“琵琶湖周航の歌”100周年記念番組に京大ボート部OBが!

1971年加藤登紀子が歌って大ヒットした“琵琶湖周航の歌”ができてから今年で100年。京都大学ボート部と深い縁があるこの歌は、三高の寮歌、学生歌としても伝えられてきた。その100周年を記念して、今年は滋賀県を中心に記念事業が計画されている。
記念事業の一環として、滋賀県民と京大ボート部のOBが力を合わせて京大ボート部恒例の琵琶湖周航が6月24日~27日に行われ、その様子をNHK番組「関西熱視線」で7月14日に放映した。そして8月11日全国版BS1で13時20分から30分間再放映された。
実はこの放映を知らせてくれたのが、この番組に登場する新日鉄OBの大谷さん(68歳)からだ。大谷さんは家内同志が社宅でご一緒して以来、今も最も親しくしている間柄で、大谷さんの自宅まで取材に来たとのことで家内に連絡してくれ、興味深く見させてもらった。
この番組の紹介(インターネット)を下記する。

びわ湖をボートで1周する「琵琶湖周航」は京大ボート部の伝統行事だ。6月OBのみの周航が行われた。病との闘いや親友の死、特別な思いを胸に周航に挑んだ人々を追った。びわ湖をボートで1周する「琵琶湖周航」は、京都大学ボート部で124年間伝わる行事。約160キロの過酷な行程を、息を合わせて人力でこぎきる。仲間との絆を確かなものにする忘れられない青春の1ページだ。普段は現役学生が参加するこの行事に、ことし6月、OB総勢114人が挑んだ。今は亡きボート仲間の写真を持ってオールを握った人、ガン闘病中の人。3泊4日の「琵琶湖周航」に密着、それぞれが抱く熱い思いを追う。

今は亡きボート仲間の写真を携えて参加した方は最高齢の76歳。がん闘病中とは大谷さんで、手術を終えて1か月もしない時で、ご本人も無念さをこらえながらコックスで参加。それでも体にムチ打ち4日間、完走した時の皆さんの充実した表情には胸を打たれた。心配して駆けつけた大谷さんの奥様の表情もすばらしい。私も”琵琶湖周航の歌“は学生時代から何度も歌ったことがあり、歌に出てくる周辺の景色も懐かしく見ることできた。

今年も都会の暑さを避けて信濃路へ

 


4日の各新聞にJR東日本の“大人の休日倶楽部”の1面全面広告が掲載されていました。われら団塊世代の憧れの女優「吉永小百合」が登場する皆さんご存知の広告だ。新聞広告は国認定の「森林セラピー基地」の一つ、ブナ林で有名な長野県飯山市の“なべくら高原”が舞台だ。

今年も都会の暑さを避けて、7月末から8月にかけて2泊3日で長野県斑尾(まだらお)高原を基地に、北志賀高原周辺を散策してきた。
1日目にまず訪れたのが、吉永小百合がブナの木の森でヨガのポーズをする“なべくら高原”だ。飯山線戸狩野沢温泉駅からバスで20分程度の所にある。ガイドが、整備された通路を通りながら野草や木の説明をしてくれる。“朴(ほう)の木”は葉に殺菌作用があり飛騨高山や木曽地方では餅を葉でくるんだ朴葉餅や、味噌を包んで焼いた朴葉味噌などで有名な木だ。サクラソウ科でガーデニングでも扱う”丘虎の尾“。長野県、飯山市の花でもある”ユキヤナギ“。蝶のアサギマダラが好む”ヒヨドリバナ“。高級楊枝に使われる”黒文字”の木。幹が百日紅(サルスベリ)に似ている“令法(りょうぶ)”。いよいよブナ林だ。幹回りが40cmでおよそ樹齢100年と言われるが、豪雪地帯の飯山で元気に空に向かって伸びている。幹に耳を当てると水の音が聞こえるくらい、水を大量に含み、そのため水害防止に役立つとも言われる。JR東日本の宣伝では、「一歩足を踏み入れれば、降り注ぐ光と音、木々の香り、清涼な空気。森のすべてが心と体を癒してくれます。この夏はあなたも深呼吸しながら森とひとつに」とある。まさにブナ林はそんな気分にさせられる。

天然湖では長野県で諏訪湖に次いで大きい野尻湖に寄り、観光船に乗った。天候が良ければ黒姫山などを臨める筈だがあいにくの天候でさして感慨はなかった。


2日目は、竜王山1770mのSORAテラスで朝食するために世界最大級166名乗りのゴンドラでSORAテラスへ。雲海に見立てた竜王名産マガリダケ(クマザサ)が入ったサクサクのパイで包んだクリーミーなスープ「雲海パイ包みスープ」が名物だ。SORAテラスから眺める雲海が有名で、見られる確率も60%以上というが、天気が良すぎたのか雲海とまではいかなかった。山頂の山野草ガーデンでは、幻の「ヒマラヤの青いケシ」をはじめとする可憐で希少な高山植物が咲き誇る。“ヒマラヤけし”は幻の花とか、天上の妖精とも言われ3000m以上の高度で、1週間程度しか花を咲かせない貴重な花らしい。ヒマラヤ虎の尾、カライトソウ、ヤナギラン、シモツケソウなどが咲いていた。


