ミラーニューロンの発見

これも古いIT Proの記事を社内のブログにUPしたものです(2009/11)。円滑なコミュニケーションを行うため、あるいは、明るく、活気のある職場風土創り、人脈創り、子どもの教育などにも大きなヒントを与えてくれるものと思います。やりようによっては逆効果も呼ぶ、その名は誰の脳にも存在するミラーニューロンです。

ミラーニューロンとは、他人の行動を見るだけで発火するニューロンで、20年ほど前にイタリアの研究者が偶然発見したのだそうです。

いいことも、悪いことも伝染するそうで、「共感」はまさにこのニューロンの発火現象ということらしい。夫婦が永年一緒に暮らしていると顔かたち、表情が似てくるのも、夫婦同志がお互いにミラーニューロンのレベルで模倣し合っているからだという。対話している時に無表情で聞いていると話す人も無表情になり、会話が進まなくなる。逆に表情豊かに話すと聞き手も表情豊かになり、会話がはずむというのもこのニューロンが作用しているそうです。赤ん坊の時に赤ん坊が笑うと母親が笑って返す行動を繰り返すことで、赤ん坊の脳の中に親の笑顔を移すミラーニューロンが芽生える。模倣版、愉快犯といわれる犯罪も一度どこかで起ると続いて起る傾向がありますが、これもミラーニューロンの発火現象かも知れません。

「個人の属性は独立ではなく、他人との関係の中で作り上げられる」ということになるが、グループ・チームの雰囲気、会社の風土・文化なども、その構成員の雰囲気・個性がお互いに影響しあいながら作られていくということになります。規律正しい風土、学習する組織、チャレンジする文化などを作り上げるためには、特に規範となる人を作り(管理者は率先して規範となる)、それを伝播させることによって作り上げられるということになります。逆に一つほころびが出ると、それも伝播する可能性があるということですから、いかにそのほころびを早くキャッチし、伝播を防ぐかがポイントになるといういことです。

自分の主張を相手に分かって貰う、あるいは自分をアピールするコツは、説明する時の顔の表情などにより、相手のミラーニューロンを発火させることかも。

精神爽奮

これまで10年間ほど、事あるごとに「精神爽奮」と言う言葉を使ってきた。「爽やかに奮い立つ」いい言葉と思いませんか?そんな会社が究極の目標と思ってやって来ました。しかし、どこかでこの言葉に会って、共感を覚えたのは記憶しているのですが、語源は分からないままでした。それが2011.3号の人間学を学ぶ月間誌「致知」で判明しました。

明末の大儒、呂新吾(りょしんご)は言う。

精神爽奮なれば則ち百廃俱(とも)に興る
肢体怠弛(したいたいし)すれば則ち百興俱に廃る

(精神が爽やかに奮い立てば、もろもろの廃れた事が一斉に興る。 手足身体が怠け弛むと、もろもろの盛んなことも一斉に廃れる)

運とツキを招き寄せる法則は古今に不変である。運とツキに関する著名人の言葉も付記しておきます。

★武田双雲(若くして前衛書道家として活躍。NHKの大河ドラマ天地人のタイトルを書く)

「感謝、感性、感動」の3つを大切にすることですね。毎日毎日、感謝、感動していたら、運がよくなるに決まっていますよ。向こうが引き寄せるのか、こっちが引き寄せるのか分からないけど、ありがたいことにどんどん寄ってくる。たぶん、「自分は運が悪い」と思っている人は、運が悪い部分しか見ていないだけなんですね。

★谷岡一郎(大阪商業大学学長)

自分が持てる限りのベストを尽くした中で、初めてツキが出るんです。運だのツキだのといった話は人事を尽くした人が言うべきで、全力を尽くしもしない人がごちゃごちゃ言うものじゃないと思いますね。

★衣笠祥雄(スポーツコンサルタント)

勝負に負けて、ふてくされたり、やけくそになるのは自己否定で、そういう人に運が向いてくるとは考えにくい。私が練習に励んだのは自分に対する信頼からでした。

★樋口武男大和ハウス工業会長

人の道を守らない人、親を大事にしない人、恩ある人に砂をかける人に運はついてこない。          

「教育問題]両親や先生を尊敬しますか?

今年のⅠ月の社内向けブログの紹介です。親を思う心、先生を慕う心などは、外国より日本の方が熱いのではと思っていましたが、最近のデータで驚くべき数字が出ています。このデータを見ると皆さん方も驚かれ、悲しまれることと思います。

今、大震災で「人間の絆」があらためて見直されつつあります。亡くなった両親を思い号泣する子どもたちや、隣人を気遣う人たちの姿に涙します。ボランティアの方々の献身的な奉仕に、被災者の方々が心のこもった感謝の意を表されている姿に感動します。この際、日本人の本来の特質を取り戻し、被災者の皆さんと共に「ガンバロー!にっぽん」。

日本の現状を憂える対談(平沼立ち上がれ日本代表と米長日本将棋連盟会長)の中で、こんなデータが披露されていました。

  • 20カ国のアンケートで「自分の両親を尊敬しますか?」との問いかけに対してYesと答えた比率が

中国人 80%、アメリカ人 82%、韓国 82% に対し日本は最下位の25%!  (このデータで50%を切る国はおしまいと言われている)

  • 「あなたは先生を尊敬していますか?」との問いかけに対して

20カ国のうち19番目の国でも70%なのに、日本は最下位の21%

驚きました。日本の良さが失われてしまったのでしょうか?あの合理主義が徹底されているアメリカと比較しても唖然とするデータと思いませんか?人間の絆、互助精神、お互いを思いやるやさしい心、そして“おもてなしの心”など、日本人の最大の美徳と思い、これからのグローバル化の進展の中でこの特徴を活かすことが日本の競争力の原点と思っていたのですが・・・。自分ひとりのせいでここまで成長できたのではなく、親兄弟、先生、友人、同僚のお陰でここまで来られたとの想い、感謝の心は自分自身の成長にも寄与し、そして世の中を明るくします。

「三つ子の魂百まで」と言われます。ある人が言っていましたが、昭和40年に厚労省が母子健康手帳と一緒に配布される副読本に「添い寝はするな、おんぶ・抱っこはほどほどに」と書いてあったとか。そしてこの子たちが中高生になる昭和55年に「校内暴力」が出てきて、大学に入る時期に「新人類」「プッツン」の流行語。そして今は親になって「モンスターペアレント」。(九州ルーテル大学の潮谷教授)

直接的な因果関係とは別に、例えば母親がテレビを見ながら授乳していると赤ちゃんは母親の関心が自分に向いていないことを察すると言います。子供が「私は親に嫌われている」「親が関心を示さない」と思いこむと、自分の存在感を示すために家庭内暴力などに走ると言われます。自分の子供が、こういう子供になると、まさに「無縁社会」とは無縁とは言えなくなります。もっと子供の育成に関して考えたいものですね。育児休暇をとって、赤ちゃんに十分接することの重要性が認識できます。

冲中一郎