世界一のサービスマン宮崎辰に習う!

昨夜NHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」を久しぶりに見た。タイトルが「世界一のサービスマン」とのタイトルに惹かれての事だ。案の定、サービスに賭けるプロの男の神髄を見た。下記に、NHKのインターネット記事からも引用しながら紹介する。

昨年の世界大会で日本人初の優勝を果たし、“世界一”のサービスマンと賞賛される宮崎辰(36歳)。三つ星フレンチレストラン(恵比寿ガーデンプレイスにあるシャトーレストラン ジョエル・ロブション)を舞台に、感動の瞬間を演出するサービスの極意に迫ったもの。サービスマンは、本場フランスではシェフと肩を並べる高度な技能を求められる専門職で、「メートル・ドテル」と称される。宮崎は、メートル・ドテルの腕を競う世界大会で、日本人初の世界一となった。日本ではソムリエやシェフの重要性は認められている一方、給仕のサービスはほとんど認識されていない。だが、良い給仕は客がくつろいで食事を楽しめるよう最大の努力を払っており、シェフの料理以上に果たす役割は大きいのだという。

お客様の気持ちの先を読む

番組では宮崎の「極上のおもてなし」の作法を紹介する。客のちょっとした表情や仕草(しぐさ)から、客がこれから何を求めようとしているのかを先回りして見極め、接客のベストのタイミングを判断している。たとえば、客がメニューを読む目線の位置に注目して、注文をとりにいくタイミングを読む。そして、客の食べるペースや会話の盛り上がり具合などを考慮して、次の料理を作り出すベストのタイミングをシェフに伝える。しかも、こうした気遣いを同時に何組もの客を相手にやってのけるのだ。

お客さまと心を開きあう

宮崎は、客の心の内を少しでも理解しようと話しかけ、同時に自らのことも素直に話し、互いに「心を、開き合う」ことを目指す。そのように関係を育んだ客との間には、宮崎が理想とするリラックスしたサービスが実現するという。1月、宮崎に一本の電話がかかってきた。彼女の誕生日にプロポーズをしたいという会った事も無い29歳の男性から。事前に念入りに計画をし、当日の気配に合わせた演出で見事、男性の人生をかけたプロポーズを成功させた。

100%ではダメだ

最高級の料理や飲み物、設備を提供することで、100%の満足は実現できて当たり前。あらゆる手だてを駆使して極上の空間を演出し、100%以上の満足を追求していくことが、サービスマンにとってもっとも大切だと宮崎は考える。

宮崎が言うプロフェッショナルとは、

目標とか夢を達成するために、身も心も削って、過去を顧みず常に前進するような人。自分が出来るんだと思ったらプロフェッショナルを辞めるとき。

そして、サービスについて

接客とは愛です。お客さんが自分を活かしてくれる、お客さんがいるから自分が生きられる。だから、生きていく上でお客さんに尽くすことが自分の使命だ

と言う。宮崎の接客を求めて多くの客が来ると言う。

第12回経営者サロン(http://jasipa.jp/blog-entry/8594)のテーマ「お客さま第一」を実現するサービスには限界がない。常に「お客さま」サービスを追求する姿勢が、お客様を呼ぶことになる。宮崎氏の姿勢は、サービス競争時代を迎えるIT業界にとってもヒントになることが多い。

新入社員の夢と希望を育てる職場に!

今日から新年度が始まった。アベノミクスで、世の中の気分は、明るくなってきた。「3本の矢」に対する期待先行を、期待通りの成果に如何に結び付けられるか、日本の将来にとって重要な年度だ。経済が成長し、給与があがり、消費も伸び、雇用も拡大する、この循環をぜひ達成してほしい。

今朝の日経1面コラム「春秋」に入社式を迎える新入社員について触れている。貴重な若い戦力が、夢を持って入ってきても半年後には夢や希望を失うという現実に警鐘を鳴らす。今年の成人式の日の日経記事を紹介したブログ(http://jasipa.jp/blog-entry/8390)にも書いたが、「入社した会社に一生勤めたい」と言う人が春は6割、秋は3割と半年で半減していると言う(日本生産性本部による調査結果)。「仕事を通じてかなえたい夢があるか」の問いには、春が7割を超えたが、秋は5割そこそこに減る。ここ数年、この格差が広がっているそうだ。