次に行ったのが東館山高山植物園。2000mの雲上のお花畑だ。ピークを過ぎたニッコウキスゲの群生、シャジクソウ、ヨツバヒョドリ、タカネビランジ(?)などが咲いていた。佐久市では1910年に初めて発見したことで天然記念物に指定されている“ヒカリゴケ”を見ることが出来た。狭い崖の間で確かに光っていた(写真はボケていますが)。ここは長野オリンピックでアルペンスキーの場所だったとのことだが、ロープウェイに沿って滑り降りることを考えるとぞっとした。


志賀高原の鏡池から丸池までもガイド付きで散策した。ここでは“ギボウシとオニユリ(?)”や“ヤナギラン”の群生や”モウセンゴケ“、”トリアショウマ“などが見られた。”アザミ“もあちこちで見られた。


3日目は2300mの横手山に、珍しいスカイレータ(歩く歩道)とリフトで登った。天気が良ければ、北アルプスや富士山・佐渡島など360度の眺望がのぞめ、雲海・夕陽も観ることができるそうだ。もっとも高いところにあるパン屋さんのある山頂ヒュッテには宿泊もできる。帰りは最も高い(2172m)ところにある国道292号線渋峠を通って軽井沢に向かった。
暑さを避けての信濃路行きだったが、東京もこの時期には珍しく涼しかったようだ。

経営理念も”Simple is Best”!

「最強のシンプル思考(最高の結果を出すためのたった一つのルール)」(ケン・シーガル著、大熊希美訳、日経BP社、2917.3.28発行)という本を書店で見た。世界で成功している企業の多くは、“とてもシンプルなミッション“から発展しているといい、スティーブ・ジョブズをはじめ、成功企業のリーダーたちが実践する「シンプル思考」の極意をこの本で説くとのことだ。
アップルのi-phoneの理念はよく知られているように「1000曲をポケットに」、アマゾンのミッションは「ワンクリック・アウェー(たった1回のクリックで)」だ。著者は、「ミッションを成し遂げるために人々を導き、会社の決断や行動を後押しするのは「企業文化」で、強い企業文化は、意思決定における判断をシンプル化し、会社の理念に共鳴する社員が集まり、職場が一致団結する」という。
時を同じくして、松下幸之助塾の雑誌「衆知2017/7-8号」で、堀場製作所の堀場厚社長と聖護院八つ橋総本店鈴鹿加奈子専務取締役との対談記事があった。テーマは「“おもしろおかしく”の理念が世界で戦える“強み”を生み出す」だ。これは堀場製作所創業者(社長の父)が定めた社是だが、最初のころはお客様から「芸能関係の企業じゃあるまいし」などと言われ、クレームの際も「おもしろおかしくやっているから」と皮肉られもしていたそうだ。今では、海外の取引会社からもこのフィロソフィーに惚れ込んで「堀場グループの中でオペレーションしたい」と言ってくれるほど海外でも理念が浸透しているそうだ。堀場社長はこれまで敵対的買収を仕掛けたことはないと言い切る。バッジをつける習慣のないイギリスの会社では幹部たちから「堀場のバッジをつけてほしい」と言われ社長自らつけてやったそうだ。海外では「Joy & Fun」と言う。日ごろから社長を筆頭に「おもしろおかしく」を社全体で実践している。2016年に稼働した大津市の新工場は、琵琶湖を一望できる素晴らしい眺めと、大型客船のデッキにいるような素敵なデザインだという。堀場社長曰く「この建物は、社員や協力会社の人たちのコミュニケーションを大事にしたいとの思いで設計。琵琶湖に面した部分を吹き抜け空間にし、緩やかな階段で上り下りできるようにして歩きながら会話しやすくした」と。コミュニケーションサポート補助制度(例えば宴会を開いたら2000円/人補助)も充実させ、「日本一宴会の多い会社」とも言われるとか。社員の声を業務に反映させるための海外拠点も含めた提案制度も毎年盛り上がるようだが、この制度の名前は遊び心で「ブラックジャック・プロジェクト」と命名されている。
いくつかの企業に伺い、講演させていただいているが、その際、「御社の企業理念をそらんじて言えますか?」と問いかけますが、反応が薄いように感じている。日常的に、社員自身が仕事の判断基準として使えるような企業ミッション・ステートメントとして、シンプルな表現考えてみるのも意味あるのではないだろうか?
これからの変化の時代、お客様の心をつかむことを重要と考えるなら、本田宗一郎氏の言葉「お客様の心に棲む」や、「造って喜び、売って喜び、買って喜ぶ」、私の講演で使っている「お客様の価値を感じて働く」などはいかがだろうか。

冲中一郎