昨日は、あるJASIPA会員企業で、リーダー層を集めたサロンを実施した。4月からはじめている「JASIPA経営者サロン」の企業版である。7月28日にも別の企業で実施したが、昨日は2回目の試みであった。19時から開始し、終わったのが22時過ぎ。議論続出であっという間に時間が過ぎていった。
テーマはずばり「顧客から信頼される会社、社員となるためには」。出席者は10名。私の方から、JISAでも推進している「IT業界の構造改革」の必然性から、顧客へのサービス競争の激化を説き、これに打ち勝つためには何をせねばならないか、1時間ほどプレゼンをした。その後、「第2回JASIP経営者サロン」(http://jasipa.jp/blog-entry/7566)と同様、「顧客満足度」に関して意見交換をした。「如何にお客様からの期待、本音を聞き出すか」、「その期待に応える提案を如何にするか」、現場にいながら、お客様(一次請けベンダー含めて)と如何にコミュニケーション(言うべきことを言う)を取るか、皆さん悩んでいる実態も浮かび上がった。とかく、「お客様の指示通りにやっておればいい」となりがちだが、これではお客様からの信頼は勝ち取れない。「さすが○○さん!」「さすが△△社さん!」と言われる存在にならなければ、ますます激しくなるお客の奪い合いに勝てない。喧々諤々の議論から、何かを得てくれたのではないかと思う。
クリエイティブ・ディレクタ佐藤可士和氏は、ユニクロ、セブン・イレブン、楽天、ホンダなどの広告キャンペーンや、オフィスデザインなどで企業のブランドを挙げている方だ。よくも次から次へとアイディアが出てくるものと思うが、佐藤尾氏曰く「アイディアは自分がひねり出すものではなく、相手の中にある。たとえ初めて経験することであっても、対象と真剣に対峙すれば答えは見つかる」と。ヒット商品を生む秘訣は「前提を疑う」ことと、「人の話を聞く」こと。「デザインとは、一つのソリューション。一般的には表層的な形や美しさを作ることだと思われがちだが、クライアントの言葉にならない熱い思いやビジョンを引き出し、最適な形に具現化していくことだ。何人ものクライアントを抱えていると、つい目の前のクライアントを大勢の中の一人と考えがちだが、それは違う。クライアントにとっては、1回、1回は真剣勝負で、社運をかけて臨んでいるわけだから、失敗なんて許されないのだ」。(致知2012.9号より)
成功者は、お客様の視点に立ち、徹底してお客様の問題解決にあたっている。佐藤氏は打率10割、すべてホームランを目標にしているそうだ。我々にも大いに参考になる話だ。