「自己改革」カテゴリーアーカイブ

涙活(るいかつ)って?

5月1日の日経記事ではじめて“涙活(るいかつ)”の言葉を知りました。インターネットで調べると1月にもNHKの朝番組「おはよう日本」でも取り上げられ、3月31日にはNHKの「生活情報ブログ」でも下記のように紹介されています。
映画などを見て泣いてしまったけれど、その後、何となくすっきりしたという経験、ありませんか?すっきりしたい、日頃のストレスを解消したいという人たちが集まり、映画や音楽などを鑑賞して涙を流そうという活動、略して「涙活」が、今、注目されています。
別のインターネット情報では、”涙活“とは、能動的に泣くことでストレス解消を図る活動とある。離婚式プランナーの寺井広樹氏の提唱と言うのも面白い。人間の自律神経は涙を流すことにより、緊張や興奮を促す交感神経が優位な状態から、リラックスや安静を促す副交感神経が優位な状態に変化する。よって、たくさん涙を流すほど、ストレスが解消し、心の混乱や怒り、敵意も改善されるという。ただし、ストレス解消に効果があるのは、感動などによる涙だ。
5月1日の日経の記事のタイトルは「”涙活“で連帯感、自由に働き育児と両立」だ。記事によると、寺井氏が2015年に企業に涙活の講師を派遣するサービス「イケメソ宅泣便「を始めてから年3、4割のペースで受注が増えているそうだ。このサービスを使ったIT企業が紹介されている。ネット事業のアジャストでは感動を共有することで連帯感が高まったという。参加者(女性)からは「以前より同僚とお互いに助け合うようになった」との声が聞かれる。

以前「暗闇体験でつながろう」とのタイトルで「非営利活動法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」の活動を紹介した(http://okinaka.jasipa.jp/archives/460)。世界的に人気を博している研修だそうだが、「参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験」とある。これもコミュニケーションの改善を図る試みだ。

スマートフォンなどの普及で、コミュニケーション危機や、相手を思いやる気持ちの薄れなど時代の変化とはいえ、懸念する人は多い。「働き方改革」が叫ばれているが、残業を減らすことだけではなく、チームとして働きやすい職場つくり、信頼しあえる仲間つくりも重要な課題だ。そのための世の中のいろんな取り組みを評価し、積極的にチャレンジしていくことも必要ではないだろうか。

「宝物ファイルプログラム」でみんなを元気にする!

以前、当ブログでも紹介した(“自己肯定感が劇的に人を成長させる”http://okinaka.jasipa.jp/archives/69)一般社団法人子どもの笑顔代表理事岩堀美雪さんが「致知2017.8」の対談記事に登場している。岩堀さんの「宝物ファイルプログラム」を適用して社風がガラリと変わりお客様からの評判を飛躍的に挙げたシバ・サンホーム社長柴部崇氏との対談だ。
宝物ファイルプログラム」とは、前稿ブログでも説明しているが、岩堀氏いわく「自分の長所に目を向けて、自分のことが好きになる。つまり、“自己肯定感”を高めるための具体的で効果的なプログラム」と紹介する。さらに「人間は自己肯定感が低いと他人の顔色ばかり気にして生きづらくなったり、本来持っている力を十分に発揮できなかったりします。高くなると、家族や仲間のことがいつの間にか大好きになり、毎日が楽しくなり、持っている力を十分に発揮できるようになります。」とも。
「宝物ファイルプログラム」で用意するのは、クリアファイル。子供用と大人用があるそうだが、子供用のクリアファイルの表紙の次のページには「みんなに良いところがあるから、そのことを忘れないでね」と言って、「自分のことを大好きになろう」「家族や友達のことも大好きになろう」と書かれている。この考え方に基づいて、頑張りたいことや、好きな物、残したい写真、お世話になった人、そして自分の長所を自ら書くと同時に、友人や保護者からも誉め言葉をもらってファイルする。このファイルを見れば、保護者も気が付かない一面を知ることが出来、それがまた本人の意欲につながる。自分の長所や友達の長所など、最初はなかなか思いつかないが、時間がたつとともにいくつも書けるようになる。
社内のギスギスした人間関係に頭を悩ませていた柴部社長がある経営者向け研修会で岩堀さんの話を聞き、社内にお招きし社員研修を行っていただいた。月に1回、計3回の研修で、幼少時代からの自分を振り返りながら、両親やお世話になった人を思い出しながら、いまある自分を見つめなおす。その効果が、お客様の「皆仲がええな。元気やな。任せて安心やな」の評価となり、業績も上がっているとのことだ。
岩堀さん自身も小学校の先生として31年間勤められた中で、学級崩壊状態の小学5年生クラス担任を受け持ち、「宝物ファイルプログラム」の適用を試みたがうまくいかずうつ病寸前のところまで経験されたそうだ。が、ある時から根気よく生徒のいいところを見るようにしたところ見事に行動が変わっていき、卒業式の時子供たちが大泣きし、ある子は「先生、まさかこのクラスでこんな楽しい日が来るなって思ってもみなかったです」と言ってくれたことが忘れられないとのことだ。
”自己肯定感“、子供にとっても、大人にとっても人生を変えるキーワード。考えてみたい。

