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さよなら閉塞感!希望つくり

今年のⅠ月20日に日本で唯一「希望学」を研究されている東大の玄田有史教授の本「希望のつくり方(岩波新書)」を社内ブログで紹介した。今、大震災で大きな被害を受けた釜石市の街の復興を目指す(鉄鋼業の衰退から)市民の中に入って、一緒になって考え・調査した結果を希望学としてまとめられている。昨日NHKの番組に出られ、自らも被災者でありながら市民のために駆けずり回っている市役所の方とも懇意で、「行きつけの飲み屋」も流されたと言われていました。これから如何に「希望つくり」を行えるか、釜石の皆さんにエールを送りたい。下記がⅠ月20日の社内ブログの内容です。

希望の定義 Hope is a Wish for Something to Come True by Action (with Others).希望とは4つの柱―気持ち、何か、実現、行動―から成り立つ。玄田教授は鉄の町釜石を題材に、膨大なデータを取りながら、初めての「希望学」研究をされた方です。釜石は過去に幾多の試練に会いながら(ニ度の大津波で消滅の危機)、鉄発祥の地で鉄を主体とする物作りの町として栄えたが、不況と共にピーク9万人の人口が今では半減してしまっている町である。このような中で、街を愛する人達が「物作り」に固執し、海・山の豊富な天然資源を利用した健康食品などの新製品作りを行い、製造業出荷額が過去ピークを超えているそうです。この様な希望に燃えた街の人たちを対象に、聞きとり調査やアンケートをしながらいかにすれば希望を持てるか研究してこられました。その中で得られた知見の一部を紹介する。あくまで希望は自分で作るものだというのが大前提です。

  • ★外部に緩い関係の人脈を作る(Weak Ties).家族や同僚などは案外自分と同じような情報や判断材料しか持っていない。たまにしか会わない人たちは自分とは違う価値観やら情報を持ち合わせている可能性があり、自分の夢を描く自由度が増す。同窓会などには積極的に参加することを推奨。
  • ★希望の多くは失望に変わる。しかし、希望の修正を重ねることで、より大きなやりがいに出会える。
  • ★過去の挫折を自分の言葉で語れる人ほど、未来の希望を語ることが出来る。挫折を経験し何とかくぐりぬけてきた人ほど希望を持っている。“反例”失恋経験の乏しさが男性の恋愛や結婚をあきらめる風潮を助長している。
  • ★無駄な事に対して否定的になりすぎると、希望との思いがけない出会いを逃す。希望は「あえて迂回し、距離をとる」ことによって出会えるもの。

「幸福」は維持するもの、「安心」は確実性を要求する、「希望」は挑戦・変化することによってさらなる幸福を追い求めるもの。閉塞感のある現代社会。一度「希望なるもの」を考え、「希望」をつくり、信頼できる人たちと一緒に、希望の実現に向けて行動を起こしませんか。