「花まる学習会」に熱い視線が・・・

「平成5年以降、埼玉県や東京都を中心に展開する学習塾・花まる学習会に、いま全国から熱い視線が送られている。他の学習塾とは一線を画す独自の教育法を武器に、逞しい子供たちを育てたいとの一心で懸命に走り続ける高濱正伸代表」。これは「致知2014.8」インタビュー記事「その瞬間を逃さない(花まる学習会代表高濱正伸)」のリード文だ。

現在埼玉県や東京都を中心に、4歳から15歳までの生徒数が約1万7千名にのぼり、どの教室も人気でキャンセル待ちも出ていると言う。そもそも「花まる学習会」を開くことになった経緯を高濱氏は語る。「中堅の予備校の教師をやっている時、試験の点数を挙げることに終始していて、リーダーシップを執る力もなく、生命力も弱い、飯を食えない大人を量産しているのではないかと言うことに気付いた。いてもたってもいられず、33歳の時に設立、自分が子供たちを自律させる教育をやり、公立の学校に影響力を及ぼしていこうと考えたのが発端」と。それでは、高濱代表の目指す教育とは・・・。

10歳目での教育で力を入れているのは、「人間の土台作り」。知識偏重ではなく、子供たちが主体的に考える力を伸ばす教育に力を入れている。例えば、高濱氏が考案したゲームやクイズなどを算数の指導に取り入れ、ほんとに納得いくまで食い下がり、自分で解くことにこだわる「しつこさ」を養成する。

もう一つは「人間関係の力を育てる」こと。今の教育は事なかれ主義で、子供たちにトラブルが起きないように動いている。成功体験はともかく、友達とけんかするなど苦い体験も自立のためにはものすごく大切。その実践の場として野外体験がある。サマースクールでは、魚つかみ、虫取り、夜の探検、滝壺への飛び込みなど、思い切り遊ばせる。こんな遊びの中で、いろんな工夫をし、危険を予知する力も磨く。このような体験で一番伸びるのは人間関係の力と言う。申し込み受付時に考慮するのは、全員が初対面だということ。そしてお母さんには予めトラブルが起こること前提で参加申し込みを受け付けている。泣きながら家に帰ったり、時には怪我をして帰ることも有るが、お母さんからのクレームはこれまでゼロ。講師は、子供たちを眺めていて、子供達の何らかの挙動を捉えたときにどう反応してやるかで、子どもたちの自信につながる。野外体験ではそんな瞬間が数多く起こる。

高濱代表が常日ごろ大事にしているのが母親との関係作りだ。核家族化が進み、お母さんは子供の事に関しても相談する相手もおらず孤独だと高濱氏は言う。イライラの矛先がどうしても子供になってしまう。そこで、お母さんの不安の受け皿になる決意で、お母さん相手に講演会をかなりやっていると言う。其の場で声掛けをすると、お母さんはホッとする。そんなお母さんが花まる学習会を応援してくれる。

今年の春から、佐賀県武雄市と協力して本格的に公立学校の教育に関わることになったそうだ。高濱氏の夢の第一歩だと思うが、先般「子ども・若者白書」について述べた(http://okinaka.jasipa.jp/archives/1310)が、大人になっても飯が食える子供たちの育成に国としても真剣な取り組みが求められる。人口減必至の中で、子どもたちの育成は日本の大きな課題だ。

家内の故郷(磐田)で孫が自然満喫。そして驚きの・・・。

この3連休、家内の父・妹の7回忌で静岡県磐田市へ、家族で行った。亡き妹の家族8人、私の家族8人、息子たちの従弟同士(子供も含めて)が全員集まる機会はめったになく、亡き父・妹にとっても供養になったのではないかと思う。

孫(といってもほとんどが0~2歳て、私の長男の息子が小3で最年長)は、東京の都会では経験できない虫取り、特にカブトムシ取りや、ザリガニ取り、そして花火などに興じ田舎の生活を堪能していた。たまたま、その日にサッカーJ2ジュビロ磐田対東京ヴェルディの試合が磐田スタジアムであり、夜はみんな揃って(14人で)応援に行った(残念ながら1:2で負け)。磐田スタジアムは家から徒歩でも20~30分で行けるところにあり、狭いがサッカー専用スタジアムで、観客席とグラウンドが至近距離にあり、目の前で選手の活躍が見られるため迫力がある。ジュビロは若返りが進まず、往年の選手(駒野、井野波、松井など)主体だったが、やはり駒野選手などのサイドからゴール前への駆け上がりは見ごたえがあった。

