人生100年時代”脱おっさん”で生き残れ!(NHK)

標題は、6月6日NHK総合テレビのクローズアップ現代+(22時~)番組のタイトル。人生100年時代、“脱おっさん”して、もう一度会社で輝こうと言う動きが広がっているとの事。
専門家が、そのための“5つの力”を勧める。「まずやってみる」「仕事を意味づける」「年下とうまくやる」「居場所をつくる」、そして「学びを活かす」。これは40代以上の会社員4700人を対象に行った調査で、生き生きと働くための具体策として出されたものらしい。
日頃上司から与えられた仕事をこなす事になれている自分を見直し、前向きに“やってみる”挑戦意欲で“いきいき”を思い出すために、ベンチャー企業を経験してみる事例を紹介していた。副業を容認する方向の中で、なんでも受け入れ、なんでも挑戦せねばならないベンチャー企業は格好の場となりそうだ。そんな事例を挙げながら、その効果を示している。派遣できるベンチャー企業を紹介する会社もあるとか。
「年下とうまくやる」と「居場所をつくる」では、“TOO”という聞きなれないキーワードがでてきた。「となりのお節介なおじさん・おばさん」との意味らしい。役職定年の大手飲料メーカーの方の活動は、役職に関係なくいろんな人の相談に乗り、職場環境を良くし、若手と幹部とのパイプ役ともなっている。この会社ではTOOの人事発令を行い今では11人が活動しているそうだ。会社の風土改革、社員のやる気にも効果を発揮している。

人生100年時代、希望すれば、70歳まで働ける時代。50歳そこそこで役職定年になっても、後20年近く勤めあげなければならない。その間、モチベーションを維持し、働き甲斐を感じ、維持し続けるために、今回の番組はいろんなヒントを与えてくれている。日本の生産性が先進国の中でも低いことが大きな課題となっている。少子化による人口減少の波を断ち切ることは難しい。そのような中で、高齢労働者自身が”活き活き働ける“こと、そしてそのような環境を積極的に作っていくことが大きな課題ではないだろうか。
番組の詳細は、インターネットで。https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4285/index.html

我が家のベランダ花盛り(5月)

我が家のベランダは1年の中で今が最も花盛りの時期だ。南側のベランダの風景。

まずピンクの花をつける満開のバラ(20数年咲き続ける)。黄色と赤色の花びらを見せるキンギョソウも。そして紫の花を一杯咲かせるベルフラワー(これも20数年咲き続けている)。

ベゴニアもラベンダーと共に見事に咲いている。年中花を咲かせているゼラニウムと咲き始めたペラルゴニウム。そして今年育てた新種のゼラニウムも。母の日に息子夫婦からのプレゼントされたカーネーションも満開だ。独特の香りを出すニオイバンマツリも毎年楽しませてくれる。

最も楽しみにしているのが、“ペラルゴニウム”。挿し木で細かく育てないと木が大きくなりすぎて花の咲き様が乱れてくるが、増やし続けると、やはり見事な姿を見せてくれる。同じペラルゴニウムでも品種の違いによって咲く時期が違うが、これから3か月は楽しませてくれる。

この月が来るのを楽しみに、年中、水やりを欠かせない。忍耐の後に、待つのは楽しみだ。

人口132万人の国が世界のデジタル革命の先端を走る!(エストニア)

バルト海に面するバルト3国の一つエストニア。昨年1月に安倍総理も訪問し、サイバー技術関係の協力を協議した国でもあり、安倍総理自身、エストニアの仮想国民にも登録している。私も2017年10月に首都タリンを訪問したが、世界遺産の小さな美しい街だった(https://jasipa.jp/okinaka/archives/7210)。

4月3日の日経朝刊11面「国土敗れてもデータあり」でエストニアの先端的な取り組みを紹介している(日経の連載記事で「先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊すディスラプション(創造的破壊)がテーマで第1回がエストニアだった」。また、ソフトバンク孫社長の実兄の孫泰蔵氏監修、小島健志氏著の「~ブロックチェーン、Aiで先端を行く~エストニアで見つけたつまらなくない未来」(ダイヤモンド社、2018・12刊)も出版されている。双方を参考にしながら要点を報告する。

デジタル革命の進展を日経記事はこう語る。
エストニアは2000年代以降、住民登録や納税、教育、子育てなどあらゆる行政手続きを電子化した。国民にIDを割り当て、手続きは24時間、インターネットで完了する。3月の議会選では投票した二人に一人がネット経由だった。ネットでできないのは、結婚と離婚、不動産売買だけ。電子化による費用削減はGDPの2%に上る。」
ちなみに、不動産売買は金銭的に大きな決断であり、結婚・離婚は感情的に早まってはいけないということが非電子化の理由だそうだ。IDカードが運転免許証や保険証を兼ね、EU域内ではパスポート代わりにもなる。
セキュリティは、ブロックチェーン技術で守られている。リアルタイムで改ざんを検知する技術も取り入れており、万が一職務上知りえた他人のデータを不正に開示したり、利用したりすると厳罰を受け、刑務所行きとなる。

なぜエストニアで電子国家が出来たのか?エストニアの歴史を振り返ると、欧州とロシアの境の要衝の地にあることから、13世紀にデンマークが侵攻して以降、ドイツ、スウェーデン、ロシアによる支配が相次いだ。やっと1991年にソ連から独立し、EUやNATOに加盟。しかし、GDPは低迷し、さらに追い打ちをかけるように2007年にロシアからとみられる世界初の国家を対象とした大規模なサイバー攻撃を受け、政府、銀行などでシステムダウンし、大パニックになった。小国の悲劇として国家存亡の危機に何度も晒されたことで、32歳の首相(1991年当時)のリーダーシップのもと、電子大国への道を拓いた。サイバー攻撃を受けてもデータが保全できる体制を徹底的に実現しようとしている。ルクセンブルグに”データ大使館“を開設したのもその一環。国土が侵略されても電子上で行政を執り行えば国家は残るとの考え方だ。

今、世界のトップ人材がエストニアを目指すと言う。何とスタートアップ企業が薬550社あると言う。これらの企業への投資額は5年前に比し5倍となり、その9割が海外からの投資という。ある調査会社(GEM)の調査では、企業の活発さを示す総合企業活動指数は米英を上回り世界で首位。通話ソフトの“スカイプ”もエストニア発とか。

仮想住民制度「イーレジデンシー」や、2019年中に「デジタルノマドビザ」を発行し、世界を飛び回るノマド(遊牧民)型人が365日の滞在を認め、EU域内で自由に働く道を切り開こうともしている。仮想住民は、国民と同様法人を設立したり銀行口座を開設したりできるでき、すでに165か国から5万人が登録、6600社が設立されたそうだ。日本からも2500人が登録されており、実際にブロックチェーン技術関係で起業した人もいる。

先月退任された、経済同友化の小林代表幹事は、中国や米国でIT企業が急成長し日本はデジタル化に遅れた現実に「日本人はゆでガエル」と表現し、成功体験からの脱却を唱えた。「カエルがぬるま湯から逃げだすように、経営者はヘビになるべきだ」と呼びかけている。
今朝の日経にも、日本に不足するイノベーションの活力を指摘している(3面新時代の日本へ)。
エストニアも少子高齢化問題に直面している。しかし、世界の優秀な人材を活用し、GDPは飛躍的に伸びている。日本もこの小国に学ぶべき点が多いと思われる。

冲中一郎