以前も、村上和夫先生(筑波大学名誉教授)のお蔭で、JR福知山線事故に遭遇し医者も諦めた(脳がぐしゃぐしゃ)女性が、北京パラリンピックの水泳に出場できるまでに回復したことを紹介した(http://okinaka.jasipa.jp/archives/26)。その記事の中で、「良い遺伝子を目覚めさせるのは、感謝、感動、利他の心、笑い、何事にも一生懸命になる素直さ、病気も落第も自分に与えられた試練でありがたいと思う心など、人生を前向きに目標を持って励めば遺伝子のスイッチはオンになっていくそうです。本来人には優劣が殆どなく、成功者とそうでないのは、どれだけ遺伝子をオンに出来るかということだそうです。」との村上先生の話を紹介した。
「致知2013.3号」に、全く同じように遺伝子のスィッチをオンにして、蘇り、かつその経験を全国の小学校などを「命の授業」と称して講演して回っている人が紹介されている。その人の名は、腰塚勇人さん。中学校の体育教師をやっている時(11年前)、スキーの転倒事故で首から下が全く動かなくなり、医者から「たぶん一生寝たきりか、よくて車いすの生活になるでしょう」と宣告されたそうだ。手術は成功したが、やはり首から下は全く動かない。当時、「人に負けない生き方」を信条にしていた本人は、人の世話になることがいやで、自分を追い込み舌を噛んで死のうとまでしたと言う。将来に絶望的になり、看護婦からの言葉にも食って掛かっていた時、ある看護婦からの「ごめんね。あなたの気持ちを考えずに自分の思ったことを言ってたよね。しかし、あなたには本当に少しでも良くなってほしいと思っているの。お願いだからあなたのために何かさせてください。」との泣きながらの言葉で我に返ったとか。「この人、俺の気持ちをわかろうとしてくれているんだ」と思ったとたん涙が溢れてきた。その後、手足は動かないけど、口は動くので、出来るだけ「ありがとう」って言おう。心も使えるんだから、周りの人がきょう一日元気に、笑顔ですごせますようにと願おうって。そしたら、毎日が楽しくなって、3週間後には車椅子に移ることが出来た。そして、母のように慕っていた学年主任のお世話で、今までの担任クラスを継続してもらい、卒業式には生徒の名前を読み上げる夢の実現も果たすことが出来た。
人の放つ一言で、自分の生き方を劇的に変えることが出来た。これからは、この助けてくれた自分の命が喜ぶ生き方をしよう。それを実践する「五つの誓い」を「命の授業」でもいつも話している。
- 口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう
- 耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう
- 目は人の良いところをみるために使おう
- 手足は人を助けるために使おう
- 心は人の痛みがわかるために使おう
「命の授業」での講演は、もうすぐ3年位になるが、約400回行い、15万人近くの方に聞いてもらったそうだ。腰塚さんは「あのどん底にいた自分が、こんなにもたくさんの方々から必要とされているんだから、もう感謝しかなく、人生で今が一番幸せです。今でも麻痺した体が宝物だ」と言う。
考え方ひとつで、こうも人の生き方、幸せ感は違ってくる。医者も「首の骨を折って、ここまで回復したのは見たことがない」と言われたそうだが、今は子供も出来、家族3人で幸せに生活されている。
奈落に叩き落された人の言葉に感動!
BLOG_NAME JASIPA特別顧問ブログ
今年の2月のブログでも紹介(http://jasipa.jp/blog-entry/8483)した「命の授業」講演家腰塚勇人氏の言葉が、最近FcaeBookで紹介された。前回のブログでは別の言葉を紹介していたが、この..