二度とない人生だから(坂村真民)

以前ブログで「人生二度なし(森信三)(http://jasipa.jp/blog-entry/7128)」を紹介した。「そもそもこの世の中のことというものは、大低のことは多少の例外があるものですが、この『人生二度なし』という真理のみは、古来只一つの例外すらないのです。しかしながら、この明白な事実に対して、諸君たちは、果たしてどの程度に感じているでしょうか。 すなわち自分のこの命が、今後五十年くらいたてば、永久に消え去って、再び取り返し得ないという事実に対して、諸君たちは、果たしてどれほどの認識と覚悟とを持っていると言えますか。諸君たちが、この『人生二度なし』という言葉に対して深く驚かないのは、要するに、無意識のうちに自分だけはその例外としているからではないでしょうか。 要するにこのことは、諸君たちが自分の生命に対して、真に深く思いを致していない何よりの証拠だと言えましょう。 すなわち諸君らが二度とない人生をこの人の世にうけながら、それに対して、深い愛惜尊重の念を持たない点に起因すると思うわけです。」

同じように坂村真民の下記詩【二度とない人生だから】にも感銘を受けた。

二度とない人生だから/一輪の花にも/無限の愛を/そそいでゆこう/一羽の鳥の声にも/無心の耳を/かたむけてゆこう
二度とない人生だから/一匹のこおろぎでも/ふみころさないように/こころしてゆこう/どんなにか/よろこぶことだろう
二度とない人生だから/一ぺんでも多く/便りをしよう/返事は必ず/書くことにしよう
二度とない人生だから/まず一番身近な者たちに/できるだけのことをしよう/貧しいけれど/こころ豊かに接してゆこう
二度とない人生だから/つゆくさのつゆにも/めぐりあいのふしぎを思い/足をとどめてみつめてゆこう
二度とない人生だから/のぼる日 しずむ日/まるい月 かけてゆく月/四季それぞれの/星々の光にふれて/わがこころを/あらいきよめてゆこう
二度とない人生だから/戦争のない世の/実現に努力し/そういう詩を/一遍でも多く/作ってゆこう/わたしが死んだら/あとをついでくれる/若い人たちのために/この大願を/書きつづけてゆこう

相田みつをが結婚式の最後に新郎新婦への餞としてよく読んだのが、上記「二度とない人生だから」。その当時はまだ坂村真民も知られていない時だったが、「四国にこういう素晴らしい詩人がいて、自分は尊敬申し上げている。その方の詩の中から若いお二人に贈りたい」と言って朗々と暗唱したとの事(相田みつを氏長男の相田一人氏談―「致知2014.4」より)。

「折角、生を受けた人生だから、楽しまなきゃ」との精神で、一日一日を大事に生きていく。大きな目標を持って、挑戦するのもいい。小さな目標で、些細なことにも感動出来る日々を過ごすのもいい。これまで余裕のない日々を送っていた時は気付かなかったが、道端にも感動材料は一杯ある。沈丁花の香りに誘われて外に出て見れば、春を迎えて歩く人々の顔にも明るさが戻ってきている。自然と自分の心もウキウキしてくる。ともかく、「二度とない人生」を思いながら、今を精一杯生きることを常に意識したい。

我が家のベランダ(早春編)

昨年の今日は既に桜が開花していたそうです。今年は靖国神社の標本木の桜はまだつぼみのようで開花までにはあと10日少しかかりそうだとの事です。しかし、今日くらいからやっと春らしい気温になりますね。横の緑道公園でも、早咲きの桜が3分咲きとなっています。

我が家のベランダ、4か月ぶりのブログですが、気温の上昇に伴い、ビオラなどいろんな花が元気を出してきたようです。最初は、花の全体像です。最前列に’リナリア‘がピンク、黄色、白の花をつけ、その後ろに’ネメシア‘がひっそりと紫、白の花を咲かせています。左側の4つの鉢には、ますます花の数が増えてきたビオラの花が。次の写真では、少し奥に歩を進めて、先ほどのビオラの鉢の向こうの台上にレースラベンダーやメネシアの寄せ植えの二つの鉢があり、ミニシクラメンの花が色を添えています。3枚目以降は、個別に、リナリア、ミニシクラメン、メネシア、ビオラ、そしてレースラベンダーとネメシアの寄せ植えの姿を写しています。

