究極のエコ!ネイチャーテクノロジー

関東地区では今夏の節電対策が急務となっています。また震災前からCO2削減が世界的に叫ばれ、温暖化防止策が世界的にも急務になっています。元東大総長の小宮山宏氏(現MRI理事長)は自著「低炭素社会(幻冬舎新書)」で、エネルギー消費量の55%を占める「日々のくらし(家庭、オフィス、旅客・貨物・輸送)」にも改善の余地は多くあり、実際に「小宮山エコハウス」を建て、年間30万円の電気・ガス代を5万円に減らしたとの話が掲載されています。

ここで紹介するのは、東北大学の石田秀輝教授の推進する「ネイチャーテクノロジー」です。まさに動植物の知恵を活かせば究極のエコになるとの事です。

車、電気製品のエコ追及は進めども、我々の生活から出るCO2は増え続け、そして2030年にはこのまま行くと資源エネルギーは枯渇すると言われている環境問題に対する対策として、心豊かに生活することを担保しながら対策できる科学があると言うのです。

これがネイチャー・テクノロジーで、東北大学の石田秀輝先生が研究し、一部実用化されている技術なのです。昼は50度、夜は氷点下になるサバンナ地帯のシロアリの巣の中の温度はいつも30度に保たれているそうです。なぜ?を追及し、その土の壁を実用化し、先生の別荘沖永良部島で無電源エアコンを実現させているそうです(床、壁をシロアリの巣のように作り上げた)。カタツムリの殻はなぜ汚れないのか(家の外壁に使用すれば少々の汚れは雨で流される)?アワビの貝は花瓶と同じセラミックなのに落としても割れないのはなぜ?トンボはなぜ風がなくともあんなにゆっくり飛べる(羽の構造を分析すれば微風でも風が起こせ風力発電を各家庭でできる)?自然界には、人間の及びもつかない神秘的な事実が存在する。それを解き明かしながら、資源エネルギーを消費せずに快適な生活が送れる世界を追及する。それがネイチャー・テクノロジーなのです。興味わきませんか?

http://www.nature-sugoi.net/)にその一端が紹介されています。NHK「ダーウィンが来た」でも毎回驚きますが、自然界の動植物も生き延びるために必死であり、その必死さ故に、生き延びるための工夫が身に付いていっている姿を見ると感動と共にわが身を振り返る材料にもなっています。進化した動植物しか生き残っていない!ネイチャー・テクノロジーは面白い!

脳に悪い七つの習慣(創造力、思考力を磨くために)

前掲で「北京オリンピック」関連の話をしましたが、今回はやはり2008年の北京オリンピックの水泳競技に関係する話です。久しぶりに北島選手など水泳陣が素晴らしい成績を残しました。その水泳選手を指導された脳神経外科医林成之博士の「脳に悪い7つの習慣(幻冬舎)」の紹介です。(昨年の社内向け「冲中ブログより)

脳に悪い七つの習慣とは、この習慣をひとつづつ止めることによって、”ここぞ”と言う時に最高のパフォーマンスを発揮し、独創的な思考を促すことになる、集中力を高め、記憶力をもよくなるそうです。七つの習慣とは

  • ①「興味がない」と物事を避ける  
  • ②「嫌だ」「疲れた」とグチを言う  
  • ③言われた事をコツコツやる 
  • ④常に効率を考えている  
  • ⑤やりたくないのに我慢して勉強する  
  • ⑥スポーツや絵の興味がない 
  • ⑦めったに人を褒めない

です。日本大学救命・救急センターで誰もがダメと思っている瞳孔が開いてしまった患者の40%の人を救ったという実績をお持ちの方で、北京オリンピックの競泳日本代表に勝つための脳の講義を行い、結果に大きく貢献したことで有名な方です。救命チーム全員に、上記7つの習慣を日々なくするよう納得させる努力をした結果、世間でもあっと驚く成果をあげることになったとの事です。

七つの内、ちょっと違和感があるのは、「③言われた事をコツコツやる」と思いますが、これは失敗を恐れて慎重にやる、失敗したらどうしようという否定的な考え方と表裏一体のものとの前提に基づいています。

脳神経細胞には「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つの本能があり、上記七つの習慣はこの本能に逆らう行動なのです。「もっと、もっと」がいいので、ある仕事で「だいたい出来た」と思ってしまうと思考をとめてしまうことになるらしい。

