「心に響く言葉」カテゴリーアーカイブ

「積極的プラス思考型人間」になれ!

「致知2005.11」に掲載された東北の古川商業高等学校女子バレーボール部を全国制覇12回の強豪チームに変えた国分秀男氏の言葉が、最近致知出版社より出された『プロフェッショナル100人の流儀』(藤尾秀昭・監修)に取り上げられている。この本には、稲盛和夫氏、王貞治氏、宮本輝氏、道場六三郎氏、山中伸弥氏など、各界第一線で活躍するプロフェッショナルをはじめ、土光敏夫氏、ドラッカー氏、西堀栄三郎氏、小林秀雄氏、松下幸之助氏ら人生の達人たちの残した言葉も掲載されている。

国分氏の言葉は、当ブログでも以前紹介した(http://okinaka.jasipa.jp/archives/571)が、今回紹介する言葉も味わい深い。

これまでたくさんの人を見てきましたが、概ね3つのタイプに分かれると思います。

  • ・1つは苦しくなると“もうダメだ、無理だ”と思う“絶望諦め型”
  • ・2つ目は“いやだけど、しょうがないからやるか”という“消極的納得型”
  • ・そして3つ目は“この苦しみが俺を磨いてくれる。これを乗り越えれば一つ賢くなれる”と考える“積極的プラス思考型”

結局、歴史に名を残すような偉人や成功者は、3番目の人間からしか生まれません。

1、2、3のどのタイプの人間になるかは考え方一つです。

  • ・お金がかかるわけじゃない。
  • ・努力がいるわけでもない。
  • ・時間もかからない。
  • ・物事の見方をちょっと変えるだけでいいのです。

何でもない言葉だが、これまでの自らの過去を振り返ってみると、日々「積極的プラス思考型」で様々な課題にあたっていたかどうか、反省すべき点が多々出てくる。「積極的プラス思考」を遂行するためには、日頃から偉人の話を聞き、良書を読み、“知の探索”をし、大きな視点で自信を持って困難に突き進む覚悟を創り上げねばならない。

国分氏は言う。「過去に事を成し遂げた人たちがどうやって困難を乗り越えてきたか、それに触れることで考え方を変えることができると思います。」と。さらに「ピンチになった時、逃げない心を鍛えるチャンス!!くじけそうな仲間を見つけた時、その壁を一緒に乗り越えて自信を持たせるチャンス!!」と。

リーダーの姿勢が良いチームを作り、人材の育成につながり、良きスパイラルが形成でき、チームの成果がますます上がることになる。身をもって、実を挙げた国分氏の言葉だけに心に響く。リーダーの責任は重大だ。

人生はニコニコ顔で生命(いのち)がけ(平澤興)

標記タイトル(言葉)を以前当ブログ(http://okinaka.jasipa.jp/archives/112)で紹介した。元京大総長平澤興氏の言葉だ。神経解剖学の大家であると同時に、人間探求の達人として「致知」にも良く取り上げられる。「生きよう今日も喜んで(平澤興語録)」(致知出版社)と言う本も出されている。「致知2015.6」(“一天地を開く”特集)に「平澤興の遺した言葉」が紹介されている。最近多数見つかった未発表の講話録からの抜粋だ。その一部を紹介する。

