四幕劇(問題は先送りするな!)

昨夜(20日)の日経夕刊1面連載コラム「明日への話題」に伊藤忠小林会長の記事を見ました。まさに今の政治・経済・社会の混乱の原因とも言えるが、会社人としても当てはまるとの主張である。

第一幕では問題を検討もせず、大丈夫!第二幕で、少し問題が顕在化してきても「大したことない。大丈夫!」。第三幕で、問題が隠せず表面化しても、自分で処置可能といいはり問題を先送りし、第四幕で破裂する。

私のSE人生を振り返ると、まさに当てはまる事象が一杯出てくる。問題を先送りしても何の解決にもならず、かえって大火事に遭遇してしまうことになる。分かっていても、’問題’だというと、外野席からウルサイ声が飛んでくる。「なぜ問題だ」と追及が始まる。「臭いがする」では済ましてくれない。責められる!イイヤ、問題は大したことないと言っておこう。大火事になって大反省。なんとこの繰り返しが多いことか。

今の政治を反面教師として、我がふりを直しませんか。下記に、昨夜の記事を掲載しておきます。

『四幕劇』伊藤忠商事会長小林栄三 2011.6.20日経夕刊より

人間誰しもつらいこと、不都合なことがあると、問題を先送りする傾向があるようだ。以前、日本の政治と経済の問題はすべて四幕劇で語れると言う説を知り、なるほどと思ったことがある(小島祥一著「なぜ日本の政治経済は混迷するのか」)。それによると、第一幕は全く問題はないと対策を拒み、第二幕では問題の存在は認めるものの矮小化する。第三幕では問題を先送りし、ついに第四幕でどうしようもなくなり降参するという流れである。

確かに、この事は昨今の日本の政治・経済・社会におけるさまざまな事象に当てはまりそうだが、実際に会社で起きた過去の失敗を振り返ってみても、その多くで四幕劇が起こっていたように思う。(途中略)

四幕劇を防ぐには、上司や同僚への報告・相談といった基本動作は最低限必要であるが、組織としても、第二幕までの間に、物事の本質を把握し、適切に対応する事が求められる。永遠の課題ではあるが、組織として、問題を属人化させず、十分なコミュニケーションをとることにより情報を共有し、それを一丸となって解決する文化を醸成すべきである。

今、世の中は急激に動いている。心しなくてはならないのは、問題を先送りしても何の解決にもならないということだ。自分が、そして組織が、今、何幕目にいて、どう演じているか、常に考えよう。

大垣共立銀行CS全国一位!大垣共立銀行

経済産業省がGDPの70~80%を占める日本のサービス産業の生産性向上、効率化を狙って作った「サービス産業生産性協議会」主催の『SPRINGシンポジウム2011』が17日にあった。この協議会の主体的な活動は、

  • JCSI(日本版顧客満足度指数)による、業界横断評価および結果の公表活動
  • イノベーションや生産性向上に役立つ先進的な取り組み(ベストプラクティス)を行っている企業表彰制度『ハイ・サービス300選』活動

の二つである。前者は2009年度から始め、2010年度と2回にわたって50位まで公表されています。後者は既に270社近く表彰されており、残り30社程度の状況にあります。これも公開されています。

 今回は「ハイ・サービス300選」の中で興味深かったのが大垣共立銀行です。2005年度にもダイヤモンド社が行った顧客満足度調査「つきあいたい銀行ランキング」において大手銀行を抑えて全国一位に輝いています。表彰のキャッチフレーズは「顧客目線のサービス提供で、銀行CS全国一位を獲得」。異業種研修でコンビニの店長を経験した行員6人が‘銀行は入りづらく、楽しいこともなく、銀行の都合を優先した店舗づくりをしている’と感じたことから、外観からサービスまでコンビニの特徴を取り入れた店舗を作ったのです(コンビニプラザ半田)。層別ブース(高齢者向け和風ブースなど)の設定、無料喫茶コーナー、雑誌コーナー、トイレ(普通防犯上銀行店舗にはない?)設置に加えて、相談したい店員も指名(予約)できるという、全国から見学者が絶えない店舗だとのことです。他にも、休日も開設の店舗(エブリデープラザ)や、バスによる移動店舗、離婚関連専用ローンなどまさにお客様目線を徹底したサービスを心がけ、実践しています。一時は社名が長い、地方色が濃いなど社名変更の希望が行員からも出ていたそうですが、今ではブランド名も挙がり、行員のモラルは上がり、新人採用も優秀な人たちで埋まるそうです。

今朝(20日)の日経新聞の記事が目に留まったのですが、大垣共立銀行では海外に進出する企業対応のため、海外研修でシンガポールに入社4年目の女性を1年間派遣するということです。

上場企業90%が企業理念に「お客様第一」に類した表現を上げているが、具体的に行動している企業は10%程度と言われています。大垣共立銀行のように、徹底したお客様指向は見習うべきものが多いのではないでしょうか。

「クラウド」がますます進展か!

14日、15日両日ともセミナーに参画した。14日は日経新聞主催の世界ICTサミット」で、その要約は日経新聞でも報じられています。これは高人気で抽選であたり参加。15日は日経BPセミナー「クラウド経営サミット」。

双方を総括すると、東日本大震災以後、急速に「クラウド」に対する注目度があがったように感じた。一瞬のうちに紙媒体(住基台帳、カルテなど)や、サーバー、パソコンを無くし、事業継続に大きな支障を来たした反省が、「クラウド」の注目度をあげているようだ。実際NTTコミュニケーションズの有馬社長は、「BCP対策としてのクラウドソリューションの需要が震災前の5倍になった」と言われていました。レッドハットの社長は、米国の各企業のCIOが注目しているのはGoogle/Vmware/Redhat/Amazonの4社だと言いきっていました。

SF.comの宇陀社長は、トヨタとの提携をとりあげ、これからは「ソーシャル」「モバイル」「オープン」をキーワードに世の中は進展して行く、そのためのトヨタにおけるSNS構築のための提携はおおいに意味があると言われていました。「ソーシャル」を進めるためにネットイヤーグループとも資本提携したそうです。Rubyの会社も買収していますね。GE(ヘルスケア)もPACS(Picture Archive communication system)と称して医療業界の改革に取り組んでいます。JTBもgoogle apps 導入で5年で11億円越すと削減したとか。

これからも、いろんなセミナーに参加して、情報を提供したいと思います。

冲中一郎