25日の日経3面の記事の標題「米欧感染 公表値の10倍も」(コロナ抗体検査で判明)とのショッキングな記事に驚いた。感染しても無症状の人がいることで今回のコロナウイルスの怖さを感じてはいたが、抗体検査の精度は別にしても定量的にこんな数値を突き付けられると今まで以上に怖さを感じる。ニューヨーク州は約10倍だが、カリフォルニア州ロサンゼルス郡が28-55倍、同州サンタクララ郡は50-85倍、オランダ約15倍、イタリア約30倍とある。
今日から、小池知事の言う「ステイホーム週間」が始まった。5月6日までの特に厳しい外出規制の要請だ。昨日まで東京の感染者数の公表値は4000人弱だが、各国の抗体検査結果の10倍から50倍のデータに照らし合わせると東京人口(1400万弱)の0.4%~2%いることになる。100人に1~2人くらいはいることになる。
私は、2月末から、スポーツジム通いを止め、ほぼ毎日1時間半程度の早歩き散歩をしている。もちろん人手が少ない道や、親水公園などの整備された散歩道などが主体である。しかし、人の数は少ないが、散歩やジョギングを楽しんでいる人たちとたまにすれ違うこともある。最近ジョギングしている人の息の怖さも言われており、マスクをしていても、すれ違う時には少し距離を空けることにしているが、人は少なくても道幅の狭いところは避けなければならないのではと思う。ましてやスーパーでは厳重な注意が必要だろう。
当該記事では、「感染して免疫をつけた人が人口の6割以上になれば理論上は集団免疫となり、コロナウィルスの感染流行は終息に向かうとされる」とある。東京で言うと800万人以上に免疫がつけばいうことになるが、そんなことが可能なのだろうか?
抗体検査はアメリカや中国など各国で大規模に実施する動きとなっている。日本も検討に入ったと聞く。韓国や中国で再感染者が発生し、抗体が再感染を本当に防ぐのかとの基本的な問題もあり、科学的な知見の蓄積と精度の向上が課題となっている。が、抗体が免疫に効果ありとなると、英国が計画している「証明書」を発行し、免疫のある人から外出を許可しながら経済活動を再開する明るい見通しが開けることになる。
6割が抗体を持つ状態を作るには、感染者を増やすと言うことは現実的ではなく、やはりワクチン開発を待つしかないのだろう。感染しても無症状が確約できれば率先して感染して抗体を作ることもありうるが、これは現実的ではない。しかし、精度の高い抗体検査を大規模に実施し、部分的にでも今の不安から逃れることが出来れば、対策にも幅が出来る。今重要なのは、無症状の感染者で治癒した人も含めて公表値よりはるかに多い人がいることを認識し、不要・普及の外出は控えること、そして出かけるときはマスクをし、人と人の距離を守ること、手洗い・うがいの励行などの呼びかけを守ることだ。苦しい日々だが、これに耐えなければ未来は遠い。