また、また、転載して頂きました(日本プロ・ライフ・ムーブメント)

およそ2年前、高知中島町教会の大岡滋子さまからのご要請により、出生前の生命を守ることから生命全般を大切にしようとする「日本プロ・ライフ・ムーブメント」活動の一環として毎日世界へ向けて情報発信されているブログへ私の記事(「二度とない人生だから(坂村真民)」http://okinaka.jasipa.jp/archives/549)の転載をして頂きました。

そして今年になってまた、「自己肯定感が人を劇的に成長させるhttp://okinaka.jasipa.jp/archives/69)」の転載要請を大岡様から頂き、早速転載して頂きました(http://www.japan-lifeissues.net/)。大岡様は昨年ご主人を亡くされた中で、107歳のお母さんの面倒を見られながら、社会活動を精力的にこなされている。このような方のお役にたてることは、思いもしなかったことで、ほんとにありがたいことだ。

公開ブログを初めて5年近くになるが、本の著者(白駒妃登美さん他)など思いがけない方から連絡を頂くことが時々あり、これがSNSの楽しみでもあり、怖さでもあることを実感している。時には批判もあるが、「やっていて良かった」と思えることの方が多く、ブログを書かせて頂く大きなエネルギーになっている。これからも幅広くお役に立てるような記事を提供できるように頑張っていきたい。

脳は鍛えることが出来る?(ブレインフィットネス)

身体と同じように、脳も鍛えることが出来るとの説が2007年前後を転換点に言われ始めたそうだ。「脳トレ」などの言葉もその頃からよく使われるようになったと言う。昨年「脳を最適化する~ブレインフィットネス完全ガイド~」(アルバロ・フェルナンデス他共著、山田雅久訳・CCCメディアハウス刊・2015.11)が出版された。著者は、脳の健康に関する最新情報を調査し発信するマーケットリサーチ会社「シャープブレインズ」の最高経営者や最高科学顧問、そして認知心理学博士だ。

脳には約1000億もの神経細胞(ニューロン)が存在する。ニューロンには生体電気的な情報を扱う特殊な力があり、この情報を「シナプス」という連結部分を通じて他のニューロンへ伝える。このニューロンによるネットワークの形成により脳は機能する。ニューロンネットワークに繰り返し刺激を与えることによって、その脳機能が最適化できるとの説から生まれたのが「ブレインフィットネス」だ。そして「ブレインフィットネス」の例を挙げている。

  • 身体エクササイズ(有酸素運動)はニューロン間のつながりを増やし、脳の容量を増加させる。30~60分の有酸素運動を最低週3回行うことを推奨している。その強度は、心拍数と呼吸回数が上る位がいい(散歩程度だけでは十分と言えない)。
  • 食習慣も認知力に関して長期にわたる影響を与える。そして「地中海食」を薦める。野菜、フルーツ、不飽和脂肪酸(オリーブオイル)などを多く、乳製品、肉、飽和脂肪酸は少なく、魚は適度に食べ、適度のアルコールを適度に摂る食を言う。
  • 学習や新しい活動へのチャレンジが脳を強化する。何事においても上達すると脳への刺激が弱くなるため、常にチャレンジの度合いを挙げていくことが必要(クロスワードや数独は脳に対する効果はあまりない)。
  • 学習や仕事が脳を守る。過去に従事した仕事の複雑さの度合いが、リタイア後の脳の機能性に影響し続ける。
  • 読書は認知症のリスクを減らすが、テレビを見ることはリスクを増やす。
  • ・中年期から晩年期における社会的つながりが、認知力低下を減らす。そのため、ボランティアや社会的グループ活動などへの参画は脳の機能低下に効果がある。
  • ストレス・コントロールを生活の中に組み入れることも重要。運動や、リラクゼーション(瞑想、太極拳、ヨガ、散歩など)、ユーモアや笑いも効果がある。

筆者は言う。「ブレインフィットネスに“特効薬”はない。脳と脳科学がどう作用しあうかを理解しながら、食事、有酸素運動、ストレス管理、メンタルへの刺激、社会的交流など、脳を健康にするライフスタイルの構築に取り掛かることが出来る。それが基本だ。」と。

最近各種メディアでも、認知症に関する放映や記事が目立つようになってきている。私も含めて多くの方が「自分は関係ない」とは言えない現状がある。このような調査研究結果も参考にしながら、自らのライフスタイルを考えることも大いに意味があると思える。

コミュニケーションの基本は「ストーリー」

社内での報告や、連絡において、書面に書かれた箇条書きの文言を淡々と説明するだけで、聴き手が何を聞きたいか全く気に留めず、何を言いたいのか分からない話し方に、お互いの意志疎通ができず苛立った経験をした方も多いのではないだろうか。書店にも話し方やコミュニケーションのとりかたに関する本が多数並んでいることからも、上記問題意識を持つ人が数多くいることが想定される。その解決策の一つとして、「ストーリー」をキーワードに挙げるのが目立つ。当ブログでも、「リーダーはストーリーを語りなさい(http://okinaka.jasipa.jp/archives/430)」で、そして「あなたは部下を信頼していますか(http://okinaka.jasipa.jp/archives/4054)」でもストーリの重要性を書いた。

心に響く「ストーリー」の語り手になる。人々の心に響き、印象が残るのは言葉の羅列ではなく、物語であり、ストーリーだ。組織を活性化させるリーダーの役割も、目指すべき未来をストーリーで話せることが必須。新ブランドを世に出したり既存ブランドのイメージを高めたり、新人教育にも、ベテラン社員に活を入れるためにも使われる

感動プロデューサー平野氏の言葉も紹介した(http://okinaka.jasipa.jp/archives/522)。

物語力(story)で感動を生み出せ。売れているものほど、“その商品が生まれるまでの思い、試行錯誤、商品化に至るまでのドラマ”といったストーリーが描かれていることが多いことに気付く。そして「ストーリーとしての競争戦略(楠木建著、東洋経済新報社、2010・5)」にも「優れた戦略とは、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある」と。自分の心が動かないストーリーでは、他人の心は動かせない。

昨年出版された「成功する人の話し方」(ビル・マクゴーワン他共著、小川敏子訳、日本経済新聞社、2015.3刊)にも7つの絶対法則の2番目に

「映画監督」になれ:伝えたいメッセージをエピソードの形にし、相手の創造力を刺激する豊かなストーリーを提供すれば、聴き手は夢中になる。

とある。6番目の法則は

話すより聴く:会話では、話すのと同じくらい聴くことも重要である。話術の達人は、並はずれてすぐれた聴き手で、相手への関心が高く、寛大で慎み深い。

「コミュニケーションというのは、話し手だけでは成立せず、聴き手が聞く耳をもって初めて成立する」、すなわち、聴き手が話し手の意図を感じられなければコミュニケ―ションは成立しない。そのためには、聴き手が何を聴きたいか、何に関心を持つか、相手の表情を見ながら話すことも重要となる。「一方的に報告すれば用は足せた」だけでは、コミュニケ―ションにならず、何の効用も生まれない。報告用の資料作成も視点は同じだ。報告相手の聞きたいことを想定しながら作成するのが基本だ。私自身も多くの人の前で喋る機会もある。聞いていただく人の心を察しながら、話す訓練を積みたい。

冲中一郎