今回の磐田市で一番驚いたのは、家での法事を終えて、お寺を訪れた時だ。本堂でお参りを済ませた後の住職との歓談の時、住職がこんなこともやっているのですよと、パンフレットを配られたが、見ると立川晴の輔(旧名志の吉)の独演会のもの(9月23日のお彼岸の時)。立川志の輔門下の真打に昨年12月に昇格した今売出し中の落語家だ(私の長男と同年代)。実は志の吉(志の輔の一番弟子時代)は、前職NSDの食堂で仮設の会場を作って「NSD落語会」を何度か開いていた際の専属落語家だった。私のNSD時代お世話になった檀上さん(晴の輔の本名も檀上)の甥っ子と言う関係で特に配慮して頂き開催していたもの。今でもNSDにはファンが多く、東京駅界隈や三鷹などでの独演会には多くのNSD社員が訪れていると聞く。このお寺は、「医王寺」と言い、天平16年(744)行基菩薩が聖武天皇の勅命を奉じてこの地を訪れ、伽藍を造ったのが医王寺の始まりという由緒あるお寺だ。武田信玄の焼き討ちに会い、徳川家康が再建したとか、いろんな歴史的な史実があるそうだ。独演会当日は重要指定文化財の一つでもある小堀遠州の庭園もライトアップされる。NSDの方は分かってくれると思うが、ピンポイントで独演会が志の吉だったので、正直すごく驚いた。

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このお寺の森の中にカブトムシがいる木があり、そこで孫は6匹捕まえ、近くのホームセンターで用意した駕籠に入れて東京に持ち帰った。

私も小さい頃、夏と言えば近くの山へカブトムシやキリギリスを採りに行ったり、近くの海へ泳ぎに行ったり、懐かしい思い出ばかりだ。今、安倍政権では地方活性化を最重要施策として進めようとしているが、その思い(来年の地方選のため?)はともかく、田舎の里山保全はしっかりやってもらいたい。満天の星空を見て「気持ち悪い」と言う子供がいると聞くが、やはり田舎の自然は子供にとっても大いに意味あるものと思う。

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体で理解する「経営理念」研修

いつも愛読している「PHP Business Review松下幸之助塾2014年7・8月号」のテーマは「理念をきわめる」。その中に「体で理解する経営理念」との体験レポート記事があった。その記事のリード文は下記の通り。

高尚な文言が壁に掲げられながら文字どおり、「絵に描いた餅」になっていたり、毎日会社で唱和しているもののただの呪文になっていたりする経営理念に、なんとかして命を吹き込みたいと願う経営者は多い筈だ。そんな社長必見の、全く新しい研修が開発された。

「運動のできる服装で来てください」との言葉に半信半疑で参加した記者は、終わってみると経営理念と運動と言う異質のものが見事に融合していることに小さな感動を覚えたとある。

兵庫県一円の中小企業に向けて経営コンサルティングをしている㈱クリエイションと、企業・学校向けに体験学習や野外研修を実施している㈲アウトドア・エデュケーショセンターが実施した「体験から学ぶ“経営理念を実現する人材”育成研修」(1日コース)だ。目的は、社員1人ひとりが「わが社に必要な人材(会社の目的・目標を達成する人材)になるために、”自分“がどう行動すべきか、どう振舞うべきなのかを”体験“から学びながら考え抜く」ことだ。

研修スケジュールは3部構成だ。

1.自社の経営理念の理解を深め、とるべき望ましい行動や態度を考える(グループ分けし、それぞれのグループに会長や社長、取締役などが会社の歴史や理念、経営環境などの説明を受け、その後グループをシャッフルして、それぞれの話を各人が説明し、取るべき行動や態度を議論しその結果を発表する)

2.野外活動を通じて、自分自身の現在の基本姿勢や基本能力を把握し、”私“が日常意識すべき課題を見つける

3.最後に「わが社の社員」として必要な人材になるためにどう行動すべきか、南緯が課題なのかを明確にする

特に興味があるのが、2番目の野外研修だ。縦に蜘蛛の巣のように張り巡らされたロープとロープの隙間をロープに触らぬように制限時間内にグループ全員が通り抜ける問題(一度誰かが通った隙間は通れない。上の方の隙間は皆で抱え上げなければ通れない)や、直径5メートルの円の中心に置かれた水の入ったバケツを、長さの異なる3本のロープを使って円の中に入ることなく安全に(水をこぼさずに)円の外に移動させる、島に見立てた箱の間を長さの異なる二枚の板を使って全員が地面に足をつけることなく移動するなどの問題をグループごとに実行する。このような問題を皆で考えるとき、「自分は率先して知恵を出したか?」「声をかけたか?」「仲間の体を支えたか?」、「みんながやってくれるから、自分はやらなくても」と他人任せにしていないか?など、自主性、協調性などがいやというほど思い知らされると言う。もう一つのポイントは、野外研修に入る前に「ふだんあなたはどれだけ本気で物事に取り組んでいますか?」「どれだけ本音で物事を言い合っていますか?」などの行動様式を自己評価し、自らの課題を発表してから野外研修に取り組む。そして後で振り返る時、現実の課題を目前にすると、最初の課題と違った自分に気付く。本気度が足りない、思っていた以上に進んで課題に取り組む、最初に無理だとあきらめてしまう、などなど。

総じて参加者には好評だと言う。会社の進むべき方向を認識し、自分の問題として捉え率先して周囲を巻き込んで行動できる人材を育成する。経営者の悩みの一助となる研修として野外研修が見直されているようだ。

冲中一郎