あけましておめでとうございます

今年も雲一つない清々しい天気の中、新年を迎えることが出来ました。しかし、年末年始の寒波襲来で、北日本の方々は、大雪で大変な年越しだったと思います。くれぐれも雪下ろしや車の運転は慎重に、ご留意頂ければと存じます。

国民教育の師父と謳われた森信三氏366の金言を収録した『森信三一日一語』の1月1日の言葉は、

「人生二度なし」(これ人生における最大最深の真理なり)

この言葉は、2011年暮れに当ブログでも紹介した(http://jasipa.jp/blog-entry/7128)。「修身教授録」の中の文言では「そもそもこの世の中のことというものは、大抵のことは多少の例外があるものですが、この『人生二度なし』という真理のみは、古来只一つの例外すらないのです。しかしながら、この明白な事実に対して、諸君たちは、果たしてどの程度に感じているでしょうか。 すなわち自分のこの命が、今後五十年くらいたてば、永久に消え去って、再び取り返し得ないという事実に対して、諸君たちは、果たしてどれほどの認識と覚悟とを持っていると言えますか。諸君たちが、この『人生二度なし』という言葉に対して深く驚かないのは、要するに、無意識のうちに自分だけはその例外としているからではないでしょうか。 要するにこのことは、諸君たちが自分の生命に対して、真に深く思いを致していない何よりの証拠だと言えましょう。 すなわち諸君らが二度とない人生をこの人の世にうけながら、それに対して、深い愛惜尊重の念を持たない点に基因すると思うわけです。」とある。

大坂天王寺師範学校での講義録だが、20歳の学生に対して、「今こそここに志を立てよ」、そして「その精神が死後にもその余韻が残るような人間になって欲しい」と言っている。1月1日の言葉として登場する編者(寺田一清)の意図は明白だ。自分の人生を振り返っても、「1年の計は元旦にあり」とのことわざがあるが、気持ちも新たにこれからの行く末を考え、「人生二度なし」という自分の人生をどう生きるか、真剣に考えるべきだったと反省する事ばかりだ。「もっと外国語をやっておけばよかった」「もっと日本の歴史・文化を勉強しておけばよかった」「もっと経営に対して興味を持って勉強しておけば・・・」などなど。しかし、今からでも遅くない!「自分の意味ある生き方」をもっともっと追究していきたい。そんな思いを新年を迎えて新たにしている。

JASIPAも、これからますます国際的にも激しくなる競争社会の中で、その存在価値を如何に出していくかが問われる。IT業界でも、「お客様の視点でソリューションを提供できる」お客様にとっての付加価値競争が激化することは間違いない。その中で中小IT企業の集まりであるJASIPAの存在価値は何か?大企業必ずしも規模の論理のみで強みになり得ないと私は思っている。中小企業こそが、組織として真のお客様のパートナーになりうる可能性は大きいと思う(社長以下組織全体が素直にお客様視点で動ける)。これからの将来、JASIPAに集う中小企業が、うまくアライアンスを組んでそれぞれの強みを持ってコラボレートすることが、真にお客様に寄り添って、お客様のための問題解決に資することが出来るのではないだろうか。

こんな議論を、JASIPAの中でもしたいなと思う。個人の志も必要だが、企業としての志(企業理念)、企業の集まりであるJASIPAの志(基本方針)も、それぞれが社会的存在意義を果たすためにもしっかり議論すべき事だと考える。

本年もJASIPAにとって、JASIPAの会員企業にとって飛躍の年になることを祈念しています。本年もよろしくお願いいたします。頑張りましょう。

今年もブログご愛読ありがとうございました

年を取ると老い先が短くなるためか、日が経つのが早く感じます。今年も残すは1日です。今年は世界的にも大きな変化がありました。日本では、昨年末の政権交代で安倍政権になり、「3本の矢」を威勢よく打ち出し、その期待感から、円安・株高をもたらし、世の中の暗い雰囲気が、明るくなったのは大きな変化でした。「脱デフレ」で企業の景気浮揚、そして賃金UPで消費活性化し、企業が潤う「良い循環」に対する期待感でスタートした年でした。しかし、最初の「何でも世界一の国へ」と説いた威勢の良かった安倍総理のリーダーシップにも陰りが感じられ、来年度の予算編成も、編成前の「これぞ安倍政権と言われる予算を作る」との思いが、族議員にあちこちで押し切られ、財政再建と経済成長の両立があやしい予算となってしまいました。あの竹中平蔵氏が、「2014年は、アベノミクスをさらに推し進めていくという意思表示の年になるか、完全に息切れしてしまうか。厳しい分かれ目になると思う。 つまり、アベノミクスはゴールドなのか、それともただのメッキだったのかということが問われていく。」と語っています。(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20131225/378279/?ml)。来年こそは「岩盤のように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと、強い刃が必要だ。自分はそのドリルの刃になる。電力、農業、医療分野で規制改革を進め、経済の活力を引き出す。速やかに実行する。」との当初の強い思いを、ぜひとも安倍総理の強いリーダーシップで実現させてほしいものです。最近、強気の発言とは裏腹に「言行不一致」が目立ち始めましたが、来年こそは成長戦略の成果が問われるとき、「言行一致」を切に望みたいと思います。

