第15回JASIPA経営者サロン実施(27日)

事前にご案内(http://jasipa.jp/blog-entry/8824)しましたが、今回は初めて外部講師を招いてのサロンでした。「今ある”人財”を活かそう!!~ポジティブ心理学をビジネスに利用する~」というテーマで、NPO法人ワーク&ライフ・デザイン研究所代表理事 落合美由紀様にお願いしました。落合様は花王、ロータス、IBM各社のSEとして活躍されたが、企業の宿命とも言える「早期戦力化」のための育成が主体になり、「長期視点の人材育成」が出来ないことに限界を感じ、NPO法人を昨年12月に設立された。同じころ「ポジティブサイコロジー研修スクール」に出会ったことも大きなきっかけになったと言われる。「100歳まで現役ワーカー(生涯現役)」の信念も起業を後押ししたそうだ。二部では、講演補佐として来られた中川さんと共に参加者全員(12名)と活発な意見交換があった。

第一部の講演では、ポジティブ心理学の効用について縷々説明があった。1998年米国の心理学者マーティン・セリグマン教授が提唱した新しい心理学(http://www.youtube.com/watch?v=PDIPdI_OEEk)で、精神病疾患を持つ人ではなく、一般の人のモチベーションを挙げる研究だそうだ。最初に参加者にちょっとしたワークを課された。

「最近の出来事で、“良かったこと”、“感謝していること”、“楽しかった事”を思い出し書き出す。そして、3つの良いことについて二人ペアで話し合う。その際。上記3つの事をいろいろ思い出せるよう、批判や否定をせず質問をする。

良いことに焦点を当てた会話は、皆さんを楽しくさせ、笑いも出たり、コミュニケーションが弾んでいた。講師曰く「人間関係を良くするためのコミュニケーション力をつける一つの方法として効果が高い」と。参加者も実感できたと思う。

ある保険会社の採用で、意欲や動機をテストするASQテストを実施し、楽観度の高い人を採用した結果、個人向けマーケットシェアを飛躍的に伸ばしたとの事例があるそうだ。ポジティブな考え方をしている人は、多少能力が低くても、研修やOJTを通じて能力を挙げ、成果を出すことが出来る。

ポジティブ心理学は、強みにフォーカスする。ドラッガーの言う「人も組織も成長するには弱みの克服ではなく強みの強化だ」の考え方と一致する。知識労働者の生産性の低さが問題にされているが、人の内発的動機のきっかけを与えるポジティブ心理学は使いようによっては生産性UPに寄与できるのではなかろうか。

二部の意見交換会では、ポジティブ心理学に対する関心を惹起したのか、落合氏に対する質問攻めになった。落合氏が、ある大学からの依頼で、学生を相手にポジティブ心理学のコンサルを実施された。3日間のコースだったが、最初依頼した教授も「受講しても単位ももらえず、3日間どの程度の学生が最後まで残るか心配だ」と言われたが、受講した17名全員が最後までついてきてくれたそうだ。まさに3日間コースの価値を体感できたのだろう。

あっという間の2時間だったが、参加者は一様にポジティブ心理学に興味津々。JASIPA事務所で会員企業から希望者を募り、研修コースを設けてはとの提案もあった。

落合さん、中川さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

感動や行動を促す源とは?

メルマガなどのインターネット記事で、幸運や感動に出会う源の話があった。一つは、脳科学者茂木健一郎氏の「偶然の幸運は、楽観的な人に訪れる(President Online)」(http://president.jp/articles/-/9758?utm_source=0625)。もう一つは、以前時々ブログにもUPした感動プロデューサー平野秀典氏のメルマガ「腑に落とす感動」(6月25日)。

