今日(11月23日)は勤労感謝の日で、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日として戦後(昭和23年)制定されました。元はと言えば、新嘗祭(にいなめさい)と言われた古くからの国家の重要な行事が営まれる日であり、「瑞穂の国」の祭祀を司る最高責任者である大王〔おおきみ〕(天皇)が国民を代表して、農作物の恵みに感謝する式典でした(日本書紀によれば仁徳天皇の四十年には行われていたことになっています)。「新嘗」とはその年収穫された新しい穀物のことをいいます。農業中心の時代、この行事はとても重要な儀式でした。最近、新聞にも掲載されましたが、今上天皇の体調がお悪く、宮内庁は、毎年11月23日に皇居・神嘉殿(しんかでん)で行われる 新嘗祭への天皇陛下(77)のご参加を今年はとりやめる異例の決断をされたようです。板の上に正座2時間という苦行で、陛下も事前に何度も練習されるとか。ご高齢の陛下にとっては厳しすぎると思われます。
日本では、11月3日も戦前は「明治節(明治天皇の誕生日で、明治天皇の偉業を偲び、明治という時代の歴史的意義を心に刻む日)」と呼ばれる日だったのを、戦後「文化の日」に改称しています。今でも反対論議もある2月11日の建国記念の日も、元は紀元節(『日本書紀』にある神武天皇が即位したとされる日に由来する)と言われた日であり、「建国をしのび、国を愛する心を養う」日として制定されています。
日本の過去の伝統文化を捨てさせるというGHQの占領政策なのか、祝日の名称は変わりましたが、万世一系、1500年もの長い間、王朝交代もなく続いてきた世界唯一の国の文化・伝統に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。