「自己改革4」カテゴリーアーカイブ

夫婦円満の秘訣!吉野弘の祝婚歌(参院予算委員会での質疑に登場)

6日の日経の記事より。「「正しいことを言うときは少しひかえめにするほうがいい」。民主党の羽田雄一郎参院幹事長は5日の参院予算委員会で、1月に亡くなった詩人、吉野弘さんの「祝婚歌」の一節を安倍晋三首相に紹介した。心に余裕を持って政権運営にあたってほしい、との願いを込めた。首相や外相を歴任した父、孜氏が大切にする詩だ。外交交渉では相手方に「日本の心だ。おおらかにやろう」と呼びかけ、結婚式を挙げる知人には書き写した色紙を贈ってきた。首相は自分自身ももらった一人だと明かし、「常にその態度で妻に接している。わが党も謙虚でなければならない」と話した。だが、国会論戦でおおらかさは至難の業だ。直後の質疑で首相は野党席から飛んだヤジに腹を立て、「吉野さんの詩を後ろの方に渡してほしい」とまくし立てた。羽田氏は「ヤジは議会の華。あまり反応しないで」とたしなめた。」

早速インターネットで調べてみた。結構有名な詩で、結婚式などでも多く使われているそうだ。吉野弘氏は著作権問題関係なく、自由に使って欲しいとの意思を示されているとかで、全文記載する。

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

家内とも時々険悪なムードになることがあるが、その時は私のほうが上から目線の言い方になっている。そんな場合、「ところで自分もそうだけど、こんな人間になるように努力できればなぁー」のような具合になぜ言えないのかなと後悔する。「立派になりたい」「正しくありたい」と思うのはいいが、「己が立派だ、完璧だ」と相手に感じさせるような発言は、反撃を生みやすいという吉野氏には同感だ。「目線を合わせながら謙虚に話す」ことが、人間関係(特にパートナーとの)を築くための基本だと言うことを肝に銘ずべきと思う。

祝婚歌を何度も読み返しながら、謙虚さ、相手を思いやる心を忘れず、一番身近なパートナーとの幸せな生活を送られんことを切に願っている。

100万人の心を揺さぶる「感動のつくり方」(その5)

「演技力であなたをバージョンアップ」の章では、「あなたが大切にしている価値観に沿ってあなたがなりたい自分を演じ切ること」や「自分自慢力を磨け」と平野氏は言う。とかく、「どうせ自分なんか」とか、「自分には無理」、「自分には才能がない」と自分を低く見積もりがち。そこで、「人生で楽しいと感じた瞬間は?」、「あなたはなぜ生まれたと思いますか?」、「ワクワクすることは何ですか?」と自分に問いかけることによって自分の価値観を知ることの重要性を説く。そして自分の価値観をベースにした自分表現力を磨く。その際、表情にも気を使う事。どんなにうまく口で言っても、暗い表情では話の信憑性も疑われる。そして、今までは「日本人は自分をアピールするのは苦手」と言われていたのが、オリンピック招致最終プレゼンや、本田、イチローなどに見るように、見事に日本や、日本人、自分を世界に向けて発信できる人達が増えてきた。「自分自慢力」は、相手に共感を与えることで、アピールになる。あなたの心を動かした体験談を分かりやすく伝える。自分の心が動かないストーリーでは、他人の心は動かせない。

最後に、「感動の鏡を磨く方法」。人を感動させるためには、自分の中にある「感動の鏡」を磨けという教えだ。全く同じ体験をしても、「すごく楽しめる人」「普通に楽しめる人」「全く楽しめない人」がいる。この違いを平野氏は「満喫力(平野氏の造語)」と言う能力の違いだと言う。子供のころを思い出せば、ほんの些細なことに楽しさの要素を見つけ出し、飽きるまで遊び、そして全力で泣き、笑い、走り、寝ていた自分がいた。それがなぜ、大人になったら出来なくなったのだろう。それは昨日の事を悔やみ、明日の事を心配することに多くに時間を使っているから。子供は多くの時間を「今」に生きている。

昨日は、すでに過ぎ去った歴史
明日は、まだ分からない神秘
今日こそが、贈り物(アナ・エレノア・ルーズベルト)