  • ・本当に偉大な人:誰よりも我慢できる人。誰よりも知識を求めてやまない人。そして苦しい時にも、悠然と笑顔で生きられる人。それが立派な世界人だと思う。
  • ・ひたすら誠実に:おおよそ、ことに対し、ものに対して、仕事に対し、誠実である限りにおいて、人生に失敗はないと思います。いや、失敗がないと言う言葉が悪ければ、いろいろと失敗はあるだろうが、その失敗はやがて失敗ではなくて、失敗は成功の元といいますけれども、その失敗の中から本当のものを学び取られるだろうと思います。
  • ・人の間で生きる:一番人間にとって危険なことは、自分の経験とか自分の学問とか、あるいは自分の考え方とか、そういうものだけを頼りにして、人との話し合い、対話をしないということだと思うのであります。人生においてやはり本当に大事なのは友達であります。人の幸不幸は良い友達を持つか持たないかによって決まる。
  • ・仕事の意義:仕事は人の為にするのではありません。仕事は自らの魂を活かすためにするものだと固く信じています。(中略)運と言うものは仕事なりすべての面でやるだけのことをやった人、徳を積んだ人、そういうところに来るもんだと思うのであります。
  • ・人間の可能性:「あれは虫が好かん」なんて言うのは、誠に粗末な人間が言う事であります。(中略)人間はすべて例外なく素晴らしいものであります。やればできるという、140億の細胞が持っておるのであります。
  • ・人生の大則:人生はどこかに一つの夢を持つということ、そしてそれを本当に誠実に、いかなる場合にも自己をだまさないでしかも負けないで不屈性を以てやりとおすということであります。(中略)人生というものは希望を持って生きたらいい。一番つまらんのは、愚痴をこぼすことだろうと思います。愚痴は全く自分自身を弱め、希望を失い、全く何にもならんですね。

ついでに、「生きよう今日も喜んで」の本より。

  • ・心の中で万人に頭を下げうる人でなければ、万人の長とはなれぬ。人を拝む人は人から拝まれる。その人は自ら人の長になれる。
  • 自ら感動せねば、人を感動させることは出来ない
  • 感謝すると言うことは、人間が楽しく生きて、周囲を明るくし喜びを与える最高の姿である。
  • 教育とはいかに相手を褒めるかの研究である。

いろんな方々の言葉に素直に耳を傾け、自分の生き方の参考にしたい。

白雲自(おの)ずから去来す

禅の教えに、「白雲自ら去来す」という言葉があるそうだ。この言葉に惹かれた。意味は下記。

夏の畑仕事、暑い日差しを避けるには、雲はありがたいものです。遠くに見える雲がこっちへ来ないかな?と思うのは、誰も同じですが、雲は風任せで、こっちへ来るかは判らない。それよりも、雲を待つのではなく、今すべきことにひたすら取組む事で、暑さを忘れるほどに一生懸命に仕事をする。そして気が付けば、知らぬ間に雲が涼を運んで来てくれる。

ここで言う雲とは、言い換えれば運やチャンスのこと。運に恵まれている他人を羨んでいても仕方がない。チャンスが来ないと嘆いていても仕方がない。ただ一生懸命に今やるべきことをやる。そうすれば、運は必ず巡って来るもの。

3代目崎陽軒社長野並直文氏が、社長を引き継いだとき(平成3年)、それまでは順調だった事業が、バブル崩壊で業績が急降下。その時、友人からこの言葉をもらい、「どんな状況に直面しようと、与えられた目の前の役割を自らの使命と受け止め、コツコツと打ち込んでいくことで必ず良き運命が拓けていく」と、決して慢心することなく経営課題に取り組んで来られたそうだ([致知2015.2]より)。野並氏が言う「コツコツ」はイエローハット創業者の鍵山秀三郎氏の言葉としても有名だ。ある時若い人たちから成功の秘訣を問われ、「二つある」と答えて白板に、「コツ、コツ」 ――と板書されたという。

森信三著『修身教授録』にある言葉。

「真の“誠”は何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まるといってよいでしょう。すなわち誠に至る出発点は、何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。総じて自己の務めに対して、自己の一切を傾け尽くしてこれに当たる。即ち、もうこれ以上は尽くしようがないというところを、なおもそこに不足を覚えて、さらに一段と自己を投げ出していく。これが真の誠への歩みというものでしょう」

「今、ここを精一杯生きる」事の重要性を説く人はあまたいる。その一部は、一昨年の正月のブログに紹介している。(http://okinaka.jasipa.jp/archives/347)。

  • 曹洞宗大本山總持寺参禅講師大童法慧氏
  • 博多の歴女白駒妃登美さん
  • ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さん
  • スペイン「サグラダ・ファミリア教会」の建築に携わられている彫刻家・外尾悦郎氏

の方々だ。生きている、天文学的確率で、今生かされている実感、喜びを味わいながら、「いま、ここ」を精一杯生きること。これが自分自身の幸せにつながる唯一の道だと信じたい。