ファシリテーションの普及に尽力されている堀公俊氏著作の「MBQ〔マネージメント・バイ・クエスチョン〕日本経済新聞社」が発刊されている。以前(10年以上前と記憶しているが),経営手法として「MBWA(Management By Wondering Around)」が喧伝されてことがあるが、双方の手法を合わせれば、より効果的な管理が出来、かつ社員の「考える力」もつくのではと思う。
MBQとは、質問を使って組織のマネージメントを促進し、自律的に成果が出せる組織をつくる手法であり、「指示命令」ではなく、「質疑応答」を主体とする。松下幸之助氏は部下に対して質問がうまかったのでも有名である。「あんた、どう思うんや?」とか、「それでお客様は喜びまっか?」。社員に自分の頭で考えさせたり、顧客志向を社員に叩き込むのにこれほどシンプルで力強い質問はない。
堀氏の提案は、MBQの基本型としての3つの質問である。
- ①仕事は予定通りに進んでいる?
- ②どんな問題(心配)を抱えているの?
- ③私(上司)ができることはない?
変形として、有る企画を提案してきた時
- ①その目的は何?(目的)
- ②他にどういう手がある?(代替案)
- ③デメリット(リスク)はない?(損得)
や、問題が発生した時には
- ①何が起こった?(問題)
- ②何がもとでそうなった?(原因)
- ③どうするのがベスト?(解決策)
というように状況に応じて変える必要があるが、基本は部下に考えさせることが必要と説く。その際、質問するタイミングや、質問する相手に対する興味や関心の示し方、返事がない場合に辛抱(ウェイティング)するテクニックなどに留意すべしと言う。すなわち、部下を信じ、部下が自らの力で成長することを信じ、励まし続ける上司(質問者)の心が通じれば、部下の成長は早い。
MBWAは、責任を持つ上司が、一人の部下から聞いた報告をうのみにせず、常日頃から現場に出ていろんな人に声を掛け、真の情報、状況を掴む努力をする手法を言っている。これとMBQをうまく組み合わせれば、社員の育成、そして業績UPに必ずつながる!!!