新大関「鶴竜」誕生!おめでとう!

今朝の朝日新聞の天声人語に「新大関鶴竜誕生」の記事が掲載されている。モンゴルから来た時の体重は65Kgしかなかったが今は148Kg。その昇進の口上「お客様に喜んでもらえるような相撲が取れるよう努力します」との飾らない言葉がいかにも鶴竜らしいと評判を呼んでいる。「お客様」という言葉が口上としては異例らしいが、ファンを日頃から大事にしている鶴竜が言った言葉だから説得力があるとの評だ。鶴竜は「お客さまがいないと相撲は成り立たない。関取になってからいろいろあって、親方(元関脇逆鉾の井筒親方)からもそう教えられた。」と言う。入門から62場所での大関昇進は、外国人では最も遅いらしい。その鶴竜が口癖なのが「コツコツ」とか。

「コツコツ」で思い出すのは、イエローハット創業者の鍵山氏の言葉である。致知出版社藤尾社長の「一途一心」の記事にこうある。

一途一心とはひたすら、ひたむきということである。
一つ事に命を懸けること、ともいえる。
あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、
欠かすことのできない心的態度である。
物事の成就はこのコア(核)なくしてはあり得ない。
イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏は、
ある時若い人たちから成功の秘訣を問われ、
「二つある」と答えて白板に、
「コツコツ」
――と板書されたという。
コツコツは一途一心と同義である。
その根底にあるのは無心である。
心に雑念妄念が入っては、人間、コツコツにはなれない。

相撲人気も鶴竜のお蔭もあり、回復の兆しだとか。史上初の6人大関。鶴竜はじめ、大関陣の頑張りを期待したい。

「ポジティブ・オフ」運動って?

今朝の日経32~33面に「日本経済を活性化するライフスタイル・イノベーション」シンポジウムが紹介されている。そのリード文に「ビジネスパーソンがオフ(休暇や勤務終了後の時間)をポジティブ〔前向き〕にとらえ、外出や旅行、社会貢献や自己啓発などのオフの活動を楽しむことを積極的に促進することで、豊かなライフスタイルを実現しようという【ポジティブ・オフ】運動。」とある。

昨年7月に国土交通省観光庁が、東日本大震災後の夏の節電と地域活性化のために提唱し、内閣府、厚労省、経産省が共同提唱者として、賛同企業・団体が名乗りを上げ、今では、将来に向けて、休暇を楽しむライフスタイルや、ワークライフバランスの実現などの「ライフスタイル・イノベーション」につなげて行こうとする活動に発展している。今朝の新聞では、168の団体が参加しているとある(IT業界では、ITホールディング,NTTデータ、NRI、NSW、日本ユニシスなどが参画)。

標記シンポジウムでは、基調講演として「残業ゼロ」活動などで本の出版や、講演で御活躍の元トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長吉越浩一郎氏が登場している(19年増収増益を達成された実績が吉越氏の主張に大きな重みを付けている)。吉越氏は外資企業での海外経験を通して、「体力をベースに気力が養われ、気力があってこそ能力は発揮される」ということを学んだ。すなわち、日本のビジネスパーソンは、「仕事の対極は、休み」との考え方が主流だが、欧州のビジネスパーソンは「仕事の対極は、遊び」とする。彼等はオフに「気力」を回復させ、仕事で「能力」を最大限発揮する考え方が根付いていると言う。吉越氏は、トリンプで「がんばるタイム(毎日2時間は私語やオフィス内立ち歩き禁止)」や、「毎日早朝会議(課題をもち寄り、即断即決)」などで、業務に集中出来る環境を整え、立派に業績を残された。

JISA(情報サービス産業協会)で、ワークライフバランスの推進や、女性の登用などで、先頭に立って頑張っておられる國井秀子副会長(リコーITソリューションズ会長)もパネラーとして参加されている。人材の成長が、もっとも重要な経営戦略と言えるIT業界において、日々の仕事に埋没せず、「オフ」の活用で幅広い人脈・絆創り、知識獲得、視野の拡大などを目指す、そのような風土を企業の中で創造して行くことこそ、今後の熾烈な競争に打ち勝つ方策かも知れない。

忍術を操る鳥、ヨシゴイ

日曜日夜7時30分~のNHK番組「ダーウィンは来た」は」私の好きな番組です。いろんな動物が生きるために進化し、環境にうまく適応した動物だけが生き残っている様子が、分かりやすく捉えられています。

25日のテーマは「忍術を操る鳥」。新潟県の越後平野にある瓢湖は、田んぼに囲まれた小さなため池ですが、ハクチョウなども飛来する水鳥の楽園です。ここに、一風変わった鳥が暮らしています。全長30センチあまり、体重100gほどのサギの仲間のヨシゴイ(ヨシ原に住むことでこの名前がついた?)。一日の大半を、水辺に生えるヨシの茂みに潜んで過ごしている。ヨシ原を歩くときは、ヨシの茎を足でつかみ、地上に降りることなく草を渡り歩きます。人呼んで“忍者歩き”。上空からトビなどの敵が近づけば、ヨシの葉そっくりになりきる(子どもも本能的に同じ行動をとる)“葉隠れの術”で身を隠します。そして水面がハスの葉に覆われると、不安定なハスの葉を軽々と移動。この様子はまるで“水ぐもの術”です。狩りの腕前も超一流。ヨシやハスの茎にじっと掴まり、身じろぎもせずに獲物を待ちます。そして小魚が近づいた瞬間、首を普段の2倍以上の長さに伸ばし、一瞬で仕留めるのです。狩りの成功率は90パーセント、1日に200匹獲る、動物界トップクラスの名ハンターです(カワセミが成功率60%、チータが50%)。初夏、子育ての季節を迎えると、ヨシゴイは水辺に生えるヨシの茎を器用に編み込み、空中に浮かんだ巣を作ります。陸からも空からも敵の襲来を寄せ付けない完璧防御のすまいは“忍者屋敷”そのものです。暮らしの全てをヨシに頼り、忍術さながらのスゴ技を操って生き抜く鳥ヨシゴイも生き抜くために進化してきたのです。

以前、NSD社員向けのブログで、同じ番組で紹介された「川の水面を走るバシリスク」、「シカゴで大量発生した17年ゼミ」、「あきる野市などに生息する投げ縄クモ」などを紹介しました。そこには、 厳しい生存競争や、環境変化の中で、生き延びるために進化した姿があります。昔、上司から良く言われました。「サルでも、犬でも努力する。人間だったら知恵を使え!」と。しかし、動物でも頭を使い、進化している姿に驚くとともに、人間として考えさせられます。