リスボンから約130km東に位置するエヴォラも歴史地区として世界遺産に登録されている。リスボンを流れるテージョ川の南に位置する古都だ(アレンテージョ地方)。スペインも近く、スペインから訪れる人も多いそうだ。エヴォラはローマ時代から栄えてきたこの地方の中心都市で、城壁に囲まれた中に一歩入ると、ローマ、イスラム、キリストといった各時代を今に伝える建物群が当たり前のように同居している姿に感動する。
まず、15世紀末から16世紀に建設の”サンフランシスコ教会“。ゴシック様式とマヌエル様式が混在した建造物だ。ペリカンと紋章のファサード。中央の祭壇は大理石。側面に14個の祭壇がある。
この教会の見どころは、主祭壇の横からも入れる人骨堂だ。内部はその名のとおり、人骨でできた空間で壁一面はもちろん、アーチの部分に至るまで人骨で埋め尽くされています。16世紀に3人の修道士が墓地から持ってきた5000体もの人骨を使って作った空間だ。フランシスコ会の修道士たちが瞑想する場所として作られたそうだ。入り口に「あなた(の骨)を待っています」との意味深なメッセージがあるそうだ。
屋上に昇るとエヴォラの街を一望できる。遠くに後程訪れる大聖堂も見える。
エヴォラの街並みだ。ジラルド広場と10月5日通り。ローマ時代の城壁が一部残り、水道橋の一部も残るローマ時代通りもある。
少し行くと、古代ローマ時代の遺跡“ディアナ神殿”が見える。右側に見えるのはロイオス教会。神殿の周辺は緑地公園で、日本人彫刻家の像もある(テーマ「海の中に光る満月」)。ここからの眺めも素晴らしい。
ロイオス教会とその横のポサーダ(ホテル)。天正遣欧使節団が司教と面会した“司教の館”。
いよいよエヴォラの最大のみどころ、”エヴォラ大聖堂“だ。12世紀に「聖母マリア」に捧げるため建てられた「カトリック教会」だ。正面ファサードはポルトガルゴシック建築の傑作だそうだ。大聖堂の主祭壇。大きな薔薇窓。天正遣欧使節団が演奏したと言われている16世紀のパイプオルガンもまだあり、現役で使われているそうだ。回廊と公園もある。外に出るとエヴォラ大学(一部)があった。
エヴォラは、特にコルクの産地で、道路沿いにはコルクの森が一面に広がっている。鉄塔にはコウノトリの巣が。その後リスボンに戻った。“4月25日橋”の近くにあるクリスト・レイ像(リオデジャネイロのキリスト像をまねたもの)が。