北京オリンピックの北島選手などへのアドバイスで、ゴール近くになって「そろそろゴールだ」と思ってしまうと、脳は「もう頑張らなくていい」と判断してしまうため、血流が落ちてしまうことが証明されているそうです。「まだゴールは遠い、もっと頑張ってブッチギリで勝つ」と思えばより力になるとの事です。バンクーバーオリンピックでスケート女子団体で最後の1週まで1秒近く離していたのに逆転されて金を逃したレースがありましたが、選手も勝ったと思ってしまったからよもやの逆転になってしまったとも思えます。アテネで100メートル競争で75メートルまでブッチギリのトップだった選手が負けた事例も、選手の談話で「勝ったと思ったら、横を走る選手の足が見えまずいと思った」とありました。

④もちょっと分かりにくいと思いますが、これは思考力を養うためには、くりかえし考えることが必要で、効率最優先ではダメとの事です(結果的には思考力がつくことにより、正しい決断を促進することになり、決断の迅速さとは相反しはしない)。日記とかブログも思考力を養うためにはいいそうです。実際、当ブログを書くために、本を何度も確認しながら、何を書くのがいいか整理しながら書いていますが、これは脳にもいいのでしょうね。

若いお母さんに一言。脳の構造が決まる4歳までは「ダメよ」「やめなさい」のような否定語は使わす、やりたいきことをやらせた方がいいとの事です。分別を教えるのは4歳以降からで十分だそうです。

北京オリンピック開会式でのパラソルに描かれた世界の笑顔

2008年北京オリンピック開会式で世界の笑顔が2008本のパラソルで花開いたのを覚えていますか?これの企画をしたのは日本人なのです。世界平和のために自分を犠牲にしながら奉仕されているデザイナー水谷孝次さんの話です。

東日本大震災の被災者に対しても、笑顔を届けるイベントを行われており、いわき市では

家が津波で流されてしまったご夫婦が「震災後、初めてこんなに笑顔になった」と言ってくれ、あるおばあちゃんは涙を流して「ありがとう、ありがとう」と感動してくれた。

との事です。URL:http://www.merryproject.com に掲載されています。

その写真提供者は日本人デザイナー水谷孝次さんです。彼の「デザインが奇跡を起こす」(PHP研究所)という自叙伝を読みました。情熱さえあれば、仕事は決して裏切らない!思ったら飛べ!世界のポスター展を総なめにし、いま各界の注目を浴びる。いろんな評価が表紙に書かれています。

2008年8月8日北京オリンピックの開会式のラスト。競技場の中央に地球をイメージした巨大な球体がせり上がり、テーマソング「You & Me」が流れ始める。その時大型スクリーンに子供たちの笑顔が映し出されると同時に球体の周りで子供たちの笑顔をプリントした2008本の傘が次々と開かれた。1本1本の傘に水谷さんが危険を賭して出会い、会話をし、撮影した全世界の子供たちの笑顔がプリントされている。夜空に2008発の花火があがる。

このとき、北京への旅費、写真提供料など一切お金は出なかったそうです。しかし、水谷さんは、世界に笑顔をまき散らし、大勢の人がそれを見て感激してくれたことが最大の報酬と言われています。

水谷さんは今は60歳前ですが、電子工学を学びつつ、フォークソングに凝り、プロになることも考えた時もあったが、その音楽界のポスターを作りながら自分はデザイナーになるとの意志を持ったとの事。意志を持つと、それに向かって自ら有名なデザイナーを頼って上京し、断られながらも次々とデザイン事務所を変わりつつ、技術を磨いたそうです(他のデザイナーが捨てたごみ箱の紙を持ち帰って勉強した)。いわば自分で自分の道を切り拓く行動のお手本のような方です。セイコー、ワコール、サントリー、全日空などのポスターで名を馳せつつ、いろんな賞を総取りしつつも、自分の生き方を常に眺め、真に社会のためになる生き方を追求した結果「ソーシャル・デザイン」の概念を考え、そして笑顔に辿り着いた。いろんな所で笑顔を取り、写真集にし、展示会をやっているうちに、それを見た人々が笑顔を見せる、そんな相乗効果に、自分の進む道を確信。「MERRY プロジェクト」と名付けてアフリカの原住民、ブラジルの貧民街などで全世界の子供たちの写真を撮り続けた。10年間で25カ国3万人以上の笑顔を集められたそうです。2005年の愛知万博にも出展。

今は赤十字、JICA,企業とも連携しながら、貧しい国の子供たちへの支援(学校建設など)を行っておられます。まさに世界平和のために自分を犠牲にしながら邁進されている。世の中にこんな人がいるんだと感動しました。まさに世界の人を相手にした「利他の心」の実践者ですね。

冲中一郎