梅雨の合間に飛騨高山・上高地方面へ

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じとじとと高温、多湿の都会を脱出して、少しでも涼しいところへと、以前は北海道だったのが数年前から信州方面に方向転換し、今年も長野県上田から飛騨高山、白川郷、上高地へと足を延ばしてきた。
まず今回の旅で最も印象に残ったのは、最後の日(16日)、朝一番に行った上高地河童橋からの穂高連峰を望む光景だ。この日は予報を覆す晴れ間の多い天気になったことも幸いした。上高地は4回目ということで、多くの人は比較的楽な大正池から河童橋のルート(約1時間)を選ぶが、今回は河童橋から明神池、往復7㎞超の行程に挑戦することにした。以前訪れた明神池の光景を今一度見てみたいとの思いからだ。行きは梓川左岸を、帰りは右岸の木道を歩いた。明神池観光も含めて2時間ほど。行ってみる価値はある。エメラルドグリーンの水、澄んだ水面に映る風景、やはりすばらしい光景が楽しめる。

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帰りの木道にははじめてお目にかかるサルの親子が6~7組ほど姿を見せる。目を合わせると「キーッ」と牙をむく。赤ちゃんを抱えているから気が粗い。木道にはサルの糞があちこち新鮮な形で落ちているので要注意だ。

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その前日(15日)は、飛騨高山と合掌造り集落で世界遺産の白川郷を訪問。五箇山には行ったことがあるが、高山、白川郷は初めてだ。駐車場から「出会い橋」を渡ると白川郷集落だ。急いでシャトルバスに乗って展望台に行った。こころからの絶景はすばらしい。行きはシャトルバス、帰りは歩きで30分少々で行ける。多少無理してでも行かれることを勧める。

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飛騨高山は、城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並みが有名で、外国人などで大賑わいだ。出格子の連なる軒下には用水が流れ、造り酒屋には看板ともいわれる杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がり町家の大戸や、老舗ののれんが連なっている。江戸時代からの朝市も面白い。陣屋そばと宮川沿いの2か所あるが、宮川のほうに行った。新鮮な野菜や果物、花など四季折々のものが並べられ、地元のおばさんたちとの素朴なやりとりも楽しめる。横の宮川には鯉も放し飼いされている。

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最初の日(14日)に行ったのが上田城。NHK大河ドラマ「真田丸」で一躍有名になった城だが、天守閣はなく、櫓が3か所残っているだけ。城の中に受験生に人気の真田神社もある。当日東京でもゲリラ豪雨があったとの事だが、上田城にいるとき突然の豪雨に見舞われ、駐車場への帰り道が土砂崩れで通れなくなるハプニングにも見舞われた。

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2日間は天気にも恵まれ、特に白川郷の展望台からの眺め、上高地の絶好の景観が特に印象的な旅だった。飛騨牛を食することもできた。夕食2回(しゃぶしゃぶ、焼き肉)、昼食1回(すき焼き)だったが、さすが食べ甲斐があった。

社員の成長なくして会社の成長なし(システムエグゼ)

愛読雑誌PHP「衆知」(旧松下幸之助塾)の最新号(2016.7-8)に中堅IT企業「システムエグゼ」の若い(43歳)新社長酒井博文氏の記事が掲載されている。1998年創業以来18年間黒字経営の社員約500名の企業だ。今年1月に創業者の佐藤勝康氏(現会長)から経営を引き継いだのが酒井さんだ。日本オラクルや日本IBMを経て今から9年前に佐藤氏の理念に共感を覚え転職したそうだ。記事のタイトルは「社員の成長なくして会社の成長なし」。
システムエグゼの企業理念を下記する。
・公平、公正を旨とし、明るくやりがいのある会社(社員満足度向上=社員自身の成長)
・さわやかに、キビキビと礼儀をまもりお客様に信頼される会社(顧客満足度向上=お客様の役に立つ)
・ソフトウェア技術に磨きをかけ、他に勝る技術を持ち、社会に貢献する会社(社会に役立つ技術満足度向上=社会への貢献)
私たちは、社員・お客様・社会の「三方よし」を軸に行動し、たくさんの「ありがとう」を頂ける会社を実現します。
社員の成長、会社の成長の最大のポイントは顧客と直接契約を結ぶプライム受注だとの考え方にこだわりを持って推進している。現在では売り上げの8割近くがプライム受注で、20億円を超える大型案件を無事に本番稼働させたこともあるという。プライム受注を拡大するためには、「システムエグゼにしかできない」という技術を磨くこととし、業種を絞り(生損保)、技術はデータベースを得意分野とするなど、種々の施策を取り続けている社員。そして現場のニーズを感ずるために今でも社長自らプロジェクトマネージャーとして現場を回っている。
「会社は社員の成長の場」と位置づけるだけあって、社員への教育は徹底している。約500名の社員に対し年間5000万円を超える費用を当てている。組織別のキャリアプランにもとづき、社員一人一人のキャリアパスを設定、それに沿って細かな育成計画、目標を設定している。研修の内容は多彩だ。外部研修に加えて役員も先頭に立って引っ張る経営塾、ビジネス創造を目指すプロデュース塾、コンペに勝つためのプレゼン塾などを役員が月1回のペースで主催し、社員が参加している。
自社製品の品揃えにも注力し、新規顧客開拓の武器にしている。酒井新社長は、社員に対して終身雇用の約束もしているそうだ。創業者佐藤氏時代からリストラをしたことはなかったが、あらためて「業績に浮き沈みがあっても絶対リストラはしない。逆に業績を下げないために最大限やりきる」と社内宣言をした。浮き沈みの激しいIT業界で大きな覚悟といえる。
社員の成長の先に会社の成長がある」と社員を大事にする方針を掲げている企業は多いが、企業としてシステムエグゼのように具体的な行動で社員に具体的に示している企業は少ないのではないだろうか。会社を信頼している社員の割合が日本は50%以下で他の先進国に比しても低いとのデータがメディアで紹介されていたが、「社員が価値源泉」との企業の原点を今一度見直してみてはどうだろうか。

