駕籠(かご)の嫁ぎ先が決まりました!

姫路の家の玄関の梁にぶら下げられていた駕籠の引き取り先がやっと決まりました。同級生が持って帰ってくれ、保存してくれることになりました。この駕籠は、先祖が嫁入りに来た時の駕籠らしく、私の姉(77歳)の記憶でも小さいころから玄関の梁にぶら下げている記憶しかないため、恐らく100年以上前からぶら下げていたのではないかと推測されます。私の祖母が乗ってきたとしたら120年前となりますが祖母だったかどうかも不明です。

これを友人と一緒にゆるりゆるりと降ろしました。ある骨董屋は、降ろそうとすると空中分解してしまうのではと言っていたので心配しましたが、全く大丈夫でした。屋根は埃まみれでしたが、埃を取ると、黒の漆喰塗が出てきました。また中から外に飾る赤い房が4個、真新しい形(保存方法が良かったのか)で出てきました。引き戸を開けると、絵模様のある背もたれと肘掛もあり、畳風の床と共に、座っている姿を彷彿とさせるイメージの部屋でした。

駕籠に関してインターネットで調べてみましたが、ある人の話では、故渡辺美智雄さん(みんなの党の渡辺喜美の父君)にひいお祖母さんの嫁入り駕籠を見せてもらったことがあるそうで、屋根裏に上げて梁に縛りつけてあったそうです。それは、嫁いだ後、実家に帰れないように実家の家紋入りの駕籠を縛りつけてしまうのだそうです。新妻のマイカーでなくて、婚礼の時一回限りに使用する「嫁入り駕籠」と言うと書かれていました。

私が東京に転勤してから実家は空き家が続き、これからの保存もままならぬため、引き取り先を捜していました。古いものは出来るだけ残して、若い人たちに引き継ぎたいと思うのですが、市町村でも保存場所がなく、なかなか古民家同様残すのは難しくなっています。テレビでも時代劇の数が激減し、演出家も俳優も減ってしまうのではと懸念されています。残念ですが、ますます江戸、明治も遠くなります。

若者よ、運動を!

日経2012.1.29の14面コラム「今どき健康学」に「衰えは足腰から、運動習慣を」をテーマとする記事があった。厚労省が策定の21世における国民健康づくり運動「健康日本21」に掲げられている「運動習慣者の目標値:男性39%、女性35%」に対して、60歳代、70歳代は目標をクリアしているが、20歳代から50歳代が軒並み目標以下という結果が出たそうだ(2009調査結果)。特に低いのは20歳代の女性で運動習慣のある人は12%だった。

運動習慣とは「1回30分以上の運動を週2日以上実施し、これを1年間以上継続している」事を言う。江戸川大学の中村雅美教授のコラムだが、身体の衰えは足腰から来て、高齢者の歩く速さが落ちるのは体力や栄養が下がってくるためと言う。人間の場合、身体を動かさないでほっておくと足の筋肉が年間1%ずつ減るそうだ。握力の低下も運動不足の重要なサインと言う。

運動と言うと、汗をかきながらを想像しがちだが、決してそうではない。軽めの運動を継続することが大切。毎日20~30分間歩くだけでも効果があり、階段の上り、下りも良い。掃除や家事も運動になる。

いつだったか、日経夕刊のコラムに日立の川村会長が書かれていたが、毎日7000歩を目標にしておられるとか。足りないときは、社有車でも自宅より前に降ろしてもらって歩かれると言われていた。「健康日本21」では、目標値は男性9200歩、女性8300歩(2009調査実績よりそれぞれ1000歩増加させる)となっている。私も1日7000歩を目標にしているがなかなか厳しいものがある。ついついエスカレータがあれば、乗ってしまう。不足分は「ルームマーチ30分」で補っている。「健康日本21」で言う運動習慣者には合格だ。

アフリカでの研修はいかが?

アメリカではグローバル人材育成のために、アフリカのような新興国に人を派遣する取り組みが注目を集めているそうだ。なぜ?これから多くの企業にとって市場となる新興国では、これまでのような先進国のやり方を押しつけて行く方法は通用せず、その国の文化や価値観を肌感覚で理解し、現地の人びとを巻き込みながら新たな価値を創っていくことが必要となる。それには「新興国の社会に深く根をおろしているNPOに入り込み、現地の人々と同じ目線で働く経験を社員に積ませるのが一番近道」ということらしい。日本でもそのような企業の人材育成に取り組んでいるNPO法人がある。クロスフィールド代表理事の小沼さんが「生産性新聞(日本生産性本部出版)2012.1.25号」に「日本をひらく」というコラムで上記のことを紹介されている。クロスフィールドでは、企業の人材を新興国のNPOへと派遣し、そこで数カ月に渡って本業のスキルを活かして現地の社会問題解決に挑むプログラムを提供している。先進国に留まって学ぶ「留学」と違って、途上国に留まって実際に職務にあたるため「留職」と呼んでいる。

朝日新聞の「仕事力」(2012.1.29)のコラムに、藤原和博氏(最新刊に「坂の上の坂」がある)の記事がある。アメリカの若者が選ぶ多様な体験を仲介するNPO組織であるティーチ・フォー・アメリカが人気を博しているそうだ。この組織は、大学を卒業して就職が内定した若い人を対象に、その企業の承諾を得て、2年間ほど最貧地帯の子どもたちを教えるプロジェクトに参加させてくれるそうだ。エリートたちに、多様性と一番厳しい現実を体験させて彼らの成長を促す(残念ながら日本では教員資格がないと海外でも教育につけないそうだ)。藤原氏は「目の前を歩いている先輩はもうあなたのロールモデルではない。親や先生が唱える安全便利な人生ではなく、自分自身が夢中になれることを選んでグッとくる場所に飛び込んでしまう。霧の中でも晴れるまで待たず、とりあえずゴルフボールを打ってしまえ!」と若者に呼びかける。

先述の小沼氏は「日本企業は既存ビジネスの延長線上だけではやっていけない。瑞々しい感性を持った若手が新興国の未知なる世界へと入り込み、時代を切り拓く変革の種を見つけることなくしては、日本の未来はない」と言い切る。一考する価値はあると思う。若者よ、頑張れ!

冲中一郎