涼を求めて「立山」へ

2泊3日で立山アルペンルートへ行って来ました。「涼」を求めて、願わくは高原の景色と満点の夜空が見えればとの思いで・・・。しかし、天気予報は芳しくなく、レインコートなど雨支度を十分しながら旅に出ました。

1日目は大町側からアルペンルートに入り、扇沢から関電トロリーバスで黒部ダムへ。夏季(6月下旬から10月中旬まで)は、毎日放水しているとかで、大迫力の虹付き大放水が見られました。圧巻でした。ここからケーブルカー(日本で唯一のトンネル方式:何も見えない!)、ロープウェイ(見晴最高)、トロリーバスで一気に標高2450mの室堂へ。心配した天気は、予報に反して絶好の天候となり、気温16度の涼しさと、立山連峰の眺めの素晴らしさに、感動!室堂散策で、チングルマなどの高原の花も多彩で、目を楽しませてくれました。ミクリガ池など残雪が間近に見られました。天狗平(2300m)の立山高原ホテルに着いた直後に、土砂降りの雨で、山の天気の変化の激しさにビックリ。夜の星空を諦めていたところ、時間が経過するにつれ、雲間から星が見え始め、満天の星空に変わっていった。丁度、富山大学の「天文同好会」の学生二人が同宿で、ホテルの望遠鏡を持ち出して土星を見せてくれたり、星の説明をしてくれたり、時の経つのを忘れて星空を堪能することができました。輪のある土星を見たのは初めてでした。冨山大学の学生に感謝!酸素が地上より20数%少ないそうで、多少の疲れを感じながら心地よい1日を過ごすことが出来ました。

2日目は、弥陀ヶ原(1930m)の散策、そして昭和天皇、皇后も見られたと言う称名滝を見ながら、地上に降り立ってきました。宇奈月はうだるような暑さでした。3日目に黒部峡谷トロッコ電車に乗って欅平へ。欅平も標高600mほどのため、猿飛峡までのアップダウンの多い道を歩くのに汗だくでした。

予想に反して3日間とも天候に恵まれ、「涼」に加えて、アルプスの景観と星空も見ることが出来ました。立山アルペンルートは、自然の厳しさの中、黒部ダムに象徴されるように人間の果てしない底力を感じずにはおられない所でもあります。映画「黒部の太陽」にもあります壮絶な破砕帯との戦いを思い出します(「黒部の太陽」は今年全国を巡して映写会を実施中)。

身近なところに江戸の歴史が!

私の住んでいるマンションのすぐ近くの、竪川河川敷五ノ橋下に本格的日本庭園「三代豊国 五渡亭園」が8月11日(土)に開園した。首都高速7号小松川線の高架下である。今回開園したのは、まだ工事中の東西約2.1キロの竪川河川敷公園(竪川埋立地)の一部250mの区間である。以前から、亀戸の「もち吉」や「佐野みそ」などの店頭に、「三代豊国 五渡亭園8/11開園」ののぼりが立っており、「何だろうな?」と思っていたが、8月11日(土)の開園を告げる新聞記事で初めて分かった。

明治通りにかかる「五の橋」から、亀戸緑道公園までの間であるが、五の橋付近で生まれ育った江戸後期の浮世絵師「三代目歌川豊国(五渡亭国貞)」の屋敷をイメージし池にはコイ600匹を放ち、その池に朱色の太鼓橋を渡している。また亀戸では、江戸時代の庶民の通貨「寛永通宝」銭が作られており(「亀戸銭座」と呼ばれ今でもその跡地にモニュメントが建てられている)、公園内に「寛永通宝」をデザインした噴水も設置している。小川では子供たちが水遊びできる親水ゾーンもあり、今日も水遊びに興じている親子連れが多く来ていた。豊国の浮世絵を飾る展示ギャラリーも出来るらしい。

以前の職場、八丁堀も歴史豊かな土地だったし、聖路加のあたりも興味あったが、なかなか深堀できなかった。折角江戸にいるのだから、江戸の歴史をもっと勉強せねばと思っている。

売れない時代の営業術(日経)

昨日(14日)の日経朝刊に表題の記事があった。リード文に「モノが売れなくなったと言われて久しい。背景には市場の成熟、少子高齢化、景気低迷といった様々な要因がある。そんな厳しい環境下でもずばぬけた好成績を上げる営業担当者がいる。今どきのトップ営業はどのようにスキルを磨き、売り上げを伸ばしているのか。現場を探ってみた。」とある。

訪問先の店舗の様子を隅々まで観察し、ポスターやメニューの古さなどの状況から競合他社がフォロー出来ていない店を把握し、集中的に訪問する店を特定するキリンビールマーケティングの営業マン。その攻略のヒントをめもったノートは10冊以上。訪問回数は月平均400件と先輩社員の倍近く。

日産プリンスの営業マンは、激戦区の杉並で「ライバルに先行する極意は自分という人間を売り込むこと」と表現する。「庭の雑草対策、エアコンの故障、子供の自由研究、なんでもお手伝いします」。最近顧客に送ったダイレクトメールの封筒に刷り込んだ一文だそうだ。高級住宅地で平均年齢が高く、人口の流動性は低い土地柄で、顧客との関係を造りこむための方策として考えた。顧客は500~600人、全員に携帯電話の番号を教え、日常のちょっとしたトラブルにも駆けつける「究極の御用聞き」を目指す。パンフも分かりやすいように自前のパンフレットを用意する。エコカー補助金もおまけ。リーマンショック後も販売台数は減らなかった」と自信をのぞかせると言う。当ブログでも紹介した、町田市で成功した「でんかのヤマグチ」も、高齢化した顧客との関係を造りこんだ事例である。(http://jasipa.jp/blog-entry/7295)。

手製のメルマガを取引先に定期的に送る三菱電機の営業マンも紹介されている。

コンサルティング会社カーナープロダクトの横田社長の解説がある。トップ営業を維持するために求められるスキルは「顧客への感情移入力と粘り強さ」を挙げる。該社の調査では、トップ営業ほど顧客の立場や感情を理解・共感する能力に秀でていたと言う。受注できなかった顧客に接触を続ける期間はトップ営業の場合、平均25カ月、成績下位の営業マンの6カ月とは大きな差があったそうだ。横田氏が掲げる「営業センスを高める(顧客に感情移入する)ためのポイント」を下記しておく。

  • 知識:業界や商品の知識、競合情報などを整理して習得する。
  • 観察:売り場などを注視し、顧客の表情から感情の動きを探る。
  • 質問:ためらわずに「なぜですか?」と聞いてみる。
  • 想像:顧客が何を考え、どう行動しているか書き出し仮説を作る。
  • 共感:顧客と意見が違っても尊重、同意できる部分を捜し、一緒に考える。
  • 記憶:相手に許可を取ってまめにメモを取り、大事な点を箇条書きする。

マーケットが縮小し、ますます競争の激しくなるIT業界でも貴重なヒントとなる話と思う。

冲中一郎