沖縄久米島でスローライフ

脱日常でちょっとした旅をする先は、北海道と沖縄がほとんどです。サラリーマン生活真っ只中の時は、正月休みや5月のGW、夏休みを利用して2泊3日の旅をするのが決まったパターンとなっていました(2泊3日は飼い猫の留守限界?)。今年は、平日を利用して、9月に北海道、そして先週末に沖縄久米島(プロ野球楽天のキャンプ地)に行って来ました。あいにく全国的に天気が悪い時期で、風も強く、久米島の観光スポット「はての浜」(船で行く海上にできたサンゴからできる白砂の浜)にも行けず、ホテル周辺でゆっくり過ごすことにしました。レンタカーを借りましたが、2泊3日で100Kmも走らず(もっとも小さな島で1周しても30Km程度しかない)、もっぱらホテル前のビーチ(イーフビーチ)で貝拾いや、砂浜に寝ころびながら本を読んで過ごしました。2日目は、時々晴れ間がのぞき、サンゴ礁の海の美しさに心が癒されました。

近くの観光スポット「畳石」から臨んだ宿泊ホテル(イーフビーチホテル)です。

2日目の朝、真っ黒な雲の下に日が昇った空と海の模様です。

イーフビーチで拾った貝類です。いろんな色のものがあり、美しかったので巻貝主体に集めました。

「おもてなし経営」を実践する都田建設

本の題名「おもてなし経営」、副題に「顧客を創造し続ける究極の方法」とある。買いたい衝動にかられた。著者は、浜松にある都田建設社長の蓬台浩明氏(出版は東洋経済新報社)。著者の紹介文にも惹かれるものがある。

大学生が選ぶ厳選されたベンチャー企業経営者に与えられる「2010年リーダーズアワード」の50人にノミネートされる。施主、スタッフ同士、地域住民との深いつながりを軸とした心の経営は、業界を超え注目を浴びている。住まいづくりでは圧倒的な地域一番店として5200人以上の顧客から絶対的な信頼を得て、無借金経営で11年連続増収を達成・・・。

蓬台氏は「おもてなし」を、「相手の心にストレスを与えることなく、こちら側が相手の存在価値を認めている事や大切にしていることを言葉と行動、場の雰囲気などで示し伝えること」と言う。そして「経営」とは、「ビジョンやミッションをもとに、生みだす価値に対して人、モノ、金、時間のよい流れをつくること。志や情熱が商品やサービスとなり人をより幸せにする活動」と言う。

そして蓬台氏が特に嬉しい事としてあげるのは

  • 経営者としての自分が描くビジョンに共感してくれる仲間がいて一緒に行動してくれること。
  • お客さまに感動して頂けたという報告をしている時の社員の幸せな表情を見ること。
  • 会社が有言実行し、その成功を分かち合える事。

蓬台氏はドラッカーに学び、歴史、兵法、偉大な経営者の哲学、自然、日本の文化など、まだまだ学ぶことは多いと言います。そして大きさではなく、中身で世界一を目指したいと意欲十分です。その基本は、上司対部下、取引先やお客様との人間対人間のお信頼関係であり、人の成長なくして企業の成長はないとの信念に基づく行動です。

本の内容は、おもてなし経営について43のルールと言う形で展開している。自分を磨くルール、よいチーム作りのためのルール、感動を設計できる企業になるためのルールと展開していく。例を挙げる。「あなたが変われば、周囲も変わる」、あなたが変わるためのルールについて、「あなたから先に相手を好きになる」、「人に尽くす」「人に惜しみなく与える」「どんな時も笑顔を習慣づける」など。チームビルディングでは、有名な話として、週1日昼のバーベキュー(1時間)の実施です。レシピと買いだしなどそれぞれの役割を、社員自ら場を読み、考え行動する訓練だそうです(毎週と言うのがみそです)。他にも社長との面談、ロハス休暇などいろんな制度を実施しています。そして目指すは、「感謝・感動、感激」の3K(ルール41)。

顧客を創造し、信頼を獲得し、その信頼を維持し続けるためのヒント満載と思う。

FACE BOOKの「蓬台浩明の著者ページ(http://www.facebook.com/hodaihiroaki)」で本の感想コメントを入れたら社員から「いいね」が一杯返ってきました。

京都の企業はなぜ元気?

堀場製作所の堀場厚社長の著になる「京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか(講談社)」と言う本が出版された(2011.10)。そう言えば、堀場製作所、ローム、日本電産、村田製作所、京セラなど京都で生まれ、京都で育った企業は、昨今の製造業に対する逆風の中でも元気である。

以前、ある大先輩(日立出身で同志社大学教授も歴任)から、「京都の企業は、大阪などと違って、本社を京都から東京に移す企業がほとんどないが、その理由は分かるか」と聞かれた事がある。その方の言われる理由は非常に明快で「海外の企業が京都を訪問する際は、社長自らが来たがる。そのため、商談が早い」。そのため、祇園だけではなく、東山連峰の麓にも「一夜一顧客」のような豪勢な接待料亭が数多くあるとか。

堀場氏は、京都は市場規模も小さく、四方を山に囲まれているため、大工場を作る事も出来ない環境の中で育ったことで、独自性、独創性を育てざるを得なかったと言う。その独自性も、業種を横断した横のネットワークを重視し、棲み分けを程よく行ってきた歴史があると言う。西陣織の職人や、茶道の家元、華道の家元も加えて、各経営者がいつでも会える風土を作りだし、切磋琢磨出来るネットワーク環境が独創性を育んでいる。その独創性を継続できるのは、「職人=プロを大事にする風土」が根付いているからと言う。大工場が作れないため、分業制が発達、その分業職業集団の中で、優れた技術を次世代に踏襲して行く、そんな風土が、人財育成にもつながっている。

さらに、京都人の特質として「目に見えないものを重視する」を挙げる。これを企業経営に当てはめると、人財(人材)や技術力、お客様とのリレーション、組織力、ブランド力など目に見えない資産を重視する経営を言う。HORIBA流「人財」の育て方として、基礎・基本をきちんと教える、失敗を経験させる(チャレンジ精神)、目に見えない行動や努力を誉める、本物を教えることを重視している。

HORIBAグループの社是は「おもしろおかしく」。この社是には、人生の一番よい時期を過ごす「会社での日常」を積極的でエキサイティングなものにしてほしいという、前向きな願いが込められています。5年連続で「働きがいのある会社」に選ばれています。

冲中一郎