新入社員の夢と希望を育てる職場に!

今日から新年度が始まった。アベノミクスで、世の中の気分は、明るくなってきた。「3本の矢」に対する期待先行を、期待通りの成果に如何に結び付けられるか、日本の将来にとって重要な年度だ。経済が成長し、給与があがり、消費も伸び、雇用も拡大する、この循環をぜひ達成してほしい。

今朝の日経1面コラム「春秋」に入社式を迎える新入社員について触れている。貴重な若い戦力が、夢を持って入ってきても半年後には夢や希望を失うという現実に警鐘を鳴らす。今年の成人式の日の日経記事を紹介したブログ(http://jasipa.jp/blog-entry/8390)にも書いたが、「入社した会社に一生勤めたい」と言う人が春は6割、秋は3割と半年で半減していると言う(日本生産性本部による調査結果)。「仕事を通じてかなえたい夢があるか」の問いには、春が7割を超えたが、秋は5割そこそこに減る。ここ数年、この格差が広がっているそうだ。

近くのスーパーマーケットでパートとして働き始め、3年後に店長となり、「働く喜び」を軸にした人材育成を行うことで、来客数を3倍、売上も3倍にし、今は中小企業の組織活性化のコンサルタントをしている中昌子氏が『社員もパートもみずから動き出す「心の報酬」の与え方』(阪急コミュニケーションズ、2013.2.14)を出版された。中氏は、顧客も、従業員も、経営者も、皆が満足を得ながら成長する会社の「幸せサイクル」を定義する。

「経営者」が働きがいのある職場づくりをする
「従業員」はやりがいを感じ質の高い仕事をする
「顧客」は満足し、
会社は業績を伸ばし、働き甲斐のある職場づくりを推進する

そして、「金銭的な報酬」が十分でも、「心の報酬」が欠けていると「働き甲斐」を感じることが出来ない。「心の報酬」を得るには、

  • 「役立ち感」
  • 「成長感」
  • 「絆・連帯感」

の3つが必要と言う。

今年の新入社員を含め、若い人たちが「ワクワク感」を持って働ける職場にすることが、企業成長の必須要件と思うが、組織全体で、思うように動けているだろうか?人口減社会到来必至の中で、女性の登用などの課題も含めて、非常に重要な経営課題と言えるのではなかろうか。

公開ブログをはじめて2年、読者の方に感謝!

JASIPAの特別顧問を拝命したのが、2011年4月。中小ITベンダーが集まる特定非営利活動法人であるが、会費だけで運営しているため、会員数の増加がキーファクターだ。何とか、会員企業に「参加してよかった」と言ってもらえる法人にするため、微力ながら応援したいとの気持ちで引き受けた。その時、誘ってくださった方が、前職NSDで社員向けのブログをやっていることをご存じで、JASIPA社長ブログへの投稿を薦められ気楽に引き受けてしまい、今に至ることになった。最初、初めてのブログ公開と言う事もあって、きばって頻度を増やしたのが運のつき。次第にアクセス数が増え、昔の部下などからも「ブログ見ています」との話を聞かされると、嬉しさと同時に、一種のプレッシャーも感じるようになり、「2日に一回以上は発信」を自己管理目標とするようになった。結果として、この2年で394件の投稿実績となり、かろうじて目標を達成できた。これも、飽きずに見てくださり、コメントを返して下さる皆さん方のお蔭と感謝申し上げたい。

しかし、このような頻度で書くことを自分に義務付けると、日々テーマ探しのためのアンテナを常に掲げておくことにもなり、頭の中からブログの事が離れない。新聞を読むにしても、本を読むにしても、テレビを見るにしても、外を歩いていても(これはFBのネタかも知れない)、愛読して下さる皆さんにとって意味あることはないかを考えている自分に気付く。その意味では、日々緊張感を持って過ごすことになり、自分自身にとってもこれまでにない勉強が出来ているように思う。最近の記事には、過去の記事へのリンクが多くなってきたが、どうしても自分の主張したいテーマ(例えば、「顧客満足度」や「社員満足度」、そのための「組織・風土改革」や「自己改革」など)に沿っての話題提供になるため、ここまで記事が溜まってくると、お互いの関連が増え、リンクを張って、その関連を明示することが多くなってきた。過去に紹介したこと(例えば企業紹介)が、新たな記事として新聞などに掲載されると嬉しいものだ(http://jasipa.jp/blog-entry/8569)。また、本を紹介した際、その著者からコメントバックが返ってきて驚くとともに感動した貴重な経験もした(http://jasipa.jp/blog-entry/7270)。ブログは新たな感動や気付きを与えてくれる。