社長のための「お客さま第一」の会社のつくり方(小宮一慶)

標題の題名の本が出版された(東洋経済、2013.1.31)。副題が「明日から職場を変える行動プログラム」だ。小宮氏に関しては先月にも「人物力養成講座」を紹介した(http://jasipa.jp/blog-entry/8470)。

私自身も、パイが先細りすること必至のこれからのIT業界は、お客様に対するサービス競争が激烈化する中で「お客さま第一」の理念・行動が如何に会社全体に徹底できるかがポイントになってくると思っている。お客さま隷属型、労務提供型業務からの脱皮だ。その意味で、表題のタイトルに惹かれて購入した。これまで、「お客様の価値を感じて働く企業へ」と題したお話を、知り合いの企業やJASIPAなどでお話しさせて頂いており、この3月のJASIPA経営者サロン(28日)でも、このテーマで意見交換をしたいと思っている。

小宮氏は、ほとんどの会社が「お客さま第一」を理念や方針で掲げているが、そうなっている会社は一握りで、ほとんどできていないのが実態と言う。小宮氏の経営コンサル経験に基づく具体的な成功事例をもとに、「お客さま第一」を会社全体に徹底するための考え方や方策を述べている。意識改革を唱えるよりは、まずは小さな行動を実践する事。お客様のお名前を「さん付け」で呼ぶ、電話は3コール以内にとる、お客さまを訪問する時は必ず約束の5分前には行く、お客様さまが帰られるときは、玄関先までお見送りする、笑顔で挨拶する・・・・。このようなことから始めて、自分の周りの環境整備を徹底する。これらは、経営者自らが率先してやることが重要。行動が、「気付き」を呼び覚まし、お客さまに対する行動も変わってくる。

名著「ビジョナリー・カンパニー」(ジェームズ・C・コリンズ)でも、「ビジョンや理念を追求する会社の方が、金儲けだけを目指していた会社よりも儲かっていた」との事実が紹介されている。「お客さま第一」を社員に浸透させるためにも。「経営者の志、正しい考え方」をベースとして、理念・ビジョンが策定され、それを日々社員に伝えることを継続していかなければならない。経営者が、正しい理念のもとに率先して行動できる会社が、「お客さま第一」の企業風土創りにもっとも近い存在に成りうると小宮氏は言う。自動ドアの設置やメンテナンスを事業とする神奈川ナプコや京都の傳来工房の成功事例も紹介されている。やはり社長の責任は重いとも言える。著名な経営コンサル一倉定氏の言葉「会社にはよい会社、悪い会社はない。良い社長、悪い社長がある」。猛省させられる。

JASIPA会員の皆様、3月28日19時~21時経営者サロン(飯田橋JASIPA事務所)に是非ともご参加ください。皆さんとの意見交換楽しみにしています。