致知2010・.9号の記事です。
福井県鯖江市の小学校教諭(岩掘美雪さん)が試みた施策が評判を呼び、今では県内はもちろん県外の学校あるいは企業関係者から講演・ワークショップの依頼が殺到しているとの事です。
「どの子にもいいところが必ずある、すばらしい可能性を秘めている」との考えを原点とし、子供達に配ったファイルに自分の楽しかったことや、嬉しかったこと(例えばかけっこで完走できた、賞をもらった、宝物にしている写真や手紙など)を入れることから始めます。先生も出来るだけそのようなものが集まるよう生徒の写真をとって配ったり、保護者にも子供のいい点を書いてもらったり、皆が協力しながら子供達のいい思い出につながるものを集めファイルしていきます。そしてそれを子供達がお互いに見せ合いながら話し合う。楽しい、嬉しい思い出ばかりですから話が弾み、気持ちいい会話になります。このような活動を始めて、子供達が学校においても、家庭においてもきらきらし始めたそうです。
「自己肯定感」と言う言葉は心理学の用語で「自分の事が好きですか?」ということだそうです。この「自分を認める」ことが人が成長するために必要な要素で、これがあれば人は自然に成長するとの事です。このことがNHK地方局で放送されてから一挙に世間の関心が集まり、この活動が全国に広がり始めたそうです。インターネットで「パーソナルポートフォリオ」で検索すると岩堀さんのページも出てきます。
ある企業のワークショップで、部長さんが自分のいい所を見ていてくれたことが分かり大泣きした女性社員がいたそうです。自分が好きな点を探すこと(一般的には嫌いな点が出てくる)に努力してみませんか。両親に聞くとか、友達に聞くとか、そして素直に喜び、それを常にかみ締めながらより高めていく。これで前向きな姿勢を高めて、次に欠点(課題)を克服するための努力につなげていくことで、より大きな成長につながるのでしょうね。