親日国台湾の方から言われた言葉

「海外での日本の評価は、私たちが想像する以上に高い。それは海を越えた異郷の地で活躍した先人たちの功績に負うところも大きいが、いまの学校教育ではその貴重な事実がほとんど語られていない。台湾のインフラ整備で多大な功績を遺した八田與一もその一人である」との前文で始まる「台湾の近代化に尽くした土木技師―八田與一」の記事が「致知2013.3」に掲載されている。昭和56年に文部省海外派遣教師として台湾に派遣された時、初めて八田氏の業績を知り、現在「八田技師夫婦を慕い台湾と友好の会」顧問をされている古川勝三氏の記事だ。八田與一氏に関しては当ブログ(http://jasipa.jp/blog-entry/8285)でも紹介しているので省くが、古川氏が八田氏の事跡を取材中に台湾の方から言われた言葉が印象的だったため、今回紹介することとした(実は今朝のFBで「致知出版社」がこの言葉を紹介しており、読み返すことになった)。

「古川さん、あなたは日本人だから“日本精神”を持っていますよね。日本精神を持っているあなたがた日本人を、私たち台湾人は心から尊敬しています」と。その時、古川氏は“日本精神”の意味が分からなかったが、台湾人に教えてもらったそうだ。

日本精神とは、
嘘をつかず、
不正なお金を受け取らず、
己の失敗を他人のせいにせず、
卑怯なことをせず、
己のやるべき仕事に全力を尽くす

古川氏は、私たち日本人はいま、この言葉に恥じない生き方をしているだろうかと問題提起する。古川氏は、自虐的な戦後教育(マスコミも含めて)の問題に義憤を覚え、多忙な教職の傍らで、八田氏の足跡を綴り「台湾を愛した日本人―土木技師 八田與一の生涯」(創風社出版)を結実させ、日本人の誇りを子供たちに教え、普及させる活動を展開されている。かって、貧しくとも誇りを持って公のために生きていた日本人の姿こそが、今日も全世界の人々に求められている気がしてならないと締めくくる。

いままさに、“教育再生”が政治の課題として議論されている。日本人の誇りを取り戻す教育の再来を期待したい。

我が家のベランダ花盛り

5月になって、待望のぺラルゴニウムが咲き始め、急にベランダが華やぎ始めました。この冬から長い間咲いているレースラベンダーの紫とのツーショットも見られます。昨年も咲いていたベルフラワー(紫)やバラも、冬を越し、ますます花が立派になり、鉢一杯に広がっています。5枚目は、今年初めて栽培の、ブルーサルビアと香りのいいルリマツリに似た花(名前分からず)の組み合わせです。6枚目のペラルゴニウムの後方にあるゼラニウムも5月になって本格的に花の数を増やしました。

ペラルゴニウムの満開は、昨年が5月16日頃、一昨年が5月8日頃、今年は今の状態では今週末頃か?今は5分咲き程度です。

「もやしのきずな」売り出し近し?(BOP事業)

8日の朝日新聞朝刊より。記事のタイトル「もやしの種、自立の芽に ビジネス通じ途上国支援、日本でも」で、発展途上国の貧困層(BOP=Base of the pyramid=低所得者層)をビジネスを通じて支える仕組みが日本企業の間で広まりつつある状況を説明している。一方的な援助ではなく、互いに利益のある形を模索し、息の長い支援を目指す。

今回の紹介は、キノコ生産で有名な「㈱雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)」のバングラディシュとの間でのもやしビジネスの話だ。「雪国まいたけ」は自社で生産している「もやし」の種(緑豆)の大半を中国から輸入しているが、レアメタルの件もあり、仕入れ先を分散するためにバングラディシュを訪れた(2010年)。貧困層に無担保で少額融資することで有名な仕組みにも興味がった。そこで、グラミン銀行の創始者で、ノーベル平和賞受賞者のムハメド・ユヌスさんと対面し、その後押しを受け、事業化が一気に進んだ。

その事業化というのは、グラミングループとの合弁会社を作り、日本からは緑豆の栽培技術を、グラミンは農家指導や融資のノウハウを提供し、バングラディシュでの緑豆の生産に取り組むこと。今までは仲買人に買いたたかれ貧困に甘んじていた人たちからこれまでの10倍程度の価格で買い取る(肥料や農薬など決められた栽培方法を守った緑豆)。当初(2011年)は100人ほどで始まった栽培が、2013年には8000人が参加し、中国産より安く抑えられていると言う。

こうした活動は「BOPビジネス」と呼ばれ、欧米を中心に広がってきた。途上国の働き手を「安い労働力」と見るのではなく、労働環境を整えて正当な対価を支払い、企業の利益追求と現地の生活向上の両立を目指す取り組み。

「ユニクロ」もグラミングループと合弁会社を設立し、服の生産や販売事業を始めている。いち早く2006年に設立されたマザーハウス(山口絵理子社長)もバッグなどをバングラディシュで生産(幾多の困難を乗り越えて)し、今では日本や台湾に15店舗を構え年間5万個を販売していると言う(山口社長は、いろんなマスコミに取り上げられ本も出版されている)。ユニリーバ(インド:小袋に分けた洗剤、シャンプーで農村女性の自立支援)、住友化学(アフリカでマラリア予防の殺虫剤を練りこんだ蚊帳を供給)、ヤマハ発動機(アフリカ:農業用ポンプを使った農法を普及)など各企業でもBOPビジネスが始まっている。日本でも経済産業省が「BOPビジネス支援センターを2010年に設立し、後押しを始めたそうだ。

世界に目を向け、世界に貢献する事業としてBOPビジネスの成功を祈りたい。

冲中一郎