感動が人を動かす(ニチレイ村井社長)

8月6日(月)の日経朝刊32面に一般社団法人「価値創造フォーラム21」の主催する第2期価値創造リーダー育成塾での対談記事が掲載されている。定期的に掲載されており、今回が5回目(内容はすべてhttp://www.valuecreator.jp/news.html で見られます)で、ニチレイ村井社長と東京大学宮田教授の対談記事である。対談テーマが「顧客価値創造を目指して~ニチレイグループにみるリーダー育成・組織風土づくり」だったので、興味深く読ませて頂いた。

ニチレイではCSR基本方針として真っ先に「新たな顧客価値創造」と「働き甲斐の向上」を挙げられている。まず「売り上げはお客様が決める(浦野会長)」との考え方から、まずは「顧客価値の創造」を掲げ、次にお客様と接している第一線の社員が自分の職場や上司、同僚に不満を感じていると、お客様の満足度に影響を与えてしまうため、次に「働き甲斐の向上」を挙げたそうだ。職場毎の自由記述方式のES(社員満足度)調査と、外部に委託しているCS(顧客満足度)調査を連携させて分析すると、その相関関係は明らかだとのこと。職場環境の改善策として500人の管理職にコーチング研修を実施したり、幹部研修で外部の専門家を招へいして人間力の磨き方や経営スキルなどの向上にも努められている。

特に村井社長の言葉に興味を抱いたのは、リ―ダーの能力の一つとして「何を理解させたか以上に、何を感じさせたかである」との表現である。村井社長曰く「リーダーがどんなに思いを込めて力説しても、部下は覚えていないことの方が多い。だからこそ、頭で理解させるだけではない、部下の心を動かす‘何か’が重要だ。どうしても心に留めてほしいことは印象的なフレーズにするなど工夫が必要だし、言葉だけでなく実例を示すことも大切」と。ニチレイでは、仲間やお客様から評価されている人を推薦し、表彰する「選ばれ続ける仕事賞」という制度がある。パート社員の受賞者もいるそうだが、この表彰を通して、表彰理由を社内外に公開することで、会社として大切にしたい価値観を分かりやすく伝えると言う。まさに「感動が人を動かす」ことをリーダーは肝に銘じなければならない。村井社長の提示された「リーダーに求められる六つの役割」を参考に下記しておく。

  • ①期待されている役割を正しく認識する
  • ②全身全霊で役割(職責)の遂行にあたる
  • ③部下のあらゆる疑問に答えられる能力と人間性を備える
  • ④部下に背中を見せる
  • ⑤明るい組織風土を形成する
  • ⑥チームの能力を最大限引き出し、期待される現在、未来に立ち向かわせる

我が家のベランダ(真夏版)

まさに夏真っ盛り。暑い日が続きます。「我が家のベランダ」を年4回程度紹介させていただいています。前回は5月(http://jasipa.jp/blog-entry/7540)で、ベラルゴニウム満開で華やかなベランダでしたが、それに比較すると少しおとなしいベランダです。しかし、ベラルゴニウムは、7月まで次々に花を開き楽しませてもらいました。現在の主役はペンタス、ペチュニアなどで、ゼラニウム、バラなどはわき役になっています。

緑のカーテンを目指したキューリは、うどんこ病にやられ、1個だけの収穫で残念ながらリタイア。代わりに朝顔が毎日目を楽しませてくれます。緑のカーテンというには寂しいですが・・・。

その他の野菜は、元気に実をつけてくれ毎日の料理に色を添えてくれています。オクラ、いんげん、ミニトマト、ししとう、紫蘇などです。

夏は水やりが大変です。私の担当で、風呂の残り水を何度もバケツに汲みながらベランダに運ぶのが日課になっています。

フェンシング団体銀メダル獲得に感動!

またまた、ロンドンオリンピックの話題です。すでにメダルの数は北京オリンピッを超えた(北京:26個、ただし金が9個)。金メダルは少ないが、毎日のようにメダルの数が増えていく。

今日はフェンシング団体の銀メダルに固唾を飲んだ。北京で金メダルの中国を破り、準決勝はドイツ。最後の9戦目(太田選手)で残り9秒の段階で2点負けていた。6秒で1点返し、あと1秒で同点として延長に。延長で1点取り(それも何度かビデオ判定になるほど緊迫したゲーム)、団体では初のメダル獲得。録画で見たが、勝ったことは分かっていても、手に汗握る戦いだった。北京で涙をのんだ太田選手の執念の凄さと同時に、チームとしての団結力に感動させられた。決勝のイタリア戦もほんとに健闘した。

それにしても、44年ぶりの準決勝進出の男子サッカー、初めての準決勝進出の女子卓球など、チームとしての活躍がオリンピック中盤で目立つ。卓球女子も、福原選手が、これまで1勝しかしていないシンガポールの選手に最初に勝利し、その勢いで石川、平野選手が勝った。「メダル獲得」の長年の目標を達成したその喜ぶ姿に感動した。水泳の男女メドレーリレーもそうだが、日本はチームプレーでいつも以上の力を発揮している。これこそ、日本の特質、美質なのではないだろうか。過去の悔しさをバネに何年も体に鞭打ち頑張ってきたアスリート達が、チームワークの中でさらにその思いを共有し、そして明確な目標に向けて精神を高めあう。身体的能力や技術面で劣る日本人が、外国人と対峙し勝つには、チームとしての競争力を日本人の最大の強みとして活かすことだということを教えてくれているように思う。さらには、外国に積極的に出て戦いながら、「日本人としての強み・誇り」を認識し、精神的にも強くなってきているようにも思える。

日本企業のグローバル化が喫緊の課題となっているが、「日本人としての誇り」を胸に世界と競争できる人材育成の必要性を、今回のオリンピックは教えてくれているのかも知れない。

冲中一郎