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将来世代を考える国のリーダーは?

参院選が近づいてきた。選挙年齢が18歳に引き下げられ、若い人たちに投票を呼びかける活動も活発に行われている。以前当ブログで、“問題「先送り」で日本の破局は不可避?”(http://okinaka.jasipa.jp/archives/1257)との記事で、将来世代につけを残さない政治ができないものか、問題提起をした。7月4日の日経夕刊1面の「あすへの話題」のコラムに新日鉄住金宗岡正二会長が寄稿している。タイトルは「将来世代を考える」。
宗岡氏は、日本の喫緊の課題として財政赤字を取り上げ、社会保障と税の一体改革で国際的信認を取り戻すはずの消費税をまたしても先送りにしたことを取り上げている。我々世代がこの負の遺産にメスを入れず、将来世代に先送りしてよいものだろうかと問題提起をしている。企業経営では許されないことであり、年度決算ごとに負の処置を怠れば、いずれ経営破たんに陥ることは歴史が教えてくれるという。さらに、国民は国のリーダーたるものには、国民目線よりはるかに高い視点で百年先を考え抜いて、将来世代が不安なく生活できる日本の将来像を指示してほしいと願っているはず。そのために必要な政策は何か。そして、我々世代が負うべき義務は何かを示してほしい。我々世代も、自分達だけが自分の利益を享受する政策ばかり求めるのではなく、将来世代の利益や負担にも思いをいたす気構えを持ちたいものだ。日本が成長路線に回帰するためには、痛みを伴ってでも大胆な規制緩和、構造改革に踏み込まざるを得まい。「国家が皆さんのために何をなしうるかを問うのではなく、皆さんが国家に何をなしうるかを考えようではありませんか」とのケネディ大統領就任あいさつを紹介し、ケネディ大統領のような志の高い政治家を育て、受け入れる国民でありたい、と締めくくっている。
私も退職して時間ができ、新聞、テレビなどでニュースを聞く時間が圧倒的に増えた。今回の参議院選挙に関しても様々な情報が耳に入る。宗岡氏の提案に賛同できるが、この趣旨でどの党に、誰に投票すればいいのか選択肢がない。安倍総理は遊説に注力しているが、「アベノミクスがなぜ思ったように成果が出ていないのか」、その反省を生かして「今後このように取り組むか」と論理立てて説明してほしいと願うのは私だけだろうか。遊説では、経済政策については、これまでの衆議院選挙や、参議院選挙での演説の繰り返しで、法政大学の杉田教授は「“果実が見えないのは、まだアベノミクスが足りないからエンジンをふかすしかない”との論法だが、これはギャンブルに勝てるまで掛け金を積み続けばいいという論理に似ている。期限を切って“こういう数字を出す”と約束しなければ国民として評価できない」という。金融緩和の出口戦略に関しても全く言及せず紙幣を増刷している現状に国民も大いなる不安を持っているのではないだろうか。失業率や求人倍率の改善を言うなら、消費の低迷の理由も説明しなければ理解不能だ。公約違反を「新しい判断」と言ったり、野党を批判することで「野党よりまし」との論理でごまかさず、若い世代が納得できるような説明が欲しい。野党も、将来の不安をなくすための具体的な施策を今こそ展開すべきではなかろうか?

選挙年齢引き下げを契機に、若い人たちの声も反映したあるべき政治の姿へと変革せねばと強く思う。まずは正常な民主主義を実現するために、「1強多弱」を改善し、与野党協調・牽制体制で日本の将来を議論する環境つくりか?

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冲中一郎