並はずれたマネージャーになるための80対20の法則とは?

標記題名の本が出版されている。リチャード・コッチ著、高橋裕子訳、阪急コミュニケーションズ、2013.12発行。「80対20の法則」とは、顧客の20%が利益の80%をもたらすなど、ごく少数の出来事が大きな結果をもたらすとの経験則だ。著者は、リーダーとしての日々の仕事をする上でも、この法則を意識して行動できれば大きな成果が挙げられると主張している。私にとっても、「この法則が頭にあれば」と思い当たることは多々ある。

著者が「80対20の法則」をマネージャーの行動に活かす方法として下記のようなことを挙げている。

●「探偵マネージャー」になる:何事にも疑問を持て。例えばすべての顧客が大切だと思うのは幻想。本当に重要なのは主要顧客だけ。
●「メンタリング・マネージャー」になる:5分でいい、適当なタイミングで部下に方向性を示し、力づける。(部下に気持ちよく能力を発揮してもらうためのマネージャーの時間以上に大事な時間はあるだろうか?)
●「自由にやらせるマネージャー」になる:部下に自由にやらせて潜在能力を引き出す。
まる「時間に余裕を持つマネージャー」になる:もっとも価値のある仕事に絞り、他の仕事は無視する。全労働時間の20%以下で富の80%以上を創造している。
「単純化するマネージャー」になる:仕事は単純な方がいい。複雑な仕事はコストがかかる。
●「怠け者マネージャー」になる:自分が最も得意なことに時間を費やす。”怠慢で無能な将校“は害がないので放っておく。”勤勉で有能な将校“は優秀な参謀、”勤勉で無能な将校“はどうでもいい仕事を作りだすので即刻クビ、”怠慢で有能な将校“は最高責任者にふさわしい。

「効率が悪く、会社の利益にもつながらず、ただもくもくと時間を潰しているだけ」、少しオーバーな言い方かもしれないが、自分の、チームの、グループの仕事を振り返ると、思い当たる仕事があるのではなかろうか。「忙しいことは好いことだ」「忙しいと仕事をしている実感がでて満足感がある」「周囲の人は残業して頑張っているのに早く帰るとはけしからん」のような職場の風土から脱して、「会社に貢献できる仕事」に重点的に取り組み、仕事の効率を最大化して、時間に余裕を持てるマネージャーになる。「そんなこと出来るか」というあなた、「80対20の法則」では会社の利益の80%は、社員20%の人により挙げられているとの経験則もあるそうだ。一度「80対20の法則」を素直に認めて、自分の周りの仕事を見つめ直しては如何だろうか。社員をやる気にさせる「メンタリングマネージャー」(信頼関係が基本だが)として、部下への声掛けにも時間をかけて欲しい。

家の前の緑道公園も桜満開です!

30日日曜日に東京は満開宣言(25日開花宣言)でしたが、強風にも負けず今日も亀戸・大島緑道公園は満開です。上から見た桜並木と、下から見上げた桜並木です。大木の桜の下の根っこや幹に、健気に花びらをつけている姿にも感動します。幹の花びらは、枝の花がまだつぼみの時に既に開花していました。

絶対に成功しない条件(人生の大則)

今日は入社式だ。今年も絶好の天気のもと、桜が満開で新社会人スタートの日を祝ってくれている。生産人口が減少傾向にある今後、若い人たちに期待するものは大きい。

今朝の日経新聞社説で「新人の意欲をそがぬ職場に」との記事がある。「今の会社に一生勤めようと思うか」、「仕事を通じて叶えたい夢はあるか」などの設問に対して、春は「Yes」が多くても、秋には春の半分近くまで下がるとの日本生産性本部の調査結果を提示している。「同じ会社に一生居続ける時代でなないとしても、仕事そのものに若者がやる気を失うのは社会の活力をそぐ」とある。如何に新人の意欲を引き出し成長させるか、上司や先輩のきめ細かなコミュニケーションを促している。

致知出版社から「人生の大則」(藤尾秀昭著、金沢翔子書)が3月に出版された。人間学を学ぶ月刊誌「致知」にこれまで幾多の先哲が投稿された記事を参考に、この世に絶対不変の真理を選び出して「人生の岐路に立つ若者の道しるべ」になる事を期待して本にまとめたものだ。その中の1篇を紹介する。「絶対に成功しない条件」だ。

以前、ある経営者に、人生で一番大切なものは何かと尋ねたことがある。その人は「それはじぶんにもわからないが、こういう人は絶対に成功しないと言う条件はある」と答えられ、次の4項目を挙げられた。

一つは言われたことしかしない人、
二つは楽をして仕事をしようとする――そういうことが可能だと思っている人、
三つは続かないという性格を直さない人、
そして四つはすぐに不貞腐れる人である。

省みて、深くうなずけるものがある。

多くの人生の達人が教える人間学のエキスは、いつ、いかなる状態においても、常に精神を爽やかに奮い立たせることの大切さである。精神爽奮。いつも颯爽としている。颯爽とした気分でいること。そこに幸運の女神もほほえんでくるということだろう。新しい年を迎え、時代はいよいよ厳しいが、いや厳しいからこそ、精神爽奮で臨んでいきたいものである。

私も、致知から教わった「精神爽奮」の言葉を以前からいろんな場面で使わせて頂いている(例えばhttp://jasipa.jp/blog-entry/6227)。「どんな仕事でも精一杯やる」こと、「いま、ここ」の重要性についてはいろんな方が言われており、当ブログでも何回か紹介させて頂いている(例えばhttp://jasipa.jp/blog-entry/8353)。新人の皆さんも、上司、先輩のアドバイスを素直に聞きつつ、自らも先哲はじめいろんな人の考え方を学びつつ、自らの日々を有意義で実りあるものにして頂きたい。頑張れ!新人!

冲中一郎