4月からもJASIPAの特別顧問を続けさせていただくことになり、ブログも続けさせていただくつもりだが、頻度へのこだわりを少し緩めさせていただき、まさに「気ままに」やらせて頂ければと思っている。私ごとで恐縮だが、元気なうちに家内との旅行を楽しんだり、長編小説をゆっくり読んだり、ベランダ栽培や囲碁などの趣味にも力を入れたいと思っている。これまでの先輩・後輩・同僚との絆、新たな出会いも大切にしながら、JASIPAを通じて社会との関係も維持できればと思っている。

これまでの皆さんのご愛読に感謝をしつつ、これからも、当ブログに対するご支援、ご指導をよろしくお願いしたい。

第12回JASIPA経営者サロン実施(28日)

昨年4月から始めた「JASIPA経営者サロン」も12回目を迎えることが出来た。林研修委員長はじめ理事の皆さん方のご協力、忙しい中お時間を割いてご出席いただいた会員の皆さんのご支援のお蔭と心より感謝申し上げたい。欲を言えば、もう少し参加者の広がりが欲しいと思うが、来年度以降、内容を工夫・充実させながら会員の皆様のご期待に沿えるよう頑張りたい。

さて、第12回経営者サロンは、年度末の多忙な時期と重なったせいか、2人のドタキャンもあったが、8名のご参加を頂いた。今回は、私の方から㈱小宮コンサルタンツの小宮一慶社長著作の『社長のための「お客さま第一」の会社のつくり方(2003.1.31刊)』の紹介と、意見交換会を行った。これまでの経営サロンでも何回か議論させて頂いている「顧客満足度」、「お客さま第一」の考え方に関して、小宮氏の豊富なコンサル経験に基づく「お客さま第一」の社風・風土創りをテーマにさせて頂いた。

「お客さま第一」を言葉は違っても企業理念や、会社の方針で掲げている企業は多い。しかし、小宮氏は「真にお客さま視点での商品開発、サービス」になっているか疑問視する。「お客さま第一」と言いながら、内部では「売上至上主義、利益至上主義」管理を第一義にしている。お客様の声を聴くよりも、内部管理に時間をとられる。一人でもお客さまの信頼を裏切る行為があれば、そのお客さまだけではなく多くのお客さまとの取引がなくなる危険性もある中で、如何に日常的に「お客さま第一の風土」を創っていくか。小宮氏は、「電話は3コール以内で取る」「笑顔で挨拶する」「お客様が帰られるときは玄関先までお見送りする」など小さな行動から徹底することを薦める。しかも、経営者が率先して、小さな行動を実践ずる。もちろん、経営トップが、信念を持って「お客様第一」の考え方を社員に納得させる努力をしなければならない。お客様の案件をバーストさせることなどもってのほかだ。

小宮氏は、クレーム対応で会社の価値が決まるとも言う。クレーム対応の3原則として、「直ちに対応する」「上司に報告する」「自分が思っているより100倍大変なことと思って対応する」を挙げる。クレームの重要性を自分で判断するのはもってのほか。プロジェクトの中だけで対応させる(責任を取らせる)ことを基本にするのもダメ。組織全体で精一杯の対応をすることで、クレームをチャンスと出来る。

ほとんどの企業で、「真のお客さま第一の風土」が出来ていないとすると、他社との差別化になる。議論の中でも「会社全体を変えるのは難しい」との意見も出たが、だからこそ、早く取り組み、いち早く風土を創り上げた企業は、お客様の信頼を絶対的なものにできる。JASIPA会員のような中小規模の方がやりやすいとも言える。大規模企業ではより難しい。自動ドアの設置、保守を行っている神奈川ナプコは、毎月の行動計画表に、売り上げ目標ではなく、お客さま第一の行動目標を書かせ、フォローする制度がある。自動ドアの保守を終えた後、周辺の掃除を行うのは当たり前。迅速な行動と丁寧な対応でお客様に感動を与え、お客様が広告塔になってくれていると言う。

後半の意見交換会でも、活発な意見交換が出来た。これからも「お客さま第一」を言い続けたい。

冲中一郎