またまたコマツ坂根正弘氏の「私の履歴書」(日経)より。11月28日の記事には、次期社長(野路さん)時代に、コマツウェイに「ブランドマネジメント編」が加わったことが書かれている。こんな内容だ。
- つくったモノを売るのが「セリング」
- 顧客のニーズに合ったモノを売るのが「マーケティング」
- 売れ続けるための仕掛けをつくるのが「ブランディング」
と定義し、コマツでないと困る度合いを高めることで、お客さまから選ばれ続けるパートナーを目指している。お客さまの中には、過去の関係から「コマツからは絶対に買わない」と言う人もいる。それぞれのお客さまとの関係性を「コマツでないとダメ」というレベル7から「コマツはダメ」と言うレベル1までの7段階に分類し、全ての顧客との関係性を1段階でも引き上げるのがブランドマネジメント活動の眼目だ。
私の講演で使わせて頂いている「リレーションシップマーケティング」(小宮一慶氏の「社長の教科書」(ダイヤモンド社刊)より)も同じ概念だ(http://okinaka.jasipa.jp/archives/395)。ここではお客様を6段階に分ける。「潜在客(お客さまになる可能性のある)」から始まって、「顧客(買ってくれたお客さま)」、「得意客(よく買ってくれるお客さま)」、「支持者(当社のものしか買わないお客さま)」、「代弁者(他の人に勧めてくれるお客さま)」、「パートナー(当社やイベントに別のお客さまを連れて来てくれる)」と進化していく。小宮氏は、現在のお客さまをこの6分類にはてはめ、坂根氏と同様、それぞれを1段階挙げていくための施策を講じていくのが大切と説く。
初めて受注したお客さまを如何にリピーターにするか、リピーターになって頂くか、組織的に「お客さま第一」の機運を継続的に盛り上げるためにも、坂根氏と小宮氏の顧客の状態管理とそれを進化させる施策の推進は非常に意味あるものと思う。是非とも参考にしてほしい。