健康長寿への挑戦


私のブログで再々登場する“人間学を学ぶ月刊誌「致知」”は、それぞれの分野の専門家の記事に学ぶことが多い。この“学び”が喜寿を過ぎた私の健康寿命にも影響を与えているかもしれない事を、致知9月号の脳専門家の対談で痛感した。

タイトルは「健康寿命への挑戦~脳はいくつになっても成長できる~」だ。リード文は、

日本は世界有数の長寿国だが、平均寿命と元気に生活できる健康寿命との間には、まだ隔たりがある。高次脳機能外来で脳疾患の患者を数多く社会復帰へ導いてきた築山節氏(北品川クリニック・予防医学センター所長)と、脳科学の知見に基づき人の才能を引き出す活動に取り組んでいる西剛志氏(脳科学者)にいくつになっても脳を成長させ、真の健康長寿を実現する道について語り合っていただいた。

この対談は、「如何に健康寿命を延ばすか」がテーマで、要点だけを下記する。

  • 脳の働きと運動は不可分で、健康でなければ脳も働かない。その健康のためには運動で、その基本は歩くこと、1日8000歩でいいから、これを習慣化すること。脚には6割の筋肉が集まり、下肢の血液を心臓に戻す働きがあって“補助心臓”と呼ばれている。(築山)
  • 脳にある海馬という記憶を司さどる部位の活性化のためには、いろんな場所を歩くことが重要。同じ場所を歩くにしても右側と左側を交互に歩くことも意味あり(西)。
  • 食事は朝食が一番大事。朝食をとることで、体内時計が整い、消化や吸収と言う働きが起こり体全体の活動を始める。生活リズムの安定も重要。朝同じ時間に起きて、昼間はしっかり活動し、夜は同じ時間に寝る(築山)。
  • 毎日日誌を書くことも、脳の体性感覚野の活性化や、ドーパミンと言うやる気にかかわるホルモンの分泌を促しストレス軽減にも役立つ(西)。
  • いつまでも学び続ける事。テレビや新聞、本を通じて新しい情報を仕入れ続ける。「もう歳だから・・・」「歳を取ると・・・」などは禁句。
  • 主観年齢(実年齢より若い気持ち)を持つ人は血管年齢も若い。ある実験では、高齢の女性には白髪を染めてもらったら、血圧まで若いころの数値に戻ったという結果もあるそうだ。役柄によって肌の状況が実際に違うという女優もいる(西)。
  • 運動と睡眠は認知症予防にも効果的。昼寝も大切で30分以内の昼寝は認知症リスクを50%下がると言う。ただし1時間以上だと逆に上がる(築山)。

漫然と生きていると、年齢以上の年を取り、健康寿命を短くする。生涯現役が理想だが、自分の力の4%くらい高いところに生きがいを見つけると、やる気にかかわるドーパミンが出るとの事で、肩の力を抜いて楽しみながら挑戦を続けることで、いつまでも脳を成長させ、健康長寿が実現できるそうだ。

日本の平均寿命と健康寿命の差が男性8.49歳、女性が11.63歳。いずれも世界で最も長いそうだ。私は“ピンピンコロリ”を理想とすると常日頃から思っているが、この差をゼロにすることでもあり、ぜひとも築山先生と西先生の提言を真剣に考えてみたい。