近くのスーパーマーケットでパートとして働き始め、3年後に店長となり、「働く喜び」を軸にした人材育成を行うことで、来客数を3倍、売上も3倍にし、今は中小企業の組織活性化のコンサルタントをしている中昌子氏が『社員もパートもみずから動き出す「心の報酬」の与え方』(阪急コミュニケーションズ、2013.2.14)を出版された。中氏は、顧客も、従業員も、経営者も、皆が満足を得ながら成長する会社の「幸せサイクル」を定義する。

「経営者」が働きがいのある職場づくりをする
「従業員」はやりがいを感じ質の高い仕事をする
「顧客」は満足し、
会社は業績を伸ばし、働き甲斐のある職場づくりを推進する

そして、「金銭的な報酬」が十分でも、「心の報酬」が欠けていると「働き甲斐」を感じることが出来ない。「心の報酬」を得るには、

  • 「役立ち感」
  • 「成長感」
  • 「絆・連帯感」

の3つが必要と言う。

今年の新入社員を含め、若い人たちが「ワクワク感」を持って働ける職場にすることが、企業成長の必須要件と思うが、組織全体で、思うように動けているだろうか?人口減社会到来必至の中で、女性の登用などの課題も含めて、非常に重要な経営課題と言えるのではなかろうか。

公開ブログをはじめて2年、読者の方に感謝!

JASIPAの特別顧問を拝命したのが、2011年4月。中小ITベンダーが集まる特定非営利活動法人であるが、会費だけで運営しているため、会員数の増加がキーファクターだ。何とか、会員企業に「参加してよかった」と言ってもらえる法人にするため、微力ながら応援したいとの気持ちで引き受けた。その時、誘ってくださった方が、前職NSDで社員向けのブログをやっていることをご存じで、JASIPA社長ブログへの投稿を薦められ気楽に引き受けてしまい、今に至ることになった。最初、初めてのブログ公開と言う事もあって、きばって頻度を増やしたのが運のつき。次第にアクセス数が増え、昔の部下などからも「ブログ見ています」との話を聞かされると、嬉しさと同時に、一種のプレッシャーも感じるようになり、「2日に一回以上は発信」を自己管理目標とするようになった。結果として、この2年で394件の投稿実績となり、かろうじて目標を達成できた。これも、飽きずに見てくださり、コメントを返して下さる皆さん方のお蔭と感謝申し上げたい。

しかし、このような頻度で書くことを自分に義務付けると、日々テーマ探しのためのアンテナを常に掲げておくことにもなり、頭の中からブログの事が離れない。新聞を読むにしても、本を読むにしても、テレビを見るにしても、外を歩いていても(これはFBのネタかも知れない)、愛読して下さる皆さんにとって意味あることはないかを考えている自分に気付く。その意味では、日々緊張感を持って過ごすことになり、自分自身にとってもこれまでにない勉強が出来ているように思う。最近の記事には、過去の記事へのリンクが多くなってきたが、どうしても自分の主張したいテーマ(例えば、「顧客満足度」や「社員満足度」、そのための「組織・風土改革」や「自己改革」など)に沿っての話題提供になるため、ここまで記事が溜まってくると、お互いの関連が増え、リンクを張って、その関連を明示することが多くなってきた。過去に紹介したこと(例えば企業紹介)が、新たな記事として新聞などに掲載されると嬉しいものだ(http://jasipa.jp/blog-entry/8569)。また、本を紹介した際、その著者からコメントバックが返ってきて驚くとともに感動した貴重な経験もした(http://jasipa.jp/blog-entry/7270)。ブログは新たな感動や気付きを与えてくれる。

4月からもJASIPAの特別顧問を続けさせていただくことになり、ブログも続けさせていただくつもりだが、頻度へのこだわりを少し緩めさせていただき、まさに「気ままに」やらせて頂ければと思っている。私ごとで恐縮だが、元気なうちに家内との旅行を楽しんだり、長編小説をゆっくり読んだり、ベランダ栽培や囲碁などの趣味にも力を入れたいと思っている。これまでの先輩・後輩・同僚との絆、新たな出会いも大切にしながら、JASIPAを通じて社会との関係も維持できればと思っている。

これまでの皆さんのご愛読に感謝をしつつ、これからも、当ブログに対するご支援、ご指導をよろしくお願いしたい。

冲中一郎