ、カタバミもあちこちで黄色い花を楽しませてくれる。

バスでの道中、名前は分からないが、あちこちで白い花の群集が見られた。エヴォラの公園や、オビドスで見た花も可愛かった、

これで今回のポルトガル旅行記を終えます。何らかの参考にしていただければ幸いです。
最後までご愛読いただきありがとうございました。インターネットなどを調べながら正確性を期したつもりですが、間違いがあるかもしれませんがご容赦ください。

ポルトガル旅行~その7~エヴォラ

リスボンから約130km東に位置するエヴォラも歴史地区として世界遺産に登録されている。リスボンを流れるテージョ川の南に位置する古都だ(アレンテージョ地方)。スペインも近く、スペインから訪れる人も多いそうだ。エヴォラはローマ時代から栄えてきたこの地方の中心都市で、城壁に囲まれた中に一歩入ると、ローマ、イスラム、キリストといった各時代を今に伝える建物群が当たり前のように同居している姿に感動する。
まず、15世紀末から16世紀に建設の”サンフランシスコ教会“。ゴシック様式とマヌエル様式が混在した建造物だ。ペリカンと紋章のファサード。中央の祭壇は大理石。側面に14個の祭壇がある。

この教会の見どころは、主祭壇の横からも入れる人骨堂だ。内部はその名のとおり、人骨でできた空間で壁一面はもちろん、アーチの部分に至るまで人骨で埋め尽くされています。16世紀に3人の修道士が墓地から持ってきた5000体もの人骨を使って作った空間だ。フランシスコ会の修道士たちが瞑想する場所として作られたそうだ。入り口に「あなた(の骨)を待っています」との意味深なメッセージがあるそうだ。

屋上に昇るとエヴォラの街を一望できる。遠くに後程訪れる大聖堂も見える。

エヴォラの街並みだ。ジラルド広場と10月5日通り。ローマ時代の城壁が一部残り、水道橋の一部も残るローマ時代通りもある。

少し行くと、古代ローマ時代の遺跡“ディアナ神殿”が見える。右側に見えるのはロイオス教会。神殿の周辺は緑地公園で、日本人彫刻家の像もある(テーマ「海の中に光る満月」)。ここからの眺めも素晴らしい。

ロイオス教会とその横のポサーダ(ホテル)。天正遣欧使節団が司教と面会した“司教の館”。

いよいよエヴォラの最大のみどころ、”エヴォラ大聖堂“だ。12世紀に「聖母マリア」に捧げるため建てられた「カトリック教会」だ。正面ファサードはポルトガルゴシック建築の傑作だそうだ。大聖堂の主祭壇。大きな薔薇窓。天正遣欧使節団が演奏したと言われている16世紀のパイプオルガンもまだあり、現役で使われているそうだ。回廊と公園もある。外に出るとエヴォラ大学(一部)があった。

エヴォラは、特にコルクの産地で、道路沿いにはコルクの森が一面に広がっている。鉄塔にはコウノトリの巣が。その後リスボンに戻った。“4月25日橋”の近くにあるクリスト・レイ像(リオデジャネイロのキリスト像をまねたもの)が。

ポルトガル旅行~その6~ポルト&オビドス

今回は、ポルトガルの語源とも言われるポルトガル第2の都市ポルト観光だ。この町は特にアズレージョにあふれる歴史地区が世界遺産となっているドウロ川沿いの街だ。
まずは“サンフランシスコ教会”。1383年にゴシック様式で建てられ、その後、17~18世紀にバロック様式に増改築された。外観は、質素な造りになっているが、内部に入ると装いは一変し、祭壇だけではなく、天井、壁、柱に至るまで贅を尽くした金箔細工がなされている(16~18世紀)。当時のブラジルからの金300kgが使われたと言う。ポートワインの輸出で栄えたポルトの富が生み出したもの。内部が撮影禁止のため、絵葉書でその様子を伝える。

ドン・ルイス1世橋に向かう途中の小高い丘に、市内で最も古い建造物であり、ポルトガル国内で最も重要なロマネスト様式建築の“ポルト大聖堂”がある。その近くに11世紀の城壁がまだ残っており、世界遺産の銘板がはめられている。小高い丘からのポルトの眺めもすばらしい。遠くに見える塔は“グレゴリス教会”の塔だ。民家の壁にもアズレージョが使われている。

いよいよ“ドン・ルイス1世橋”だ。この橋はポルトの中心部と旧市街を結ぶ橋で、ドウロ川にかかっている。1886年に完成し、高さは約45mで2階建ての構造だ。2層構造で、上層は鉄道、下層は自動車道路となっている。橋からの光景はすばらしい。旧市街にはポートワインの工場がひしめき、川には貿易船が停泊中だ。

2016年に世界遺産に追加された“セラ・ド・ピラール修道院”が橋の対岸の小高い丘に見える。

 

見事なアズレージョで飾れられた有名な“サン・ベント駅”。1900年修道院の跡地に建てられた世界一美しい駅。壁一面にアズレージョの世界が広がる。ポルトガルを代表するアズレージョ画家、ジョルジュ・コラコによって1930年に制作されたものだ。ジョアン1世のポルト入城やセウタ攻略など、ポルトガルにおける歴史的な出来事が描かれている。

ポルトからバスで2時間半ほど南南西に行ったところ(リスボンからは北に1時間ほどの位置)に王妃の愛した小さな村「オビドス」がある。13世紀ディニス王とイサベル王妃が新婚旅行でこの村を訪れた際、このオビドスを王妃にプレゼントしたとか。中世の面影を残す”王妃の村”とも称される。城門を入ると白い壁と石畳でできた細い街並みが続く。青と白の配色が何とも可愛い。街の果てオビドス城まで10分程度の通り(ディレイタ通り)で、土産物屋に交じって名物のジンジャを売る店が並ぶ。さくらんぼの果実酒であるジンジャ・デ・オビドスをチョコレートでできた容器に入れて飲む。

途中、右手の広場に12世紀ロマネスク様式で建てられた”サンタ・マリア教会“がある。質素な教会だが国王が結婚式をあげたこともあるらしい。通りの突き当りには12世紀建立のサンチャゴ教会(今は書店)の横に石壁がひときわ大きくそびえている。ぐるりと囲む城壁はローマ時代に作られたそうだが、レコンキスタ時代に城と共に整備されたそうだ。オビドス城は今は高級ホテル(古城のホテルを一般的にポサーダと言う)だ。壁の上からはオビドスの旧市街が一望できる。

今日はリスボンに泊まり、明日はエヴォラ観光だ。