別のベランダには、‘ひなげし’が咲きほこっています。バラは年中咲きますね。そしていつも5月になったら一面の花で埋め尽くしてくれるペラルゴニウムの一団が、今はひっそりベランダの隅で登場を待っています。5月が待ち遠しいです。

今年の冬を越した野菜は、春菊と絹さやえんどう、スナップえんどうです。スナップえんどうが昨年より早く実をつけ、既に1回採取し、夕食を飾ってくれました。春菊もこの寒さで昨年に比して成長は今ひとつでしたが、今冬も鍋物に何度か色を添えてくれました。

2月14~15日の東京大雪の日のベランダの一コマです。

コーヒーで病気を防ぐ

国内外でいろんな先生方が、コーヒーに関して研究されているそうだ。東京薬科大学名誉教授の岡希太郎氏も、臨床薬理学を専門とされていたが、定年3年前にある論文がきっかけでコーヒーと病気の関係に興味を持ち、爾来10年自らのライフワークとしてコーヒー研究を行っておられる。金沢大学でコーヒー学講座も受け持っておられる。以下「致知2014.4」の連載記事「大自然と体心」第134回「コーヒーで病期を防ぐ~身近な嗜好品で健康づくりに役立てよう」より。

まず、最初の教えは、「深煎り豆と浅煎り豆をブレンド」するのが、健康効果を高めると。コーヒー豆の成分で、病気予防の効き目に関係することが明らかになっているのは、カフェイン、クロロゲン酸、ニコチン酸(ビタミンB3)、NMPの四つ。’’カフェイン’’は、最近の研究では、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経病、そしてガン全般に効果があることが明らかになっているそうだ。そして抗酸化作用や、糖分の吸収を遅くして食後の急激な血糖の上昇を抑える作用や、副交感神経を刺激して血圧を下げる作用、肝臓や筋肉での遊離脂肪酸の分解促進などの作用を有するクロロゲン酸は、熱に弱いため浅煎り豆がその分解を防ぐことで有効だと言う。浅煎り豆では得られないのがニコチン酸とNMP。その効用を次のように言われている。「’’ニコチン酸’’は高脂血症の治療薬にもなっていて、ストレスから起こる脂肪組織からの遊離脂肪酸の流出を抑える働きがある。また血管壁を保護したり、血小板の活性化を抑えて血液を固まりにくくする作用も持っている。’’NMP’’は副交感神経を刺激して気分を和らげ、大腸の蠕動運動を亢進させたり、血圧を下げたりする。また強い抗酸化作用があって、発がん性物質の解毒にも寄与する。」と。

岡先生は、上記効用を発揮するためのコーヒーの飲み方を提言されている。

1.浅煎り豆と深煎り豆を1:1にブレンドしたコーヒーを10グラム用意する。
2.布または紙にフィルターに入れ、90℃以下のお湯でゆっくり抽出する。
3.最初に出てくる50CCを飲む。

煎り方レベルは8段階に分かれており、浅煎り豆は3番目のミディアムロースト、深煎り豆は6番目のフルシティか7番目のフレンチローストを勧めておられる。また1日に飲む量は4杯程度を限度として飲むのがいいといわれる。脳卒中になるリスクとコーヒーの関係調査結果では1杯、2杯と量を増やしていくにつれリスクは下がり、4杯の時に最もリスクは小さくなるとの事だ。飲みすぎると脳卒中に限らず、心臓や血圧などの心血管系の病気にも効果が逆転するので注意が必要だし、妊産婦や子供(小学生)は1日1杯以内に留め、パニック障害の経験者はカフェイン抜きのコーヒーを薦める。

私は毎朝、豆を挽きながら、マグカップ1杯のコーヒーを飲んでいる。早速浅煎り豆と深煎り豆を発注した。老い先短い身ながら、健康には留意したい。

冲中一郎