我が家のベランダ(真冬編)

特に今冬は寒い日が続きます。その中で我が家のベランダは、昨年11月にブログにUPした時にも咲いていたビオラやパンジーが、花の密度を増やし、最も存在感を表しています。シクラメンも大きくなりました。カランコエやポリゴナム、レースラベンダーと寄せ植えした鉢も、株が増えたのかにぎやかになっています。

白と黄色の姫金魚草も元気にベランダを賑わしてくれています。特に姫金魚草の花には、スズメやもう少し大きな鳥が来て、花を食べています。茎に止まって食べるため、重みで一部の花の茎が大きく下振れしています。

今年は寒さにやられたのか、春菊は3回ほど収穫したあと、どうやら、成長が止まってしまったようです。絹サヤエンドウは盛んに白い花を咲かせていますが、まだ実にはならないようです。スナップエンドウ(手前の丸い鉢)は成長が遅く、まだまだ花が咲きそうにありません。

樋口廣太郎の人材論

先日「耳障りな話しを聞けるか?」(http://jasipa.jp/blog-entry/8453)で樋口廣太郎氏の話を紹介した。この話を契機に、昔読んだ樋口氏の本「人材論」(講談社1999)を本棚から取り出し読んでみた。本田宗一郎氏の有名な言葉に「無駄な奴は一人もいない。」や「一人ひとりが、自分の得手不得手を包み隠さず、ハッキリ表明する。石は石でいいんです。ダイヤはダイヤでいいんです。そして、監督者は部下の得意なものを早くつかんで、伸ばしてやる、適材適所へ配置してやる。そうなりゃ、石もダイヤもみんな本当の宝になるよ。」とあるが、樋口氏も「すべての人々は“人材”としての力を発揮する可能性を秘めている」と言う。

「一人の人物にすべてを委ねるのではなく、その行動をみんなが支え、共に前進しよう。私はそれを“ウィズアップ(With UP)”と呼んでいます。逆境を乗り越えるためには、リーダー自身も周囲の人も、お互いに“ウィズアップ”の気持ちを胸に抱きながら行動しなければなりません。」と。まさに世界レベルで経済環境変化の激しい今、「全員経営(http://jasipa.jp/blog-entry/7685)」のための環境つくりを10数年前に説かれている。

アサヒビールに来られた時、エレベーターの中で会ってもデパートで見知らぬ人と一緒になったような雰囲気でじっと黙っている。そこで「おはよう運動」を始めたり、身なりや姿勢を大事にすることを推し進めた。挨拶などは、社員間、あるいはお客様とのコミュニケーションをスタートさせるためのスィッチのようなものと言う。そして「伸びる企業の管理者のカタチ」として、部下が伸びる環境を如何に造るかを重視する。「自分より優秀な人材を育てるのが上司の喜び」とし、「管理職が自分は’偉い‘と錯覚している限り、フラットな組織は作れない」と言い切る。管理職にとっては、部下の提案を受け入れたり、障害を取り除いて、自ら育つ意欲を助長することが重要。人材の拡大再生産だ。

「人間性を高める人財育成」の必要性についても強調する。叱り方でも「何をやっているんだ。だからおまえはダメなんだ」と言われるのと「何やっているんだ。おまえらしくないじゃないか」と言われるのとでは、部下の受けるダメージは全く違う。「褒めるなら、本気で褒める。叱るなら本気で叱る。感謝するなら本気で感謝する。詫びるなら本気で詫びる。それが人間同士の信頼関係を築く上での基本です。‘心’以外に、人と人を結びつけるのはありません」。

坂本光司氏は「日本でいちばん大切にしたい会社(http://jasipa.jp/blog-entry/8437)」の中で、「社員を大切にする会社こそが、元気を持続できる」と言われる。「人を大切にする」との理念を標榜する会社は多いが、「行動なき理念は無価値」との認識で、行動に移されることを望みたい。

会社に社長をサポートする№2はいますか?

「優秀なナンバー1がいるのに潰れた会社はゴマンとあるが、優秀なナンバー2がいる会社で潰れたところはほとんどない」と言うのは、西田塾も運営し、30年あまり会社経営をアドバイスしてきた㈱サンリ代表取締役会長西田文郎氏。西田氏に関しては、以前にも、北京オリンピック金メダルのソフトボールチームの指導方法に関して、当ブログにもUPした(http://jasipa.jp/blog-entry/7406)。

最近、「№2理論 最も大切な成功理論」(現代書林)を出版された。平たく言えば、ナンバー1はCEO(最高経営責任者)の役割、ナンバー2がCOO(最高執行責任者)の役割を担う。ある程度会社が大きくなってくると、たしかにこの役割を同一人物が行うことには無理が生じると思う。CEOは明日を語り、COOは社長の思いを実行に移す。そのために、経営サイドと社員サイドの間に立って、ミドルマネージメントを担うのがナンバー2との主張だ。ホンダの事例が良く紹介されるが、技術屋の本田宗一郎氏と事務屋の藤沢武夫さんという、得意分野をうまく補完し合う関係もある。専門分野を違う二人で視野を拡げる事例として、ホンダを「世界のホンダ」に押し上げた排気量50ccの小型オートバイ「スーパーカブ」の話があった。自動二輪といえば90cc以上が常識の中で、本田宗一郎氏も技術屋として「50ccは無理」と思っていたのを、藤沢氏が強引に50ccのカブを推し進めた成果と言う。前回のブログ(http://blog.jolls.jp/jasipa/nsd)でも書いたが、ナンバー2は、権力の座に長くいると、傲慢になりやすいため、ナンバー1に対する牽制機能を果たす役割も担う存在でもある

西田氏は、ナンバー2になる人の人選には慎重を期す必要性を訴える。「利己ぶっている人」や「要領の良すぎる人」は絶対にダメで、決定的な要件は、「仕事能力」よりも「自己犠牲能力」と言う。そして、ナンバー2になる七つの心得を挙げる。

  • ①トップの考え方を徹底的に理解せよ
  • ②「自分の美学」を捨てよ
  • ③ナンバー1に心底惚れよ(ナンバー1はナンバー2が喜んで自己犠牲を払ってくれるような、魅力ある人間でなければならない)
  • ④形だけでもナンバー1を立てろ(どうしても惚れられなければ、尊敬せよ。尊敬もできなければ、せめて好きになれ。好きになることも出来なければ仕方ないから形だけでもナンバー1を立てろ。そのうち好きになる)
  • ⑤愚直であれ。とことん愚直であれ。
  • ⑥大いなるイエスマンであれ(無責任なイエスマンではない。誠実で実直なイエスマン。トップに自信と確信を与えられるイエスマン)
  • ⑦トップにヒントを与えて、積極的に助ける黒子になれ

要は、お互いに信頼でき、権限も委譲でき、自分の弱いところを補完してくれ、そして部下にも惚れられる人材をナンバー2として選ぶこと。そのためには、ワンマンは怖いとの認識をナンバー1が持つことから始まる。経営者としては、一度、じっくり考えたいテーマだ。

冲中一郎