世界サイバー戦争???

本屋さんに立ち寄ると過激なタイトルが目にとまった。「核を超える脅威~世界サイバー戦争~見えない軍拡が始まった」(リチャード・クラーク/ロバート・ネイク著、徳間書店2011.3.31発行)。著者は米国安全保障の専門家。表紙にはさらに「中国、北朝鮮、ロシア・・・、今や日本を囲むすべての国がサイバー部隊を増強している/その恐るべき実態を明かす」とあった。

「サイバー戦争」とは、「損害や混乱をもたらす目的で、国家が別の国家のコンピューター・ネットワークに侵入する行為」のこと。サイバー戦争はすでに、イスラエルやロシア、北朝鮮、中国などによってはじめられ、中国はハッカー集団を組織化し欧米や日本の企業などからスパイ史上例をみないほどの規模で情報を盗み取っているらしい。

2007年イスラエルがシリアの核施設(北朝鮮が建設中)を空爆したが、その際、シリアは数十億㌦をかけて作った防空システムが機能しておれば敵機が検知できたはずなのにイスラエルが防空システムを支配してしまったため、検知不能に陥ったとか。2009年北朝鮮のミサイル発射の際、世界中のコンピューターに発せられたメッセージによって、米国国務省や韓国の政府系、銀行を機能不全に陥れた。

中国は湾岸戦争の時の米国の情報システムの精度を見て、自国のシステムの遅れに築き、以降民間人のハッカーを募り、マイクロソフト、シスコから巧みに情報を得て、今ではほとんどのネットワークを機能不全に陥れることができるという。米国の電力会社の発電機の回転速度を、地球の裏側のネットカフェから触れることも、実験で確認されたそうだ。

ウィキリークスも、ジャーナリストや技術者などフルタイムで作業する人以外に、全世界に1200人のボランティアスタッフによって寄付で運営されているとか。アサンジがいなくなっても、この活動は情報の検証体制、バックアップ体制含めて続けられる体制となっているそうだ。2006年設立目的は「あらゆる地域の政府、企業の非論理的な行為を暴こうと望むすべての人々の役に立ちたい」。2007年にはケニア元大統領の汚職を暴き、国際人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」からメディア賞を授与されている。権力の横暴、不正を暴くという点での評価と、機密情報を暴露する罪とのバランスはあるが、この動きが止まらないとすれば、マスメディアはもちろん、各国政府は何らかの対策が必要となるが・・・。

光速、地球規模であっという間に拡がる「サイバー戦争」、今回の震災で言われ始めた「地球市民」を目指すことしか解決の道はない???

東京ドーム初戦の巨人―阪神戦行ってきました

5月3日の東京ドーム初戦の巨人ー阪神戦に息子に誘われて孫を入れて5人で行ってきました。巨人ファン、阪神ファンですごい人出でした。入口に「がんばろう日本」の大きな文字が見えました。

ドーム内もいつもの明かりが部分的に消え、節電にかなり気を配っている様子がわかりました。天井近くの明かりが部分的に消えているのが分かると想います。バッテリー間も少し暗くしたとのことでしたが、全く気づきませんでした。

試合の方は、阪神の一方的な試合になり、巨人ファンには申し訳ないのですが阪神ファンにとっては、数年に一度にあるかないかの興奮しっ放しのすごい試合でした。金本の最高齢ホームラン、鳥谷、新井、ブラゼルの3連発(1985年の掛布・バース、岡田のバックスクリーン3連発も東京ドームでした)は圧巻でした。能見の巨人戦8連勝のおまけも付き、阪神ファンは最後まで「六甲おろし」で大変でした。

阪神のユニフォームを着て応援しましたが、息子のデジカメ写真の容量が大きすぎ、お見せできないのが残念です。

4日はサヨナラ負でしたが・・・。

オルフェイス室内交響楽団

指揮者のいない楽団、それもかの有名なニューヨークのカーネギーホール専属楽団「オルフェイウス室内管弦楽団」。「指揮者がいないのになぜこんなに見事に演奏できるのか?」ハーバード大学などで「マルチリーダーマネージメント」の研究対象にもなっている。「若くて肩書がなくても、テーマによって最適な人をリーダーにすればよい」そのための条件とは・・・。

10年前(?)に「オルフェウスプロセス」という本が出版されました。指揮者のいない楽団、それもかの有名なニューヨークのカーネギーホールの専属楽団である、オルフェウス室内管弦楽団(30人程度で演奏)が、「指揮者をおかず、なぜ演奏できるのか?」ハーバードビジネススクール、一橋大学などの格好の教材にもなり、マルチリーダーマネージメントというキーワードが作り出されました。指揮者を頂点としたヒエラルキーを常識とするオーケストラにおいて、指揮者をおかず必要な時に必要とする人たちがリーダーシップを発揮する方法をとっているのです。成功しても、失敗してもすべて指揮者がクローズアップされる世界と違って、例えば演奏曲によって得意な人がリーダーシップをとる、そのリーダーは楽団員の総意で決める、リハーサルにおいては、楽団員がよかれと思うことをぶつけながら、最後はコンセンサスを形成しつつ本番に臨む。その成果は全員の成果として評価される。

私は、このマネージメントスタイルは、やりがい、働き甲斐の極致と思って勉強したのですが、8つの原則にまとめられている条件を満たすことが成功の要件となることから、まだ議論が続いているのではないかと思います。すなわち、権限、責任、役割の明確化に加えて平等なチームワーク、コンセンサスを得るための話の聞き方、話しかた、そして職務へのひたむきな献身姿勢が、構成員全員に求められるのです。一人でもこの原則を崩す人がいると成立は難しくなります。

以前、どこかの会社で、タスクフォース検討会のリーダーは肩書とは関係なく、その道のベテラン(例えば物流改善タスクでは運転手のプロ)を充当するような運営をしているとの話を聞いたことがありますが、まさにこのマルチリーダーマネージメントといえます。皆が目的を同じくして、総力を挙げてその目的達成に向けて努力する、そして成功すれば皆でその成功を享受できる、そんな世界を夢見ませんか?

私は本田宗一郎さんのこの言葉が大好きです。

「企業と言う船にさ、宝である人間を乗せてさ、舵をとるもの、櫓を漕ぐもの、順風満帆大海原を和気あいあいと、一つ目的に向かう、こんな愉快な航海はないと思うよ」

冲中一郎