5月18日の当ブログで諏訪良武氏の「サービスサイエンス」に関して書き、その中で「事前期待把握の重要性」を言いました。サービスをお客様視点で考えると、お客様の期待を把握する(想定する)ことがサービス提供者の出発点であることはおわかり頂けると思います。如何にこの事前期待を把握するか?ズバリ聞いても、お客様もなかなか事前には明確には言えないが、実際やってみると、お客様の評価は厳しいという経験は誰もがしているものと思います。
お客様の期待は、やればやるほどキリがなく高まっていく。従ってサービス会社は常にサービスレベルを上げ続けなければならない。しかし、これでは会社はつぶれる。「事前期待のマネージメント」が必要になる。営業が、ほらを吹いて受注してが、実行段階でトラブルを起こし信頼を失うケースも頻繁に起こっているものと思います。うまく仕事に対する成果期待と、組織・人に対する信頼感などを組み合わせながら、適切な期待にもっていくことが営業にも求められる。
【事前期待マネージメント例】
- TDLの待ち時間表示:お客様のイライラ解消策。
- 祇園「お口に合いましたら、ええんですけど」と言い、素晴らしい料理を出す
- 業務の見える化(プロジェクト進捗、トラブル対策など)でお客様のイライラ抑制
- SLA(Service Level Agreement)契約
○定食屋さんで最も重要な事は?
定食屋さんのプロセスは、まず 席に案内する→メニューを渡す・注文を取る→飲み物や料理を提供する→料金を回収する となる。各プロセスにおいて正確性・迅速性・柔軟性・共感性・安心感・好印象(サービス品質の分解)の各評価項目で重要性を判断する(お客様の事前期待把握に基づいて)。ほとんどのプロセスにおいては迅速性が最も重要になると思われる。料理を提供するプロセスでは正確性も同じほど重要と思われる。その正確性とは「料理を間違わない」ということと思いがちだが、定食屋で料理を間違えると言うのはまず考えられず、この場合「お客様が料理を依頼した順番をきっちり守る」ということとすると、なるほどと思うのではなかろうか?
○年をとってくると、自宅では期待できない事をしてくれると感激する。
暑い日に汗をかきかき店内に入ると、さっと冷たいお手拭きを出し「よく冷えたビールがありますよ」とやさしく声をかけてくれたら、すぐ頼んでしまう。やさしい女性の言葉には弱い。これも男性心理を読んだ事前期待であり、女性営業職の男性を落とす戦略。
○ユニクロ、良品計画を立て直した大久保恒夫氏
業績を立て直す秘訣は?「挨拶です。それから店の清潔さを保ち、料理をおいしくする。中でも一番効くのが挨拶。客と会話をし、名前や日々の生活が分かるぐらいになるといい。成城石井もそれで利益を何倍にも伸ばしました」。これはまさにお客様と会話できる雰囲気を作り、お客様の事前期待を把握するための第一歩が挨拶と言われているのではないだろうか。今はデニーズの立て直し真っ最中。
諏訪さんの講演のなかで「営業マンが風呂敷を広げる ⇔ それを畳む」のくだりがあります。広げるばかりで 畳むことの苦手な自分は 聞いている傍から脂汗がでます(苦笑)
顧客の期待値を下げるIT営業
BLOG_NAME JASIPA特別顧問ブログ
昨年5月に諏訪良武氏の「サービスサイエンス」を紹介し、お客様の事前期待を把握し、そして期待を上回る実績を出すことによって、お客様を繋ぎとめることが出来ると言った(サービ..