今年のJASIPAは、例年になく特に意義深い年だったと思います。すなわち、

  • 若手理事の皆さんの参加もあり理事会や委員会活動が活発になったこと、
  • また当初の方針通り、関西との連携や東北での活動が各段に進んだこと、
  • そして会員数増加の勢いが出てきたこと

など、私がお手伝いした3年近い期間を見ても、最もJASIPAらしさが出せた年であったと思います。これからのJASIPAのさらなる発展、そして会員の皆さんのご期待にそえるJASIPAへと期待を膨らませる年で有ったと思います。この勢いをすれば来年の目標は、「会員数100」でも達成できるのではないかと思います。これも和知理事長を筆頭に、各理事の皆さん、そして会員の皆様のご協力とご努力のお陰と敬意を表したいと思います。

私ごとでは、あまり変化がない生活でしたが、

  • 夫婦で念願のヨーロッパ旅行が出来た事(中欧―5月、と南ドイツー10月)
  • 二人目の孫、それも初めての女の子が誕生したこと(8月)
  • スポーツジム通いが継続できたこと(今年は199回、月平均16.6回―昨年18回よりペースダウン)
  • ブログが継続できたこと(今年169回、月平均14.1回―昨年の16.3回よりペースダウン)
  • 昔の絆を温める会に数多く参加できたこと(OB会、飲み会やゴルフなど週1回平均)
  • 依頼を受けての講演がこなせたこと(古巣やJASIPA関連など8回ほど)

など、充実した日々を送ることが出来ました。特にブログに関しては、そのアクセス数が昨年10月に初めて2万件を超えましたが、今年11月に4.4万件を超えるまでになりました。これほど多くの方に読んで頂いていることを思うと、「もっとお役にたてる記事を」と緊張感をもって日々をおくらせて頂いています。

来る年も、皆さんおよびご家族にとって良い年でありますよう祈念しつつ、私ももっと行動範囲が広がるように頑張りたいと思います。ほんとに今年はありがとうございました。来年も宜しくお願いいたします。

部下の声がリーダー育てる

標題は、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル日本のロバート・サイデル社長が、2013.112.16日経夕刊の「NIPPON ビジネス戦記」に投稿されている記事のタイトルだ。該社では、「毎年社員意識調査を実施し、部下に直属の上司のリーダーシップについて聞いている」とある。例えば人材育成に関し「部下の成長に積極的に関与しているか」、リーダーとしての技能では「自分の能力を最大限に引き出してくれるか」と言った点を尋ねるそうだ。「上司を他人に良いリーダーとして推薦できるか」と言う質問まである。調査結果は直接的には人事や給与などに反映しないが、原則これらの意見はすべての上司に伝わる。上司は結果を踏まえてリーダーシップをどう高めるか計画を策定し、定期的に直属の上司と達成状況を点検する義務を負わせている。

この調査の目的は、部下の評価を得ることでもなく、上司が部下に好かれる手段を考えるためでもない。自身の姿を客観的にみつめることで、さらに優れたリーダーとして成長するために何が必要かを多面的に考えるためとロバート氏は言う。

12.15の当ブログで紹介した「ガリガリ君の赤城乳業(http://jasipa.jp/blog-entry/9224)」の記事に「部下が上司を評価する仕組み」があると書いた。赤城乳業での上司評価シートには、コミュニケーションの程度、方針や指示の明確さ、支援や助言の程度など、約20の質問項目が記載されている。質問項目の最後は「あなたの上司を評価すると?」という極めてストレートな質問があるそうだ。選択肢は下記。

  • S:尊敬している。自分自身の目標の人物である
  • A:尊敬している。仕事にやりがいを感じさせてくれる
  • B:学ぶ点は多いが物足りなさがある
  • C:あまり期待していない
  • D:早くこの上司から離れたい

部下による上司評価は、上司に緊張感を与え、部下に見られているという緊張感を持ち、より積極的に部下を育て、支援するようになると言う。

「トヨタの育て方(http://jasipa.jp/blog-entry/9238)」の記事の中で「評価基準は成果プラス人望」との言葉があるが、これも部下からの信頼感を言っている。

「中間管理職(部長、課長クラス)や、リーダークラスの成長如何が、会社の帰趨を握る」と、多くの人が言い、かつ多くの会社がその育成に大きな悩みを持っていると思われるが、上記の会社の施策も参考になるのではと思われる。

冲中一郎