茂木氏は、「人間の脳は、もともと楽観的に出来ている。楽観的なくらいがちょうどよく、そのような状態で初めて十全に機能する」と言う。「あとどのくらい生きるか」とか、「宝くじに当たる確率は?」などの質問にどう見ても楽観的な答えが返ってくることが多い。それだけ脳はずうずうしい。それは生きる上で必要だから「脳内の楽観回路」は進化してきたそうだ。不確実性に満ちた世の中で不安や恐怖に捉われ悲観的になっていたのでは、行動することが出来ない(フロージングと言う)。行動しなければ、思わぬ発見や、偶然の幸運(セレンディビティ)に出会うこともできない。成功するために大切なのは、「根拠のない自信」と、「それを裏付ける努力」と茂木氏は言う。自信を持つのに根拠などいらない。出来ると最初から分かっているのならば、あえてチャレンジする意味もない。すべてのイノベーションの出発は「できる」という「根拠のない自信」を持つ点にある。感情や気分を生み出す脳の古い部位は、理性を司る脳の新しい部位よりも、むしろ先を行く。まずは感情が生れて、それを理性が整理し、追随する。楽観的に行動してこそ人生は面白くなる。

一方平野氏は「知っているだけで腑に落としている人が少ないから、夢や願望を実現している人が少ない」と言う。「頭」よりも「心」よりももっと深い「腑」に落とした時に生まれる感動こそが人生を変える作用点になる。知っていることと腹落ちすることの違いは、自分の感覚から検証してみた結果、「知る」は「好奇心」が刺激されますが「腑に落ちる」は「感情」が刺激される。知ったら実践してみる。すると、知と体験が調和して何らかの感情が生まれる。 嬉しいや楽しい、ワクワクやウキウキ、といった理屈を超えたプラスの感情が、知と体験が調和していることを教えてくれ、「生きている実感」を味わうことが出来る。そこから、感動という感情が生まれ、人生の満喫度がプラス方向へ向き始めると平野氏は言う。「感動こそ、人生を創る土台」というのが感動プロデューサー平野氏の主張だ。

インターネットの普及で知を獲得する機会は大幅に増えた。知識過剰気味の中で、知を行動に移すことが感動に繋がり、幸せにつながるとの両氏の主張には耳を傾ける価値があると思う。知は行動が伴って初めて花開く可能性が出てくる。

奈落に叩き落された人の言葉に感動!

今年の2月のブログでも紹介(http://jasipa.jp/blog-entry/8483)した「命の授業」講演家腰塚勇人氏の言葉が、最近FcaeBookで紹介された。前回のブログでは別の言葉を紹介していたが、この言葉もすばらしいと思うので伝えたい。

「いつも笑顔でいよう」
「いつも感謝をしよう」
「周りの人々の幸せを願おう」

毎日の小さな幸せに気付けるようになる

自分が如何にまわりの人たちから
助けていただいているかが実感できる

中学校の体育教師の時にスキー事故で首から下が全く動かない重症に会う。勝ち気な性格で、人には絶対負けない「常勝」が信条で、人の助けを受けるなんて毛頭考えていなかった。入院先でも看護婦の言葉にカチンと来て睨みつけたりしていた。ある時、看護婦の涙ながらの自分を思ってくれる言葉に一晩泣きとおした翌朝、見舞いの花を見て、「花のように生きたい」と。生き方を「常勝」から「常笑」に、顔は動くから「笑顔」に、口も動くから「ありがとう」と言おう。心も使えるから「周りの人が1日元気に笑顔で過ごせるよう」に祈ろうって。自分が如何にまわりの人たちから助けて頂いているかが実感できるようになった。

スキー事故にあったのが2002年、今は教職も辞し、自分の経験を周囲の人に伝え元気を与えることが出来ればと、2010年ごろから「命の授業」と称して全国を回られている。これまで約400回実施し、15万人近くの方々にお話されたとの事だ。腰塚氏は「今が一番幸せ」と言う。

五体満足な自分も、今生かされている不思議を実感し、周りの人のお蔭と思う心を持っていきたいと切に思う。会社勤めでも、同じ心をもってすれば、プロジェクトもすべてうまくいくと思うがいかが?結果、皆が幸せになれる。