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国際成人力調査実施中???

9日の朝日新聞朝刊13面の「ザ・コラム」に「いま日本各地で無作為に選ばれた大人5千人が難しい国際試験に挑んでいる、というか挑まされている。国際成人力調査」PIAAC)世呼ばれるテストだ。」とあった。これは2000年から2009年にかけて各国の15歳の生徒に国語、数学、理科の同一問題を解かせ国別ランクを発表する経済協力開発機構(OECD)が実施する国際学習度到達度調査(PISA)の大人版らしい。PISAでは日本の学力が中国、韓国などアジア勢にも負けているとのショッキングな結果となってショックを受けた記憶を思い出される方もいると思う。が、今大人版で5千人がチャレンジしていることをご存じだろうか?

OECDの仕掛け人に成人力とはと聞いたところ「企業が国籍を問わずに社員を採用する時代、国の枠を超えて優秀とされる人材が持つ力」とか。試験でわかるの?「筆記試験では無理。対象者の自宅を調査員が訪ね、実社会に即した設問を示す。その成績と各人の職歴・収入の連関を探る」。

コラム氏(山中季広ニューヨーク支局長)曰く「世界の労働市場から見ると日本型の人材は魅力を欠いている。上司からの指示には忠実だが、提案力には欠ける。手本のある仕事なら得意だが、前例がないと二の足を踏む。自分と同質な集団には溶け込むが、異質な人々との協調は怖がる。海外市場が求めるこれからの人材とは対照的だ」。さらに続けて「日本の若者が就職氷河期に苦しんでいると知っても外国企業や国際機関は一向に手を伸ばしてこない。日本の高等教育がグローバル化に対応していないことを知っているから。海外に進出した日本企業も外国の採用に励む」。さらに知識偏重型の試験システムから、異質な人々とともに難題を解決できる突破型の人材育成への転換を主張している。知識はネットに接続すればだれでも得られる世界だから。

5日に開かれた「JISAコンベンション」で女流棋士で現日本棋院岸会長の小川誠子(ともこ)さんの話を聞いたが、数学オリンピックで上位の成績を収めた学生が、囲碁を覚えて言ったそうだ。「正解のない世界を知ることが出来た」と。

今朝の日経に「社長100人アンケート」が掲載されている。その中で外国人の起用や日本人の海外駐在などで「グローバル人材を拡充する」という回答は85.6%となったことが報告されている。

この成人力調査は26か国が参加し2年後に結果が発表されるらしい。 日本の成績がどうなるか不安だが、大きな問題提起として捉えたい。