最近のPRESIDENT Online記事に多少古い「オリンピック選手に学ぶやり遂げる力」(茂木健一郎、2014.3.31)がUPされていた(http://president.jp/articles/-/12658)。ソチ五倫で活躍した羽生、浅田、葛西選手に対する感動を分析し、各選手の「生き方」に言及している。茂木氏は「メダルを獲得することはもちろん、オリンピックに出場すること自体が、若いアスリートにとっては遙かに遠い目標だ。その、最初は幻のような目標に向かって、少しずつ、自分の技を磨き、体力を高め、運動能力を積み上げることで、初めてオリンピックへの出場が可能になる。このような、「遠い目標」を目指して「今、ここ」を努力するという生き方は、私たち一人ひとりにとっての1つのインスピレーションとなる。」と言う。さらに「メダルを獲得したアスリートたちには、「遠い目標」を目指す、「根拠のない自信」があったという人たちが多い。根拠のない自信があるからこそ、それを裏付ける努力もできる。必ずそこに行けると信じているからこそ、苦しい練習にも耐えることができる。」と。「目標に対して、どこが足りないのか、何が欠けているのかを、冷静に見つめることができる。」とも。こんなアスリートたちの生き方を参考にして、私たちの一人ひとりの「人生のオリンピック」で大いに活躍を期待していると締めくくる。
この話を読んだとき、NHKの6月9日「プロフェッショナル仕事の流儀」での本田圭祐特集を思い出した。彼は小学生などに「大きな夢を持て」と言う。しかし、「夢は叶うもの」とは決して言わない。「夢を叶う」ためには、「頑張る」と言うことで自分をコントロールできなければならない。「夢を持つ」こととその夢に向かって「一途に頑張る」ことが相俟って夢は叶うもの。小学生の時から持ち続ける「W杯で優勝する」の夢を、今回のW杯で実現すべく「これまでの自分の人生はすべて今回のW杯で世界一になるためにあった」と言い切る。その夢を達成するための信念と行動力を聞くとその凄さに驚く。怪我をしても周囲は心配するが、自分はその怪我をも夢実現に向かって生かすことしか考えていない。自分がやるべきことに対しては、監督と言えども、有名選手と言えども捉まえて納得するまで意見をぶつける。ホンダは言う。「会社でも同じでしょう。上司が言うことに納得いかなければ、とことん納得いくまで意見をぶつけなければ、ほんとの仕事は出来ないでしょう。」と。自分の夢を実現するための精神力があればこそ、敢えてミランに移籍して、エースナンバー(背番号10)を背に批判の嵐にも耐えながら、目標に向かって突き進む姿に感動を覚えるのだろう。本田は「プロフェッショナルとは」との問いに「人生を真摯にまじめに生きる人」と言う。残念ながら昨日のW杯初戦、コートジボアールに惜敗した。しかし、本田の鮮やかなゴールも見ることが出来た。予選残る2試合、是非勝って本田の夢に向かって決勝に進んで欲しいと思う。