今日そのものの価値に集中する、今ある当たり前の日常を存分に楽しむ姿勢が、「満喫力」を磨いていく。

当ブログでも、「感動できる人間」「些細なことにでも感動できる人間」を育てることによって成功した事例も多く紹介している(例えばhttp://jasipa.jp/blog-entry/7342)。平野氏の著作本「感動3.0」も紹介した(http://jasipa.jp/blog-entry/6163)。平野氏は「顧客に満足を与える」から「顧客に感動を与える」ビジネスへの転換を提言する。期待通りの実感を提供するのが「顧客満足型ビジネス」、期待以上の実感を提供するのが「顧客感動型ビジネス」。各企業が実施している「顧客満足度調査」の「大変満足、満足、まあまあ満足、不満」の選択肢を、「期待以上、期待通り、期待以下」に変えその理由を書いてもらうことで、意外な顧客の期待レベルや貴重な情報が次々と収集できている企業が続出していると言う。

たしかに「現状に満足」している状態から、「今以上に感動」する状態へ、視点を変えるだけで生き方も変わってくる。「顧客満足」から「顧客感動」へ視点を変えるだけで、また新たなものが見えてくるのではないだろうか。顧客へのサービス競争が激化する時代、今一度考えて見たい課題と思われる。

100万人の心を揺さぶる「感動のつくり方」(その4)

川上ミネというピアニストがいる。昨年、日本スペイン交流400年事業公式ピアニストを務められた方だ。仙台藩主伊達正宗がその配下の支倉常長を正使として約180人による慶長遣欧使節団をスペインに送ってから400年。仙台藩が壊滅的な打撃を受けた慶長三陸地震[1611年]の2年後だった。偶然だが、昨年の交流400年事業は、東日本大震災の2年後、何か不思議なものを感じざるを得ない。川上さんは、昨年6月に日本とスペインの皇太子殿下御臨席のもと、マドリッド王立劇場で開催された記念音楽会で演奏され、10月の京都清水寺での記念ピアノリサイタルも開かれた。

川上さんは、三歳でピアノを始められ、高校卒業後すぐに一人でドイツに渡り、独学でミュンヘン国立音楽大学に入学。学費と生活費はアルバイトで賄いつつ、ピアノを勉強していたがある日突然腱鞘炎で腕が動かなくなる。悶々とした日々、発狂しそうな日々を送っていたが、何を思ったか突然マドリッドへ。到着した日にすべての財産とパスポートを強盗に盗まれたが、逆にそれをバネにマドリッド国立音楽大学院に入学。現在はマドリッドと京都を拠点に、世界各国で演奏、作曲、音楽制作を行っている。

そんな川上さんのピアノは、その場、その場の空気に合った音色を出す、その深い音色に感動する方が多いそうだ。その川上さんが「大事なのは日々感動することですね。楽しい、面白い、きれいだなと思う気持ちを、出来るだけ多く自分の中に作ることだと思います」と言う。「日常の些細なことに対して感動していると心も耳も開くと思うんですね」とも。確かに川上さんが幾多の苦難を乗り越えてこられたのも、些細なことにでも感動する「感動の心」が大きなエネルギーになったと言えるのではなかろうか。ピアノをやめようと何度も思ったことがあるが、心が震える音楽に出会うたびに「ああ。やっぱり音楽をやりたい」と思い続けて今があると自ら言われている。またマドリッドの音楽会で出合ったキューバの音楽家(チューチョ・バルデス)の演奏を聴いたとき雷を受けたような衝撃を覚え、いてもたってもおられず、キューバに移住しながら会いに出かけ、その思いが本人に通じ、キューバで共演を果たす。(「致知2014.2」の「第一線で活躍する女性~困難や逆境とハーモニーを奏でることで人生は花開く」インタビュー記事より)

感動プロデューサー平野氏は、「感動言葉が豊富になればなるほど、あなたの表現力は豊かになる」と言う。感動言葉の例を示している。

素晴らしい! 綺麗! 美しい! シビレル 最高! 素敵!
完璧! 虜になる ウキウキ! ワクワク! ワオ! ハッピー!
優雅 卓越 愛 ジーン ウルウル 情熱、夢がかなう
心が震える 心が躍る 心に響く 心に届く 平安 聡明 卓越
輝く 命輝く 心が浮き立つ 心が洗われる 心に沁みる 熱狂
爽やか 心がトキメク 群を抜いた 目くるめく 夢 秀でる
心奪われる 鳥肌が立つ 喚起 感謝 夢中 綺麗な
心が揺さぶられる 夢のような 大好き 無限の力 調和

日頃、こんな言葉を使えるように意識して何事にも取り組む、そして人が使う言葉に敏感に反応できるように訓練することによって、自らの感性を磨く。その努力が、いつの間にやら、いろんな人との関係が深くなり、いろんな人が近づいてくることに気付くことになるだろう。そして自分の前向きな行動力に目を見張ることになる。

今から、進んで感動言葉を使ってみませんか。