甲子園の高校野球中は放送休止の人気番組「あさイチ」だが、8月11日夜10時より1時間スペシャル「家庭内別居SP」をやっていた。NHKの番組紹介欄(http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/08/11_yoru/01.html)には『今年5月26日の「あさイチ」で放送し大反響を呼んだ「家庭内別居」。「夫に見せたい」という多くの女性たちの声を受け、夜の時間帯に放送しました』とある。
私も最初から見ていたわけではなく、家内が「あなたにも当てはまることが多いから見なさい」と言われてしぶしぶテレビの前に座った。詳しくはインターネットなどで調べてほしいが、家内に言われた通り思い当たることが一杯だった。現役時代もそうだったが、
- 家内の話はほどほどに聞いておけばいい。
- 聞いていようがいまいが、相槌をうっておけばいい。
- 話の途中で、そして結論は?
のようなことを退職後の今でもやっている。こんなことは、すぐばれていて、不満が溜まっている。女房の言い分は、「ひとしきりしゃべりたいのに、その心情を理解してくれない」。「俺も会社でこき使われて疲れている」と言っても、「私も家で忙しくしている」と聞く耳を持たない。夫から言われて一番「心が離れる」言葉は飛びぬけて「俺が食わせてやっている」(51%)。大越キャスター(NC9)なども「その言葉はいってはならない」と驚いていたが、私なんぞ言ったら「誰が料理作って食べさせてやっている」と怒られて終わりだ。
離婚せず、「家庭内別居」に留まっているのは、女性は「生活費」が一番で、「子ども」が2番目の理由、男性は「子ども」がトップ。しかし、考えて見ると、折角の人生、それで幸せだろうか?現役時代もそうだが、特に退職後は、家庭の居心地が人生最大の幸せの源泉となるのではなかろうか?
ちょっとした配慮で心が通い合う、そんな知恵も上記番組で紹介されていた。
「○○してよ」と一方的に要求するのではなく、「○○してくれないと困っちゃうの」とか、「○○してくれないと私寂しいの」とか言うだけで随分違ってくる。
8月12日の日経朝刊に、「夫の家事参加を伸ばすには妻の褒め言葉大切」(旭化成ホームズ共働き家族研究所調査結果)の囲み記事があった。それによると、共働き世代の中心である30代で妻に「ダメ出し」をされた事のある夫は79%。洗濯ものを畳んでも、皿洗いをしても「下手くそ」と言われ悲しい気分になったとの声が多かったそうだ。一方、朝早く洗濯物を干した時「寒い中ありがとう」と言われたり「子どもが喜ぶ」と言うと、がぜん家事をやる気になってくれると言う妻も多い。調査担当者は「夫が嬉しくなる妻の一言は実は妻も夫や子供から言われたい言葉。お互いへの思いやりと感謝の言葉が大切」と締めくくる。
私も退職してから家の仕事の大変さがよくわかった。夫婦で分担しなければこなせないだけのものはある。共働きであればなおさらだ。「ダメ出し」で自分の人生を暗くするより「ありがとう」の一言でお互いの信頼関係が構築できれば、こんな幸せな人生はない。これからの余生、心して生きたい(我が家は安泰です)。