新年のご挨拶

あけましておめでとうございます
2019年、平成最後の新しい年が明けました。今年も東京は見事な晴天で、気持よい元旦を迎えています。昨年は地震、台風、豪雨災害など、多くの“災”に見舞われ、数多くの方々が被害にあわれました。今年こそ、今年の漢字が“幸”になるよう願いたいものです。

元日の分厚い新聞2紙に目を通す。目につくキーワードは、やはり“AI”だ。政治改革や、東京オリンピック・パラリンピックの話題に加えて、世界情勢に関する記事も多い。「2050年までにAIが人間の知性を超えられるか(シンギュラリティ)」との問いで、20~40歳代の若手研究者男女約300名に日経が調査した結果、「どちらかといえばそう思う」(33%)も含めて約9割が「そう思う」と答え、時期については2030年が18%と最も多く、2040年が16%で続いたそうだ。また、2050年に日本人の死亡原因を聞くと、自殺が最も多く(28%)、がん(24%)、老衰(9%)を上回ったという。医療技術の進歩で、まだまだ寿命が延び、自分で自分の死期を選べる時代が来ると考える人が多いのかもしれないと。生命科学やAIの飛躍的な進歩で、資本主義の常識も変わり、これからGDPは労働者の数ではなく頭脳のレベルで競い合うことになると予想する大学の先生もいる。
日経別冊(第二部)では、AIの今後の応用面を解説しながら、「AI経営してますか」と問いかけている。企業にとって2019年はAI時代に適応できる経営の具体化を問われる。すなわち、ヘルスケア分野、交通、教育、農業など幅広い分野で新たな市場や事業モデルを生み出せるか、知恵を絞る時だと指摘する。米中が、この分野でも覇権争いをする中で、日本が埋没してはならない。

昨年9月より、会社勤めから完全に離れ、完全自由な生活になった。古稀も過ぎ、1ヵ月もしないうちに72歳となる身にとっては、この年までお世話になったことに感謝している。今、世の中では高齢者にもっと働いてもらいたいとの声に押され、70歳までの雇用延長制度(企業に対する義務化)が検討されている。2017年の統計では、65歳~69歳で働く人は半分以上、70歳~74歳では30%以上と、10年前に比して就業率は増加しているそうだ。私も、何らかのお役に立てればとの気持ちはあるが、一旦気楽な生活に身を置くとますますその気持ちが薄れていく。

今年は別掲「100年時代(https://jasipa.jp/okinaka/archives/8909)」をどう生きるか、真剣に考える年としたい。まずは寿命を何歳に設定するか、今のところお陰様で元気なので85歳くらいを目標にして考えることにしたい。「息子たちに迷惑をかけず、世の中のために」を条件に。

JASIPAもどんどん活性化してきている。技術の進展が激しいときこそ、人との交流、企業間交流を活性化し、いろんな情報交換や議論を深める中で、自分自身の考えを整理することが求められのではないかと思う。JASIPAの会員が今以上に増え、より活性化することを、日本のIT企業の発展のためにも願っています。

日本人はなぜ海外に行かないのか?

訪日客が今年3000万人を超えたことが賑わしく報じられている。いろんな課題がある中で2年先の2020年には政府目標4000万人も達成しそうな勢いだ。

このような中で、海外に飛び立つ日本の“アウトバウンド”状況に懸念を示す記事が、12月23日の朝日新聞朝刊3面「日曜に思う」のコラムに「”インバウンド”だけではなく」とのタイトルで編集委員大野博人氏が投稿している。アウトバウンドに関してメディアではあまり報じられていないが、観光庁によると20年ほど前から1700万人あたりで増えたり減ったりで、あまり変化がないと言う。人口に対して国外に旅行に出る人の割合を表す出国率と言う指標で、日本は13.5%(2016年)。シンガポール、マレーシア、英国などは100%を超えている。繰り返し国外に出る人が多いことを示している。日本と同様の島国である台湾が61.9%、韓国も44.0%だ。国連機関によると世界中で国境を越えて旅する人はどんどん増えており、2000年の6億8千万人から2017年には13億2600万人にほぼ倍増している。このような中で、“じっとしたままの日本人”でいいのだろうか?”との問題提起だ。特にこれからますます進むグローバル化の時代を担う若者の出国率に懸念を示している。政府も懸念を示しており、観光庁が「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」を作り、その中で若者がコミュニケーションを学ぶきっかけや勧誘の場として「海外体験」の重要性を指摘しているそうだ。各大学でも取り組みが始まっている。玉川大学では観光学部の学生は全員がオーストラリアに1年間留学する制度を設けている。最初は不安そうに出発する学生だが、外国語や多文化の人に接することに抵抗がなくなって帰ってくると言う。

OECDの統計では、日本人の海外留学生も、ピークであった2004年(8万2945人)から11年(5万7501人)までの7年間で3割超も減少している。中国、韓国などにも大きく後れを取っている。以前JISAの支部で、グローバルなヘッドハンター会社を経営されている橘・フクシマ・咲江さんに講演をお願いした際、「グローバル人材とは、隣の席に外国人が座っていても違和感なく過ごせる、仕事ができる人をいう」と言われたことを覚えている。私には残念ながらできなかったが、これからの若者には、海外に積極的に出て、外国人と自然体で親しく接することのできる人材を目指してほしいと強く思う。まさに、外国人受け入れ法案が議論になり、“外国人との共生”も大きな課題となっているが、日本が働きたい国として選ばれるためには、日本人が外国人に対する違和感を如何になくせるかが問われている。私自身も大きな課題と思っている。

ドイツ村イルミネーションに感激!

初めての“はとバス”旅行で、袖ケ浦のドイツ村のイルミネーションに行ってきました。その前に、富津市の小泉酒造(試飲し放題は初めてでした)に寄り、漁師料理”館山“で貝焼き食べ放題(ホタテ、さざえ、牡蠣、ハマグリなどに加え、刺身や野菜、食後のデザートも)の昼食後、千倉オレンジセンターでミカン狩り(温州ミカン)をし、その後本命のドイツ村へ。


6年前に関東三大イルミネーションの認定制度が始まり、足利フラワーパーク、江の島に続き3位にノミネートされていたが、今年の再認定で相模湖に負け、4位となったとのことで、今年はリベンジを狙ってより充実したイルミネーションとなっているとの説明があった。他との比較はできないが、250万個のLEDの圧巻の景色を楽しむことが出来た。見晴らし台もあるが、観覧車からの眺めで全体が十分楽しめる。平日だったこともあり、観覧車は数分待ちで乗ることが出来た。観覧車からの眺めをまずはご覧ください。

地上に降りて、光の輪の中を散策。各地区の飾りにはテーマがある(不死鳥ものがたり、グリムの世界とパズル、賢者の知恵の結集など)と思われるが、それはともかく、青色、赤色、緑色基調での見事な光景を楽しめる。

観覧車からも見えた“虹のトンネル”、マルクト広場では大音響の音楽に合わせて光が点滅するショーも行われている。ドイツ村の隣では、ちょうど我々が訪れた日(7日)から中国の“ランタンフェスティバル”が開かれており(4月7日までで入場料2000円)、ドイツ村からもその明かりの帯を見ることが出来る。

日帰りバス旅行がこんなにも楽しいとは!これからも時には利用したい。

冲中一郎