「団塊の世代へのメッセージ」に考えさせられる!

28日(土)の日経「春秋」のメッセージ。生物学者本川達雄氏の言葉「団塊の世代が社会の重荷にならず次世代を生かし育てられるよう、率先して利他の生き方をしていかないと」(日経「こころのページ」より引用)。

天皇、皇后両陛下が火葬を希望し、あわせて葬儀を簡素化するよう求められている、そのご意志を、平成の次の時代を生きる人々に負担をかけまいという強烈なお気持ちだと察することから始まっているコラムである。続いて「少子化が進み、なお震災の痛手の中で苦しむ国、右肩上がりの夢をとうに失い、将来が見通せない国。その国を支えていく特に若い世代でのメッセージが込められている。」とある。「長寿を寿ぐのは当然。一方で、長寿のツケを次の世代に回してはいけない。これもまた当然。二つの当然を見たす解を国は見つけあぐねている。ならば長寿を享受する人自身が身を処す術を考えねばならない。」

政府の推進する「税と社会保障の一体改革」も先行き不透明感が増す中で、いままで右肩上がりで平和を謳歌してきた我々団塊世代が、次の世代に何をせねばならないか、何を残さねばならないか、政治を批判するだけでなく、自ら真剣に考えねばならないとの強烈なメッセージと受け取りたい。孫のためにも!

JASIPA若手経営者懇親会(仮名)開催

昨日(26日)JASIPAの1行事として、「若手経営者懇親会(仮名)」を飯田橋のとある居酒屋の個室で開催した。昨年来、中小規模のITベンダーが集うJASIPAとして、会員企業の皆様に、よりメリットを実感していただく施策を“企画会議”を新たに設け議論してきた。施策の一つとして、経営者(社長)自らが日々の糧を得るのに東奔西走せざるを得ない状況の中で、永続的・安定的に事業を営んでいくための経営ノウハウを効果的に得る方策が議論になった。有識者を招いての「経営セミナー」などの案もあったが、会員企業の問題認識がなければ、押しつけのセミナーとなり、長続きしないのではないかとの意見もあり、まずは会員企業の意見交換を通じて、経営者の問題意識の掘り起しを行い、かつその中で各社の取り組み状況を聞きつつ、ベテラン経営者の意見を交えて何かに気付いてもらう場の設定から始めることとした。昨夜その第1回目を開催する運びとなった次第である。

第1回目は、幹事役の㈱BSC林社長が声をかけた若手経営者6人と理事長、理事、事務局長と私の10人で開催した。これまでの経緯から、私が進行役を進めることとなったため、最初のテーマとして「各社の企業理念から語る社員満足度向上策」とし、各社の企業理念と、テーマに沿った設問を資料として手渡し、議論を始めた。

企業理念を、社員に何度も繰り返し説明し、社員との対話も意識して行っている経営者もいるが、社員の扱いに苦労している経営者からも素直な発言がでたり、活発な意見交換が3時間近く続いた。最初は心配していたが、参加者の皆さん、アドバイザーの皆さんからも概して好評だったのでないかと思っている。今後のテーマとして、 ベテラン経営者の成功談、失敗談や、事業規模を増やしていったその戦略や苦労談などを聞きたいとの要望もあった。今後、理事の皆さんなどのお力を借りながら、皆さんの意見を参考にしながら当会を活性化していきたいと思う。会員企業の皆さんで、一度参加したいと思われる方は、㈱BSCの林社長または、事務局までご連絡ください。次回は5月24日(木)です。

百匹目の猿になろう!

引っ越しで本の整理をしていたら、過去に読んだ懐かしい本が目についた。その中の一冊に船井総合研究所の創業者船井幸雄氏の「百匹目の猿―「思い」が世界を変える(サンマーク出版1996)」があった。百匹目の猿現象とは・・・。

今から50年ほど前に宮崎県幸島(こうじま)の猿に実際に起こった現象。幸島に生息する猿の群れのうちの一匹が、ある日、エサのイモを川の水で洗って食べることを始めました。すると、ほかの多くの猿たちも、それを真似して同じ行動をとるようになりましたが、その数がしだいに増えて一定量にまで達したとき、不思議なことが起こりました。その現象を知る由もない、遠く離れたほかの土地や島の猿たちもまた、つぎつぎに、イモを水洗いして食べる行動をとりはじめたのです。

つまり最初の一匹が始めた、一つの賢い行動が集団の中に広がって、群れ全体の新しい知恵や行動形態として定着したとき、その行動は、時間や空間を超えてあちこちに飛び火し、仲間の中に同時多発的に伝わり、広がっていったのです。「あることを真実だと思う人の数が一定数に達すると、それは万人にとって真実になる」ということで、イギリスの科学者ルパート・シェルドレイク氏など多くの科学者が仮説を立て、ほぼ証明した理論と言われています。(この事象を発見したのは、京都大学霊長類研究所の故今西錦司氏)

今でも船井氏は今後のビジョンとして、約10年前から提唱されている「『百匹目の猿現象)』を起こす活動をすすめられています。これは、「『いい世の中をつくりたい』という思いを共有する仲間が集まれば、社会や世界をもっと良い方向へ変えていくことができる」との思いから端を発したものです。つまり、この世の中には時空を超えて共鳴をもたらす力がある。それはまるで電波のように遠く離れたところにも広がっていくのではないか」という仮説です。この理論を人間に応用し、「いい世の中にしたい」と思う人の数がある一定数を超えたら、その思いは一気に世界中に広がるのではないか、そして一人一人が百匹の猿の一員になればすばらしい社会になるとの思いからです。今、心ない人間の行動による森林の減少や砂漠化の進行、食糧やエネルギー不足、そしてそれらを加速させる、大量消費を是とし、競争を良しとする資本主義の行きづまり・・・など、現在の地球環境は急速に悪化の一途をたどっている。そして船井氏は、いまがちょうど人類にとって、未来を良いものにするか、悪いものにするかの分岐点すなわち、“正念場”のように思えてならないとの危機感から「ニンゲンクラブ」をはじめとして、メディアや講演会を通じて皆に呼びかける活動をされています。

「1人の力は弱いものでも、正しいと思うことを勇気を持って行動につなげていけば、いつかは大きな力になる。世間は正しいことには自然と同調してくれる。」社会においても、会社においても、地域コミュニティにおいても、家庭においても、前向きに生きていきたい。